日経テスト、あまり聞いたことがなく、ほとんどの方にとって馴染みがない”資格・検定”に入ると考えます。この記事を見ている方のほぼ9割方の方々が所属企業で必要(昇進・昇格試験等の一部や研修・教育の一環)で受験が必要という方ではないでしょうか。
残りの1割程度の方が新卒における就職活動のためや、転職における資格について調べる中で高得点を取る方法を探してこられた方ではないでしょうか。
前置きが長くなりましたが、私も会社で必要となり過去に受験をいたしました。結局後にも先にも受験はその1回限りとなりましたが。その際、2週間で700超えを取ることができましたのでその勉強法をご紹介したいと思います。
日経TEST(日本経済知力テスト)とは
日経 TESTは5つの評価軸で判定
・Basic 基礎知識:仕事に必須な基本的かつ普遍的な経済・経営知識
・Knowledge 実践知識:経営環境や企業の戦略など実践性の高い経済・経営知識
・Sensitive 視野の広さ:ビジネスに役に立つ、多様な社会・経済現象についての知識
・Induction 知識を知恵にする力:知識として吸収した情報を、ビジネス上の判断などの知恵へと変える力
・Deduction 知恵を活用する力:知識や知恵を活用して因果関係を把握したり、状況判断をしたりする力
参考:日経TEST https://school.nikkei.co.jp/nn/special/ntest/individual/index.html
出題ジャンルは6つ
・Enviroment 経営環境:世界における日本経済の実力など、経営環境に関する問題
・Corporate Strategy 企業戦略:環境変化に対応した産業動向や企業の経営戦略に関する実践的な問題
・Finance 会計・財務:企業会計・財務を中心に金融商品に関する実践知識も含む問題
・Legal 法務・人事:コーポレートガバナンスや知的財産、雇用・労働に関する問題
・Marketing マーケティング・販売:マーケティングの基礎から、デジタルマーケティングなどの新しい手法についても問う実践問題
・Technology 生産・テクノロジー:AIなど、これからのビジネスや事業戦略に欠かせないテクノロジーなどに関する問題
参考:日経TEST https://school.nikkei.co.jp/nn/special/ntest/individual/index.html
テスト概要
出題形式:選択式で4つの選択肢から選びます
出題数:全部で100問
試験時間:80分
成績:スコアで表示(上限の目安1,000点)
受験料:6,600円(本体価格6,000円+税)
日経TESTの受験方法(種類)
日経TESTには大きく3種類のテスト受験があります。
全国一斉試験
一人からの申し込みが可能な試験で、年2回・最新問題をオンラインで受験することができます。
テストセンター試験
場所と日付を選んで受験が可能な試験です。
全国の主要都市約150ヶ所にある、パソコン教室や専門学校に設置されている
「テストセンター」から受験が可能です。
企業・団体試験
全国一斉試験と同様の試験を企業・団体が希望する場所・日時で受験することが出来ます。
私個人はこの「企業・団体試験」での受験をいたしました。
日経TEST 2週間で700点超えを取る方法・対策
対策本の購入(必須)と学習方法
【対策本の購入(必須)】
それは「日経TEST 公式テキスト&問題集」です。
これが唯一無二の必須本となりますので、絶対に購入は必須です。
何度でも言いますがこれはマストアイテムです。そのため、まだ購入していなければ直ぐに購入することを強く推奨します。
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日経TEST公式テキスト&問題集 2023-24年版 [ 日本経済新聞社 ]
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【学習方法】後はひたすら繰り返す(最低5回)
私はこの本を5回、最初から最後まで読みこみました。ただ読むだけではなく、マーカーを入れ、自分なりにメモを書き込み等々をし、最終的には記載されている例題とその回答、例題における正解以外の選択肢についても含めて背景情報を把握して正解が出来るレベルまで学習しました。
学習方法の例
例えば以下のような設問があるとします。
・金
・銅
・パラジウム
・プラチナ
1週目は普通に解いて解説を確認しますが、2週目以降は、ただ設問を解くのではなく、
・パラジウム:自動車の触媒として使われている。ロシアが最大の産出国。
・プラチナ:パラジウム同様自動車の触媒として使われるが、宝飾需要も高い。南アフリカが最大の産出国。
と、その他の選択肢の情報についてもしっかりと頭にインプットしていくことが大切です。答えさえわかれば良いのではなく、正解以外の選択肢も一体どういった位置付けのものなのか、なぜ正答ではないのかをしっかりと理解することで、学び取れる量が増えていきます。
必要な学習時間の確保(一体何時間必要か?)
全部で最低20時間程度は投資することが必要かと考えます。2週間で20時間。
つまり、4日間は有るであろう土日では合計8時間(1日あたり2時間)、10日間の平日で12時間(1日あたり1.5時間)を捻出する必要が最低限必要と思います。
先程の「日経TEST 公式テキスト&問題集」を一周するのに、3、4時間ほどかかるかと思いますので、3、4時間×5周=15時間~20時間という計算になります。
時間の作り方
社会人ともなるとなかなかまとまった時間を取れる方も少ないのではないかと思います。そのため、スキマ時間の活用として、通勤における電車、バスを活用することは必須です。
それだけでは時間が足りないかと思いますので、この試験対策期間の2週間は、”何か”を我慢してその他の時間を対策に投資するしかありません。
家に帰ってきてから毎日1時間テレビを見てる時間やゲームをしている時間、スマホをなんとなくいじっている時間、読書の時間等あれば、この2週間はそれを我慢していただき、「日経TEST 公式テキスト&問題集」の学習に充ててください。
日経TESTに過去問はあるのか?
試験対策といえば、当然真っ先に思い浮かぶ一つが「過去問」かと思います。しかしながら、日経TESTについては残念ながら所謂過去問はありません。ただ、日経TESTに準拠している問題、並びに日経TEST監修のビジネスクイズがHPに公開されていますので、テストを受ける前に力試しに解いてみるのは良いと考えます。
日経TEST準拠問題
日本経済新聞社が自社の採用試験のために応募者に日経TEST準拠問題を課しています。
https://www.nikkei.co.jp/saiyo/recruit/previous.html
意外と時事問題も多く含まれており、「日経TEST 公式テキスト&問題集」だけでは6割~7割程度しか取れずに焦ってしまうかもしれませんが、そこはある程度心配は不要です。
時事問題の話もありますので、こちらは古い年度の過去問ではなく、新しい年度の過去問から受けていくことをお勧めします。
日経TEST監修のビジネスクイズ(BiZ-Q)
https://school.nikkei.co.jp/nn/special/ntest/individual/biz-q/index.html
日経TEST準拠問題よりも、実際の日経TESTと近しい問題となっていると感じます。ただ、公開されているクイズの設問数はそこまで多くはありませんので、スキマ時間でスマホをいじれるタイミングでサラッと解いてみるのに便利です。
オススメしない学習方法
日経新聞の購読
日程TESTを受けるにあたって真っ先に私自身思ったのは、「日経新聞、購読するかな…」でした。日経TESTという名前を聞いただけで、私のように真っ先にそう思った方は実は多いのではないでしょうか?ただ、結局私は日経新聞を購読することなく試験を受けました。実体験として、日経新聞の購読は試験対策としてはほぼ不要であったと確信しました。ニュース番組をみるよりも、社会情勢・経済諸々に特化した情報を得ることができるためその点は有用と考えますが、それが得点につながる即効性はそこまで高くないと考えます。そのため、試験対策としては日経新聞を読んでいる時間は非常に勿体無いです。
ニュース番組の視聴
色々検索しますと、WBS(ワールドビジネスサテライト)や報道ステーション等のニュース番組は欠かさずチェックしましょうと勧めているサイトもありますが、ここではそれはオススメしません。確かに、日々のフレッシュな最新ニュースとしてはとても有用ですが、試験の点数アップに直接つながる要素は少ないことと、やはり、即効性も低いです。また、得点に必ずしもつならないニュース(エンタメ、スポーツ、天気、CM等)も多く含まれており、1時間番組をみることに費やすのは時間の使い方としては非常にもったいないです。試験対策としてはまずは書籍の学習に全力を注いでいただくのが良いです。
余裕があり更なる高得点(800点、900点超え)を目指す場合
あくまで余力があればという話であることと、最小限の努力で最短で高得点を取るという趣旨からは逸れます。もう「日経TEST 公式テキスト&問題集」はほぼ完璧になったよという方、継続的な学びを目的としている方や日経TESTにおいて900点を超えるような超高得点を狙っている場合はここまでしなければその点は取れないのではと考えます。
追加の書籍を買ってみる
さらに知識を増やすために追加で書籍を購入して学習することをオススメします。オススメは”知識”問題対策というところでも有効となると考えます。(ちなみに、私は以下を追加で学習しました。結局は時間の都合もあり1周しかできませんでした。)
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日経キーワードでは、様々な14つのテーマ(日本経済、世界経済、国内政治、国際社会、業界・企業、雇用・労働、国土・都市・人口、資源・環境、デジタル、次世代技術、医療・福祉、社会・生活、教育・文化・スポーツ)に関するキーワードとその解説が掲載されています。”知識”の観点でのスコアを伸ばすのには非常に役に立ちます。
日経新聞も購読する
前述でオススメしませんと書きましたが、それあくまで短期間で高得点を目指すにあたっては不要との考えです。ただやはり、高得点を得るためには常に最新の社会情勢や経済状況にキャッチアップし、その関連性を新聞やニュース等色々な情報と結びつけて知識を蓄え、関連性を見出す訓練をするためには日経新聞の購読は有用と考えます。
ニュース・ビジネス等のTV番組もみる
こちらも前述でオススメしませんと書きましたが、あくまで必要最小限、最短を行く上ではオススメしないという意味であり、もし余裕があれば定期的に、継続的にこれらの番組をみるのも良いと考えます。
・テレビ東京 WBS(ワールドビジネスサテライト)
・テレビ東京 カンブリア宮殿
・テレビ東京 ガイアの夜明け
・テレビ東京 Morning satellite
・テレビ朝日 報道ステーション
・日本テレビ news zero
・TBSテレビ news23
などなどのいずれかが対象に入ってくるかと思います。
日経TESTの点数別のレベル・定義は?
さて…いざ、試験を受けその結果が出ますが、気になるのはその定義かと思います。試験結果の用紙にも記載がされていますが以下の通り紹介します。(下記のような定義もあり、ここでは700点超えと銘打っているのも若干あります。)
700点以上
幅広い視野と高い知的の能力を持った、高度なナレッジワーカー。
卓越したビジネスリーダーに成長できる可能性を持つ。600点~700点
企業人として必要な知識と知的能力をバランス良く備えた、状況対応力の高い人材。
ビジネスリーダーとしての資質を有する。400点~600点
日常のビジネス活動を着実にこなすことのできる、実務遂行力を備えた人材。
複雑・高度な問題への対応力の強化がカギ。400点以下
発展途上人材。知識を十分に蓄積するなど、今後の研鑽が求められる。
日経TESTは履歴書に書けるのか?
高得点であれば書く意味も多少はあるかもしれませんが、あまり知名度が高くないこと、これまでの受験者数も”のべ”270,000人と多くないこと(ちなみに、TOEICの総受験人数は240万人を超えています)、等々から積極的な記載は不要と考えます。もしどうしても書きたい場合は、600超えからであれば書いても良いと考えます。
また、たまたまかもしれませんが、個人的にこれまで新卒採用で数千人、中途(経験者)採用でも4桁人数の履歴書を見てきましたが、日経TESTのスコアを履歴書に書いている人に出会ったことはありません。残念ではありますが、資格・試験としてはまだまだ広がりはこれからという位置付けになると考えます。
就活、転職活動で履歴書を書いているけれども…資格欄、はて、TOEIC受けたことはあるが、スコアを書くべきか…と悩んでいる方いらっしゃいませんでしょうか?気になっていらっしゃる通り、TOEICを受けたことがある(資格に相当する)からといってど[…]
日程TESTを活用している企業
日経TESTのHPから確認できるのは以下のような企業となります。
カゴメ株式会社(採用・登用に活用として)
株式会社ツヴァイ(マネジメント層への社内登用試験の一部として)
株式会社大京
亀田製菓株式会社(管理職登用の条件に)
株式会社岡三証券グループ(管理職登用の前に)
株式会社アルプス技研(昇進・昇格のための試験のひとつ)
ローム株式会社
社内での昇進・昇格のために用いている企業が多い様子です。
さいごに
長々とお付き合いありがとうございます。正直に言って、私個人としてはあまり会社生活において役に立つと思える試験ではありませんでした。強いて言えば、ビジネスマンとしての知識が多少多くなったことで、他部門(経理・財務部署や企画部署)の人と話すときに会話がスムーズになったと感じた瞬間がありました。
そのため、ビジネスマンとしての最低限の一般常識とも言えるものになるので、この試験を持って一定点数に達しない場合に社内で昇進・昇格させるに値しないという判断をするのはそれはそれで一里はある、とも感じました。短期間で700点を超える方法と称して書きましたが、当然、ベースとなる知識量が異なれば必ずしもこの通りに行くとは限りませんし、逆に私なんかよりもよっぽど高い点数を取る方もいらっしゃると思います。(感覚として私がもし全く勉強せずにこのテストを受けていたら500点くらいだったのではと思います。)
最後に皆様が良い結果を得られることを願って以上と致します。