面接においてかなりの確率で遭遇するのが、面接の最終場面で、面接官から「何か○○さんから、ご質問はありますか?」「何か聞いておきたいことはありますか?」等を問いかけられる逆質問のタイミングです。この逆質問に「特にありません」なんて答えてしまっていたりはしないでしょうか?ここでは、「特にありません」を避けた方が良い理由について、いち人事としてご紹介致します。
そもそも、面接における逆質問の場とは?面接官の意図は?
大きく3点あげられると考えます。一つ目は、面接の一環、つまり応募者(”あなた”)の評価及び自社とのマッチング度合いの確認のため。二つ目は、応募者の”惹きつけ”のため。そして、三つ目は情報提供のためです。以下、詳細をご紹介致します。
その① 応募者の評価・マッチング度合いの確認のため
前提として、逆質問の場も面接の一部である、ということがあります。逆質問のタイミングも評価は受けているということになります。更に言うなれば、面接の一部、選考である以上、応募者(”あなた”)の質問内容よって面接官が評価を上下させる可能性があるということになります。
この逆質問の場での”質問”は面接官からすると、応募者(”あなた”)が何を気にしているのか、何を重要視しているのか、等々をより知る機会でもあります。質問内容次第によって自社とマッチするかどうかを見定めています。
例えば…以下の様なシーン
営業部門のみに絞った回答は難しいのですが、全体としては平均で20時間程度になります。○○さんはどの程度までの残業であれば自身としてWLBを取れると考えていますか?
その② 応募者の惹きつけのため
もうひとつは、応募者(”あなた”)を惹きつけるためとなります。逆質問に対して、有益な情報や意見等を提供することで、良い候補者に対する、”惹きつけ”が出来ると企業は考えています。だからこそ、企業によっては面接官に優秀な人を起用したり、職場の責任者を起用したりなど、惹きつけに繋がりうる人に出てもらっていることとなります。
応募者(”あなた”)としても、自分がした質問に対して面接官から非常に共感できる回答や、感心・関心を抱く様な回答などが得られた場合にはその企業への志望度合いが少なからず高まるのではないでしょうか?(逆にもし不明瞭な回答だったり、誤魔化しなどを感じた場合にはその企業への志望度が下がることもあるかもしれません。)この様なことから、逆質問の場は企業(面接官)からして応募者の惹きつけのためにも用いられています。
その③ 情報提供のため
これまでご紹介してきた通り、逆質問の場はいくつかの目的がありますが、一番想像し易いのはこちらです。シンプルに応募者の質問に対して答えて必要な情報を提供するための場というものになります。「逆質問も面接の一環、評価されます」とお伝えしましたが、企業によっては、”評価”の観点を外して、遠慮なく質問をする様に求めてくるところもあります。
例えば…「面接は以上となります。ありがとうござました。さて…最後に何か質問はありますか?評価に影響は与えませんので、何か気になることあれば事務的なことでも何でも遠慮なく聞いてください。」なんて聞いてくれる場合もあります。
逆質問「特にありません」…は避けるべき!その理由は?
理由① 志望度が低いと判断される可能性があるため
大きな理由のひとつとして上げられるのは、この理由です。「特にありません」は面接官に対して応募者(”あなた”)が実は自社に興味・関心が薄のではないか?と受け止められてしまう可能性があります。ある種当然ですね?もし、何かに興味・関心があるのであればそれがあればあるほど、もっと知りたいという気持ち出てくるはずです。
企業側(面接官)もその様に考えている人は多くいます。つまり、以下の様なことが起こることになります。
理由② 折角の情報収集の機会であるため
企業の中の人に直接質問を投げかけられる機会は多くはありません。むしろ、選考プロセスを通じして、選考のタイミングくらいでしかありません。この様なタイミングにおいて折角用意されている逆質問の場に何も質問をしない、ということは純粋にもったいないのではないかと考えられます。確かに、今は色々なことはインターネットで調べることは出来ますしかしながら、なんでもかんでもがネットから得られるわけではありません。ネットにある以上のことを面接の場で聞ける機会となります。
理由③ 評価を得うるタイミングでもある
逆質問の場において、質問内容によって評価が下がりうる可能性ももちろんありますが、その逆に評価を上げることができる可能性もあります。積極的である様子、やる気がある様子、等々を逆質問の際に伝えることが出来る、そんな格好のチャンスでもあります。
逆質問「特にありません」…は不合格!?
さて…まず、ご安心頂ければと思いますが、逆質問の場において
面接時間は企業によりますが、大体30分~60分程度かと考えます。この中で逆質問が占める割合は当然5分~10分程度でしょう。面接全体のうちほんの一部の逆質問の場面が合否判断に大きな影響を与えることはまずありません。面接官は、面接を総合的にみた上で判断をします。※ただ、影響を与えないわけではありません。
そもそも実は、逆質問のタイミングを面接の中で用意をしていない企業も往々にして存在します。企業側からして合否判断については、応募者の合否評価は面接の場さえあれば出来るもので、逆質問の場は不要なものとなります。それでも、逆質問の場がある、ということは企業として応募者の疑問への回答、懸念の払拭、惹きつけと何からの”+α”の部分に重点をおいているもと考えます。
逆質問「特にありません」…本当に質問が特にない場合はどうしたらよい?
ここに至る前に、是非、本当にないのかどうなのか?についてはしっかりと考えていただきたいと思います。準備次第で、2、3つ程であればきっと事前に逆質問は用意できるはずです。
さて…それでも本当に質問がない場合はどうしたらよいか?それは…
結局、「特にありません」の一番いけないのは、面接官から応募者(”あなた”)の志望度に疑い・懸念を抱いてしまうところにあると考えます。その様に受け取られない伝え方をすれば、逆質問の場において質問がないこと自体がマイナス評価につながることはなくなります。
NG例
・ありません。
・大丈夫です。
等の回答です。これらの端的な回答は、面接官からして、せっかく逆質問の場を設けているのに何もない、というのもな…きっと会社に対する興味・関心が薄いんだろうな、と思われてしまう典型的な回答例となります。
OK例
ただ、この場合、もしかしたら面接官から、「そうなんですね。ちなみに、何が聞きたかった点だったんですか?参考までに教えてください。」と聞かれる可能性は十分にありますので、「~~な点についてお聞きしたいと思っておりましたが、面接で~~と教えていただいたので解決いたしました。ありがとうございます。」と即興する必要が出てきます。
こちらの方が、ふわっとしつつやわらかく質問がないことを伝えられるので良いかもしれません。前述の”聞きたいことが面接で解決できた”だと、それって何?となるリスクがありますが、こちらであれば、そのリスクも少ないと考えます。
また、無理に自分の興味がないことを無理に聞くのはやめましょう。
なぜなら、もし面接官がその質問に対して会話を広げてきた場合に、”あなた”がそのコミュニケーションについていけない可能性があるためです。
転職・就活の面接(逆質問)対策にはエージェントがおすすめ!
何故、おすすめか…それは”あなた”が言語化出来ていないことを言語化するサポートや、カウンセリング(面談)等を通してエージェントが”あなた”が重要視している点や、企業に求めている点等を気づかせてくれるためです。この”気づき”が逆質問において、”あなた”が企業に聞いてみたいことにもつながるためです。
新卒向け就活エージェント
Job Spring
丁寧なカウンセリングと学生のキャリアに真剣に向き合ってくれる就活支援会社です。所謂、新卒向けの就職エージェントという位置付けにはなりますが、転職エージェントとは異なり、就職活動を全般的にサポートしてもらうことが出来ます。
「相談」から始まる就活支援サービス【キャリセン就活エージェント】
企業向け採用コンサルティングも行っているため、 採用担当のホンネを熟知しており、内定イメージを持った企業紹介が可能な就活支援会社です。
アンテナの高い人は感じているかもしれませんが、昨今の企業における新卒採用活動は今までの一括採用スタイル(大量に応募者を集めてふるいにかけ大量に落とし、残った人材を採用する)から、個別採用スタイル(自社に合う人材をピンポイントに狙って取ってい[…]
経験者(転職)向け転職エージェント
【リクルートエージェント】過去に私も相談しました!
業界最大級の求人案件数を誇っております。転職活動の際にエージェントを複数活用するのであればその1社は間違いなくリクルートエージェントにするべきです。(私の会社でも活用しており、担当者・アドバイザーの方の”良さ”は十分にわかっており非常におすすめです。)
キャリアアドバイザーの親身で丁寧なサポート【パソナキャリア】過去に私も相談しました!
謳い文句の通り、非常に親身で丁寧なサポートをしてくださるエージェントです。(こちらも私の会社でも活用しております。企業担当の方も非常に丁寧です。)
20代・第二新卒・既卒の転職ならマイナビジョブ20’s!!
20代の若手でしたらマイナビもおすすめです。私自身は中途採用では関わったことはありませんが、新卒採用でのノウハウもあり、若手向けにはおすすめ出来ると考えます。
転職、新卒時の就職活動とはまた異なる点も多く、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特に、初めての転職ともなると一体どのように転職をすすめたらいいのかさっぱりということもあるのではないでしょうか?転職サイトを使うのが良いのか、転職エージェ[…]
逆質問「特にありません」…いち人事としてはどう受け止める?
こちらでは”いち人事”としての完全に個人的な意見をお伝えいたします。さて、逆質問の場において、「特にありません」という回答に対して”私”がどの様に感じているか…。ですが、身も蓋もないことを言うと、それこそ”私”は特に何も感じないことが多いです。ただ、逆質問に至るまでの面接の過程が”特にありません”に与える印象にも影響を与えていると感じています。
例としては、面接の中でインタラクティブにやり取りができた場合は、最後の逆質問の場で「特にありません。」と言われたとしても、何とも思わないと考えます。それは、面接の中ですでに双方向にコミュニケーションをとる中で、候補者からも質問を受けていたりして、候補者の自社への興味・関心がその中で判断ができたり、実感をすることができているためです。
一方で、面接の中ではこちら(面接官)からの質問に対しての候補者の回答という形に終始すすんだ際に、最後の逆質問の際に、「特にありません。」という場合は、自社への志望度の高さについて疑問を抱きます。志望動機が不明瞭なり表面的で、会社への質問もない…なんて場合には、”条件”でしか会社を選んでいないのだろう…合格をだしても来ないだろう、入ったとしても長続きしないだろうとすら感じます。
また、場合によっては、いち人事としては「本当に何もありませんか?」と再度、逆質問を促す確認をすることすらあります。なぜなら、本来は、”ない”なんてことは”ない”とも思っているためです。”ない”というのは、事前に考えてこなかった、もしくは”ある”がこの場で聞くに相応しくないと思っているから”ない”の2択だと考えています。
もし、”あなた”がいやいや、”本当にない”んです…という場合、きっとその企業に興味・関心を持つことが出来ていないのだと考えます。興味・関心を持てる企業を探すことをおすすめします。
さいごに
面接における逆質問の場で「特にありません」は不合格になるのか?何故避けるべきなのか?特にない場合どうしたら良いか等々について、いち人事として見解をご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか?繰り返しになりますが、折角の逆質問の場ですので、自身のPR・評価向上まで狙う必要はありませんが、出来るだけ複数質問を用意して面接官に投げかけていただけましたら幸いです。面接官は”あなた”の質問に答えるために時間を用意している側面もありますので。