キャリア|出向から戻りたい・帰りたい…出向解除(復帰)は出来る?

別の記事では、出向から戻りたくない!延長、転籍は出来るのか?というご紹介をしましたが、その逆、「出向から戻りたい」という切なる思いを抱いている人も多いのではないでしょうか?

はい、私も過去その一人であったこともあります。さて、そんな出向から戻りたい場合、どんなことが出来るかについていち人事としてご紹介したいと思います。

※ちなみに、その後私は、出向中に転職を実現致しました。

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【前提】そもそも出向の目的は

主に以下の6つの目的の下に出向が下命されるものと考えます。以下のうちの一つが目的かもしれませんし、複数目的があっての出向かもしれません。大体のケースでは以下のいくつかの複合的な目的と考えます。

①人材の育成目的

出向元の企業では経験できないが、出向先であれば経験できる業務。そんな業務が沢山存在しています。その業務経験を通して出向元の人材の育成を図ることを目的として出向を発令しているケースがあります。

それは、ポジション的(地位・役割)な話であったり、専門的な技術・スキルの習得目的だったりします。

②人員削減(排出)目的

出向は左遷なのか?と言われる所以はこの目的で出向が下されるケースがあるためと考えます。自社で活用が困難となった社員をグループ会社に出向させる、そして大体のこのケースですと、最終的には”転籍”までなされるかもしれません。

出向となると基本的には出向先(受入側)がその出向者の人件費を負担することとなります。そのため、自社の従業員を出向に出すことは人員という頭数の話だけではなく人件費も含めての話となります。

③出向先(グループ会社等)の事業支援目的(輩出)

この場合送り込まれるのは優秀な人や経験値が高い人でしょう。具体的な例としては、

・新規事業を立ち上げてきた経験のある人を、グループ会社での新規事業のために出向に出す。
・親会社のファイナンス部門から子会社のファイナンス機能強化のために人材を送り込む
・グループ会社で不足している特定の技術を持った人材を出向させ一時的にサポートする。

等々です。このようにそのグループ会社には居ない人材を親会社やその他のグループ会社から出向させることで、出向先の事業を支援するという目的です。

④人材交流・企業間の繋がり強化目的

組織が大きい企業ともなると、グループ会社も多岐に渡り、効率的な事業運営、グループ会社間でのシナジー創出のためにも人材交流が必要不可欠ともなってきます。

また、外部から人が新しくくるということは、職場の活性化にもつながります。グループ会社間のみならず、事業的に関係性の深い完全に他社との出向のやり取りもケースとしてはあります。

⑤雇用調整目的

業績が厳しくなると、これまで自社で抱えられていた従業員を抱えることが出来なくなることがあります。仕事も減り、必要な人も減る。

とはいってもそうそう簡単に従業員も解雇にすることも出来なかったり、業績が戻ってきた際のためにも引き続き自社にはいて欲しい、とそんな様々な事情で一時的に自社の雇用を調整する目的で従業員を出向に出すことがあります。

出向に出すことで、少しでも出向先に人件費を負担してもらうことで自社の負担を減らしつつ、いずれは戻ってきてもらうということも出来る。そんな目的です。

⑥出向先への事業移管(売却等)に伴う業務引き継ぎ目的

大企業ともなるとグループ会社を複数持って居たりします。そのような環境下において、グループ全体の事業最適化のために特定の会社から他のグループ会社へ製品なりサービスなりが移管されることがあります。

例えば、親会社で提供していたサービスを、子会社へ事業移管する。そんなケースです。そうなると、その事業に携わっている人、場合によってはチーム丸ごとを移管先企業への引き継ぎ等を目的に出向させることがあります。

【前提】出向と転勤の違いは?

目的に次いで、前提として認識しておいていただきたいのは、「出向」と「転勤」の違いです。

「出向」:別企業の指揮・命令の下で就業させるための仕組み、人事異動事象です。
「転勤」:社内にて部署・仕事等を変更する仕組み、人事異動事象です。

大きくは上の通りですが、出向・転勤に関わらずその他の要素として、異動の中で勤務地が変わったり、職種が変わったり、仕事内容が変わったりとします。

ただ、その辺りは、出向も転勤も同じです。異なるのは、会社を跨ぐ異動か、社内での異動かとなります。

また、この違いは、一般的に

・出向は他企業間との話でもあるため期間に制限がある
・転勤は自社内の話であり期間に制限はない

という考え方につながります。

もちろん、出向でも期間があたかもないかのように長期間のものもあれば、転勤でも期間が設けられている転勤もあるでしょう。

ただ、会社の考え方としては、出向は先方との都合もありますし、あくまで自社の社員であるため、そうそういつまでも無限に出向先に置いておくわけにはいかない。

転勤であれば自社内である程度自由に、従業員を配置転換することが出来て、そこに何か特別期間の期限を設ける必要がない。ということになります。

「出向から戻りたい」場合、出向解除(復帰)は出来る?

出向の目的や、出向元と出向先の関係性、色々な要素によって最終的に出向解除が出来るのか、出来ないのかというところも関わってきます。

例えば、出向の目的によっては、最終的に”あなた”を出向先に転籍してもらいたい、という会社側の意図がある場合もあります。

この場合は、会社側として”あなた”が帰りたいといってもそうそう簡単に返すわけにはいかないと考えるでしょう。何か出向先で任せている特定のプロジェクトがあるのであれば、それが終わるまでは帰せないとも考えるでしょう。

さて…

”あなた”の要望のみをもってして出向解除(復帰)はすることは難しい。

というのが基本回答となります。

転勤とある種一緒です。転勤はしたはいいけど、転勤先でうまくいかない…転勤元の部署に戻ることは出来ないか?そうです。

感覚的に難しいだろうとみなさん感じるのではないかと思いますが、会社の人事を”あなた”が”そうしたいから””嫌だから””水が合わないから”等、”あなた”の視点からのみで実現させることは非常にハードルが高いです。

止むを得ない場合は出向解除(復帰)が出来ることも

ただ、とは言っても、止むを得ない場合は出向解除(復帰)が出来ることもあります。これは会社として”あなた”に配慮をする必要がある事情が発生してきた場合です。

止むを得ない場合の事情は、

・”あなた”が異動先(出向先)の環境が原因で心身に不調をきたしてしまった場合
・出向で遠方に行ってもらったが、家庭の事情(介護等)でどうしても出向元(勤務地)に戻らなければならなくなった場合

等々です。

会社は企業の運営のために他の従業員とのバランスも見ています。余程の理由があれば、やむなしと判断してくれることがあると考えますが、中途半端な理由では、”あなた”起点で出向解除(復帰)を実現させることは非常に難しいと考えます。

「出向から戻りたい」場合、まず出来ることは”相談”

会社との関係性もあるかとは思いますが、会社として、個々の従業員のすべての要望を聞き入れてその希望をすべて叶えることは現実的に出来ません。

そのため、杓子定規な回答としては、やはり、基本、”あなた”個人の要望・意見をもってして、出向という人事異動事象を解消することは出来ません、ということにはなるのですが、もちろん全てが全てそうではありません。

会社として、従業員のキャリア(会社生活・私生活も含めた)を重要視しているところもあると思いますし、上司がそれを重要視してくれているところもあると思います。

そのため、素直に戻りたい理由を出向元の上司に説明・相談をするということも、関係性上可能なのであれば是非やっていただきたいこととなります。会社の中で調整の上、どこかの区切りで出向復帰が叶う可能性もあると考えます。

「出向から戻りたい」帰れない場合、どうしたらよい?

特別な配慮をしてもらう必要がある事情があるわけではないが、出向先から戻りたい、と思っている方も多くいるかと思います。

むしろ、もしかしたらそのような方が大半かもしれません。致命的ななにかがあって、即座にどうにかしたいというほどではないが、「今の出向先では成長が感じられない」「出向先の就業環境が出向元と比べて良くない」等の理由で戻りたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

ただ、こうなるとやはり、”特段のことが無い”が故に出向から安易に戻れないということにもつながります。

自分の出向の位置付けを理解する

まずは、冒頭で記載した出向の目的に立ち返っていただき、”自分の出向の位置付け”がどれにあたるのかを理解することが必要と考えます。

例えば…

①人材の育成目的
③出向先(グループ会社等)の事業支援目的(輩出)
④人材交流・企業間の繋がり強化目的

このあたりを目的に出向に出された場合、会社は”あなた”に期待をしていて、成長してほしいと思っています。そして、この場合いつか出向期間終了のタイミングは来ます。(②の場合は高待遇で出向先への転籍打診があるかもしれませんが。)

②人員削減(排出)目的

この場合は、残念ですが、長期的な出向が続いたり、最終的には出向先への”転籍”を打診されたり、出向期間の満了が近づいたら別の企業への出向を命じられたりと、いつまでも出向元に戻してもらえない可能性も高いです。

その上で、対応を検討するのが良いと考えます。

「出向から戻りたい」帰れない場合の対応

根気強く待つ

出向期間が満了となるまで粘り強く待つことはひとつの方法です。上司に明確に出向の目的と期間を確認した上で、その終了日まで待つことです。

しかしながら、出向期間の上限については法的に定まったものはない(2022年2月時点)ため、出向期間の終了が近づいたなんらかのタイミングで最悪、”延長”を申し渡される可能性もあります。

そうなると根気強く待っていても、1年、1年と理由をつけては延長を言い渡され、5年、6年、と出向期間が長期化していってしまう恐れもあります。最悪、”転籍”の打診がなされるケースもあると考えます。

転職をする

残念ではありますが、出向からどうしても戻してもらえない、帰れる目処がたたない場合は、「転職をする」という選択肢が有効になってきます。

これまで勤めてきた出向元をこのような形で退職するのも不本意かもしれませんが、戻れない場合はこの手段に頼るほかありません。

出向から戻りたい・帰りたいという思いが、”出向元”に戻りたいではなく、”出向元(東京)”に戻りたい、と、出向元の会社ではなく勤務地等の都合の話であれば、それが叶う転職をするということは選択肢のひとつです。

”出向元会社”へ戻りたいという場合は、根気強く出向元・先上司双方への節目節目での希望の発信をするしかないと考えます。

「出向から戻りたい」を強引に戻ることを実現することのデメリット

戻りたい気持ちが高まったりすると、あの手この手を使いたくもなるかもしれません。その方法の一つが、、「出向先から出向元に戻してくれないなら、退職も考えます」という交渉です。

これは危険な交渉方法と考えます。もし、会社(出向元)が”あなた”にどうしても辞めてもらいたくないと思っている場合は、出向解除をしてくれる可能性は高いです。

しかし、場合によっては、”あなた”を特別扱いすることで周りに与える影響や、”あなた”にそこまで特別な対応をする必要がないと思われている場合は、それらを鑑みて「会社としてその理由で出向を解除することは出来ないので、残念ですが、退職されるということで…」となってしまう可能性もあります。

もし、「戻してくれないなら辞めます」を交渉カードに出した場合、”あなた”は不満があれば「会社を辞める」というカードを出して会社に交渉を求めてくるやっかいな人だ、というレッテルを貼られる可能性があります。

そして、さらに言うなれば、戻してくれたとしても、必ずしも出向前の元の職場に戻してくれるとは限らないためです。出向解除の権限も、出向解除後にどこに異動させるかの権限も会社が握っています。

何らかの「危機」があるならなりふり構わず要望を!

これまで、出向から戻れない場合、上司に相談、耐える等散々”あなた”起点での出向解除の実現をすることは難しいという話をしてきた上ですが…”あなた”が耐えられない状況にいるのであれば、なりふり構わず対応しましょう。背水の陣で「戻してくれないなら辞めます」という交渉カードをつかっても構いません。

会社が自分が危機に瀕しているにも関わらず、対応をしてくれない場合は、自分で多少強引にでもその異動事象を引き起こすしかありません。

そう考えるととりうる手段は様々です

・出向は会社間での取り決めという側面もあるため、出向先上司を通じて出向解除を出来ないか試みてみる
・出向元に退職カードをちらつかせて出向復帰を実現させる。
・場合によっては転職をする

等々です。

「出向から戻りたい」帰れない…なら転職も選択肢

転職エージェントは様々なケースを取り扱っています。そのため、この手の相談には非常にノウハウをもっています。かく言う私も出向中に転職をエージェントに相談しました。エージェントによってはこの”出向”の経験を前向きに評価もしてくれます。

そしてこれまでの経歴も良いところを見つけ出し、企業に最大限にPRできるように一緒に考えてくれます。転職活動に寄り添ってもらえるのが転職エージェントです。

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さいごに

通常の社内異動とは異なり、例え出向先がグループ会社であったとしても異なる会社に行くということは、通常の一般的な社内での転勤よりも環境の変化は大きく、感じるストレスも大きいものと推察します。

戻りたいのに戻れない、戻りたいけどいつ戻れるかもわからない、そして、出向元の同期・同僚はどんどん成長していっている気がする、何か置いて置かれている気もする。と色々と不安も大きいのが出向だと思います。

ただ、出向先だからこそ出来ることもたくさんあると考えます。私自身も、悩みながらも歩みを進めていければと思います。

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