転職活動の方法は、転職サイトの活用、転職サイトのスカウトサービスの活用、転職エージェント(人材紹介会社)の活用、友人・知人のつてをたどりリファーラル(紹介)の活用、ハローワークの活用、企業の中途採用ホームページから直接の応募等々あり、様々です。ここでは、転職サイトを利用して転職活動をスタートさせる際に気を付けたいポイントをあげたいと思います。
1.在職中に転職活動を行う
“離職中”というだけで、書類選考の通過率が著しく悪くなりえます。私は仕事柄、他社の人事や、人材紹介会社等とも会話をすることがありますが、大きな企業になればなるほど顕著です。なぜ、離職中だと書類選考が通り辛くなるのか? それは、企業側は“離職中”というキーワードで“リスク”があるのでは、と推測するからです。転職エージェントを通してであれば、エージェントがその離職期間も含めて、企業側に一定の説明を行い推薦してくれるので、まだましですが、転職サイトを利用して一人で活動しているなら、なおのこと要注意です。
離職後の転職活動は時間にこそ余裕はうまれるかもしれませんが、書類選考率の悪化や金銭面での負担感の増加につながり、結果的には、焦り、心の余裕がなくなり、面接でも本来のパフォーマンスを出せないことにも繋がります。在職中であっても、面接の時間も企業側は定時後であったり、土日であったりで調整をしてもらえるはずです。状況が許すのであれば、在職中に転職活動を行うことを強く推奨します。
余談ですが、内定を得てから、会社に退職を申し出ると思わぬカウンターオファーが来ることもあります。昇進をさせるので留まって欲しいと言われた、部署異動を実現するので留まってほしいと言われた等々、実際そのような理由で内定辞退の申し出を受けることもあります(本当の理由は定かではありませんが…)。そのため、自身として転職活動を始める前にしっかりと何を求め転職活動をするのか、その希望はどうすれば達成できるのか整理しておき、現在籍会社からのカウンターオファーに対応することも大事です。
2.転職サイトでのプロフィール(職歴・職務内容等)は全て記載する。
こちらも重要なポイントの一つです。転職サイトを活用しての転職の場合、あなたが魅力的だと思った求人であれば当然他の誰かも魅力的だと思っています。魅力的な求人であればあるほど、応募者は多くなります。そうなると、企業としては全ての応募者に会いたいとは思いつつも、時間的・コスト的な観点から、応募情報(登録情報)での選考を行わざるを得ないケースが出てきます。
1次スクリーニング(応募者情報を持ってしての選考)における観点としては、年齢、学歴、現在の在籍会社、具体的な職務内容、所有している資格等々になります。年齢・学歴・在籍会社を変えることは出来ませんので、全ての項目を予め可能な限り詳細に記入しておき、人事担当者が目を通した際に、「おっ」と思ってもらい、「面接にお呼びしたいな」と思ってもらえるようにするべきです。
3.応募企業・案件を複数探す
新卒の頃にした就職活動を思い出して頂けたらと思います。ほとんどの方が第一希望の1社を受けてその1社から内定を得たわけではないと思います。つまり、転職活動においても新卒の頃の就職活動と同様に所謂“第一希望群”をつくる必要があります。転職活動を成功させるためには、しっかりと様々な求人内容を確認し、自分の希望に合う案件を複数用意し、応募するのが望ましいです。
書類選考の通過率は案件に対しての応募者数、自身の経歴・スキルと求人のマッチ度合い等によるところが大きく、一般論として数値化することは極めて困難ですが、仮に書類選考・1次面接・2次面接・最終面接の通過率を全て50%としても、1社から内定を得るためには16社程度は応募しなければならないこととなります。そのため、応募企業を複数探すことは極めて大切です。
転職の際には、同業界・同職種での転職、異業界・同職種での転職、同業界・異職種での転職、異業界・異職種での転職の大きく分けて4パターンあります。当然、同業種・同職種での転職活動が最も成功しやすいであろうことも頭には入れておいてください。
4.複数の転職サイトに登録をする
応募企業を複数探すためにも、自分がより行きたいと思える魅力的な求人を見つけるためにも、複数の転職サイトに登録をおすすめします。企業は、1か月数十万から、場合によっては100万、200万ともなる広告費を転職サイトに払い、求人広告を掲載しています。お金の多くある大企業であれば、複数の転職サイトに掲載をしますが、予算が限られていたり、そもそも1名しか募集がなかったりする際には、特定の転職サイトへしか求人を掲載していないケースも多くあります。そのため、自分が希望したいと思える求人案件を複数用意するためには複数の転職サイトへの登録は必要不可欠となります。
業界や職種にもよりますが、それぞれの大手転職サイトとあわせて、業界・業種に特化した転職サイトへ登録をしてみるとアクセスできる案件の幅は広がり、第一希望群と出来る案件も多く出てくると考えます。
さいごに
以上、転職サイトを利用しての転職活動にあたっての4つのポイントをまとめてみました。転職サイトを通しての活動は、全てご自身でプロフィールの記入から、求人探し、履歴書・職務経歴書の作成、応募、面接のアポイント、入社時期の交渉、処遇交渉等々、最初から最後まで自分で行わなければならず色々手間がかかる事も多く大変かと思います。応募しても書類審査で落ちることが当たり前、書類通過率が10%程度の様な案件も数多く存在します。初めての転職活動ともなると、書類に落ちる度に落ち込むかもしれませんが。むしろ、落とされるのが当たり前、と思い気を強く持って続けて頂きたいと思います。少しでも転職サイトを利用して活動を始めるにあたって、本記事が参考になりましたら幸いです。