企業から大学へ求人票を送り、大学は学内で学生を何らかの形で選抜し、企業に学生を推薦する。そんな学校推薦ですが、もちろんメリット・デメリットが存在しています。いいことだらけなんじゃない?と思っていると足元を救われかねないので十分に注意して活用して頂きたいと思います。学校推薦を使ったが故に、自由応募で他の企業から内定がでてそちらを選ぼうとしたものの、教授から強烈に制止され、学校推薦で内定を得た企業に行かざるを得なかった、という話を聞くこともあります。
学校推薦を使うメリットとは
もちろん応募先の企業によって大きく差があるので、一律には言えませんが、選考プロセスが一部免除される(例えば、書類選考は免除、最終面接の1回だけで決める、etc.)、分野別に採用活動を行っているような大企業であればその複数の分野に応募することが出来る、等が考えられます。
通常、書類選考は企業によっては数倍~数十倍の倍率にもなり得る狭き門でもあるため、選考プロセスが一部免除されるといった取り扱いになる場合は極めて有利になります。
学校推薦を使うデメリットとは
メリットだけ見ると、デメリットなんてないのでは?とお思いになる方も多いのではと思いますが、学校推薦でのデメリットは個人にとどまる話ではない点もあります。
大学・大学院が推薦をして、その推薦をもって前述のような優遇措置を受けて内定となったあかつきには、基本的には辞退はできない、という取り決めになっています。もちろん法的に辞退することはなんら問題なく、事実、当たり前のように学校推薦を使って内定を得ても辞退する学生は多くいます。
しかし、その結果翌年以降、その企業から大学への求人数が減らされたり、最悪求人を取りやめられたりとなりうるリスクをはらんでいます。学生自身としては、学校推薦で内定が出た企業への就職を約束したつもりはなくても、大学―企業間での約束が存在しているのです。そのため、大学から推薦された学生に内定をだしても結局その学生が入社しなければ、企業としては、「なんだ、どうせ来ないなら求人出さなくていいじゃないか。」となり、翌年以降、後輩への影響が出る可能性もゼロではありません。
学校推薦で選考を受けると有利なの?
言い切ることは難しいですが、企業によっては有利に働くことはあり得ます。何故なら、大学が学校推薦として推薦した学生が、企業から落とされると、企業は場合によっては大学からクレームを受ける等、大学-企業間の問題に発展しかねないリスクを企業側は抱えているからです。これは前述にて記載した、学校推薦で応募・内定した学生が辞退した場合、企業から大学へのクレーム、次年度以降の求人取りやめにつながる可能性が…というものの逆の形となります。そのため、企業は慎重を期して学校推薦者の面接は行っています。その機微な部分でほんのわずかに有利に働く可能性はゼロではありません。
そもそも学校推薦で受けることで一部選考プロセスが免除されるとしたらそれだけで十分に有利な立場にあるということになります。
まとめ
シンプルに述べましたが、学校推薦で企業を受けるうえでのメリット・デメリット、わかっていただけたのではないかなと思います。学校推薦の運用自体は大学によって大きな差があるため、実際どのような温度感なのかは就職課なりキャリアセンター、就職担当の担当教授にしっかりと確認することをお勧めします。もし、第一志望群の企業に学校推薦で応募することが出来るのであれば、学校推薦を活用することを強くお勧めします。
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