内定辞退、言い出しづらいと感じる方も多くいるのではないでしょうか。インターンシップや選考プロセスを通してお世話になった企業であればあるほど、辞退を申し出ることに心苦しさも感じるでしょう。
人によっては、「怒られるのではないか?」「叱責されるのではないか?」と不安になるでしょう。また、もしそんな状況に遭遇したらどうしたらいいのかと危惧している人もいるでしょう。
ここでは、「内定辞退」は怒られるのか?また怒られた際にどう対応したら良いのかについて、人事としての見解をご紹介いたします。※転職における内定辞退もある程度同様に考えていただければと思います。
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「内定」とは
就職活動における、「内定」とは、「その企業での採用が決まっていること」をさします。労働契約を結ぶことが確定している状態となります。
そして、内定は、入社までの一定の期間を予め企業・学生間で設けることで双方の準備のために設けられているとも考えられます。
さて、この「内定」ですが、基本的には10月1日以降に正式に申し渡されるものとなります。
つまりここで言う「内定辞退」は基本は10月以降の辞退という意です。しかし、もちろん、10月以前に”内定”を出す企業もあるでしょう。
ただ、その場合”時期”にもよりますが、6月頃の所謂選考時期の最終面接を踏まえての合格を辞退するということは、例え企業側からの連絡が”内定”という言葉を使っていたとしても、珍しいことではなく、この場合は”怒られる心配”というのは更に可能性は低いと考えます。
転職の場合
転職の場合は、最終選考での合格≒内定扱いとなるでしょう。この場合、時期はあまり関係がなく、辞退もほとんどの場合ですんなりと認められるでしょう。企業側は内定を受諾(承諾)されるまで”あなた”に来てもらえるとは厳密には思っていません。
「内定辞退」は怒られる?
と考えます。
しっかりとしている企業であればあるほど、”怒る”ということはしないでしょう。
ただ、人(採用担当者)によっては心中穏やかではなく、おもてには出さないまでも心の中では怒っている、なんてことはもちろんあるでしょう。
「内定辞退」承諾後だったら怒られる?
「内定辞退」と一言で言ってもそのタイミングは、内定通知後・承諾前のタイミング、その後の内定承諾後のタイミングの大きく二つのタイミングに分けられます。前述は、内定通知後のタイミングを想定していますが、さて、もしこれが”承諾後”だったらどうなるか、です。
内定承諾、つまりこれは、”あなた”がその企業への入社を約束した、ということに他なりません。この場合、果たして”怒られる”のでしょうか?
結論は、やはり、
と考えます。
ただ、”怒る”企業が多少なりとも増えるかもしれません。それは、企業からの内定通知のみでは学生(”あなた”)の入社が確定しているわけではありませんが、内定承諾後は”あなた”も入社意思を明確にしているためです。
※もちろん、新卒の就職活動時においては内定前にも、内々定のタイミング等で企業は入社意思確認をとっているとは考えますが。内々定を辞退と、内定を辞退は企業としては重みが異なります。
「内定辞退」本当に怒られない?企業が怒らない理由は?
怒られることが心配な方に、企業が怒らない理由を併せてご紹介します。
1:企業イメージの悪化を恐れるため
”怒る”ことで少なくとも、辞退者(”あなた”)からの企業イメージは下がるでしょう。これも通常の企業であれば避けたいと思うはずです。
なぜなら、直接的か間接的かはさておき、辞退者も何らかの形で自社のお客さんとも言えるためです。もしかしたら、その辞退者はその企業との協業先に行くかもしれませんし、顧客企業へ行くかもしれません。
その可能性はさておき、自社のファンを減らし”敵”を増やすことは愚かとも言えます。
また、後述と重複するところはありますが、辞退者に怒った、ということが何らかの形(Twitter等)で拡散された場合、企業のブランドイメージの喪失にも繋がりかねません。
そのため、企業イメージを大切にしている会社であればあるほど、”怒る”ということはしないと考えます。
2:今後の採用活動に支障をきたす可能性があるため
昨今は、インターネット上に様々な情報共有サイトがあり、そこでは様々な情報が交換されています。
新卒の就職活動であれば有名なのは”みん就”等、転職活動においても情報共有のサイトが存在しています。
もし、これらに「内定辞退で怒られた!」なんてネガティブなことを書き込まれようものなたら翌年の採用活動に響く恐れがあります。企業として非常に避けたいです。
3:そもそも怒る労力がもったいない
怒ることにはエネルギーも使いますし、時間も使います。内定者であっても、辞退を申し出て来た時点で、基本的にはもうそれは辞退者です。
そうなると企業としてそこにさく労力はもったいないと考えます。そこに労力(わざわざ呼び出して怒る等の労力)を使うのであれば、むしろ、次の採用へ力を使った方が余程生産的であるためです。
番外:「内定辞退」の申し出で怒られたら、むしろポジティブに
もし、”あなた”が内定辞退を伝えた際に、怒ってくる様な企業であった場合、怒られること自体はストレスですし、精神的にもまいってしまうかもしれません。
ただ、この場合はむしろ、内定辞退の申し出に対して怒りをもって対応してくる企業へ入社しなくてすんで良かった。ということが言えます。
怒られている間は辛い思いをしたかと思いますが、気持ちを切り替えて前を向いていただければと考えます。
「内定辞退」が企業に与える悪影響
総じて、内定後に辞退をされるということは”あなた”を採用するために投資した採用経費が水の泡となると言うことになります。
これらを内定者(”あなた”)が気にしていては辞退なんか出来なくなってしまいますので、気にする必要は全くありません。
1:企業の採用計画が未達になる可能性
特に新卒採用活動において企業はただなんとなく採用活動を行なっているわけではありません。しっかりしている企業であれば、毎年毎年、「今年は◯◯人採用する」という数値目標があり、それを目標として採用活動を推進しています。
もし、10月の正式内定以降に辞退が出た場合、タイミング的にその穴を埋めることは企業側からして非常に至難であり、最終的に採用目標未達、となってしまうことにつながります。
そうなると、企業としては当然嬉しくありません。大層な言い方になりますが、事業推進に必要となる人員確保ができなかった、ということにもなります。
経験者採用(転職者)の場合は、基本的には採用出来るまで活動を続けることも多いかと思いますのでこの限りではありません。
2:採用経費の浪費に終わる可能性
新卒採用において企業は非常に多くの予算を投資しています。リクナビ・マイナビ等の就活サイトのプラットフォーム利用料、ダイレクトメール(DM)の配信料金、説明会への参加費用等がメインとしてあげられます。
その他にも、企業の人事担当者・従業員が採用活動に割く時間もコストとも言えます。大雑把に言って、新卒で採用を一人するためにかかるコストは大体一人あたり数十万円~百数十万円近くになります。
それらが、”あなた”の辞退によって無駄になる…ということです。
経験者採用の場合は、成功報酬での募集であれば費用こそかかってはいないかもしれませんが、広告などを活用していた場合はそれ相応の費用がやはりかかっています。また、いずれにしても依然としてそこに投資する人の労力は掛かっています。
3:辞退タイミングによっては企業への各種軽微な損失も
内定承諾後、企業側では”あなた”の入社受け入れに向けた本格的な準備が進められています。
新卒であれば新入社員研修の手配は大きいところですが、新卒・中途にかかわらずパソコン等ITインフラの準備、各種備品の準備(名刺・ハンコ・職印等々)があげられます。このタイミングでの辞退は、企業に対して軽微ながらリアルな損失を与えます。
4:企業の関係者に与える心理的影響
”あなた”が合格(内定)に至るまでには、企業の人事担当者、各面接タイミングでの面接官が関わっており、ケースによっては、合格タイミングで受け入れ先職場まで具体的に決まっていれば、その受入部署・チームのメンバまでが、”あなた”に期待し、入社を心待ちにしていることとなります。
内定後(特に受諾後)の辞退は企業における関係者の多くを落胆・失望させることとなります。
番外:企業以外に与えている影響
内定辞退は企業側に与えるインパクトはありますが、視点を広げると、他の学生・他の候補者がもらえたかもしれない内定枠を”あなた”が奪ってるという事象も生み出していることもあります。
内定を複数所持することは、”あなた”個人にとっては安心感もありますし、熟考に熟考を重ねた上で結論を出せれば満足のいく就職活動をやりきることになるかもしれません。
しかしながら、一方で企業が出す内定の数は限られており、”あなた”がその内定を所持し続ける限り、枠は埋まったままとなり、他の学生・候補者のチャンスが奪われていることとなります。
「内定辞退」怒られそうな場合の対応は?
”怒られる”ことはないでしょう。とこれまで見解をご紹介してきましたが、とは言っても、絶対に怒られないわけではなく、実際は怒られる人もいるでしょう。その場合、どの様に対応したら良いかについてとなります。
0:心を強く持つ
まずは、内定辞退の連絡をする前に、しっかりと心の準備をしておきましょう。”怒られる”想定だけではなく、想像以上に冷たい対応にあったり、考えていた以上に辞退理由について詰められたりするかもしれません。
そうなると、動揺し、満足に謝ることができなくなってしまったり、しどろもどろになり相手側にさらに詰められて、辞退出来なくなってしまうかもしれません。そのため、しっかりと事前に心を整えておきましょう。
1:誠心誠意謝る
前述の通り、内定辞退は企業になんらかの悪影響を与えます。そのため、怒られる、きつい言葉を浴びせられる、なんてことはあり得るでしょう。
その際に、”あなた”に出来ることは誠心誠意謝ることです。言葉を選ばずに言えば、内定辞退は企業にとても迷惑がかかる、ということに尽きます。
2:辞退理由はしっかりと述べる
辞退理由はしっかりと述べましょう。ただし、正直すぎる内容は火に油を注ぐ形ともなりかねません。そのため、あくまで穏便な、正当な理由であることが望ましいです。
望ましくない理由のひとつは、やはり「今更感のある理由」と考えます。「そんなことわかっていただろう」という辞退理由は人事担当者の逆鱗に触れる可能性があります。
また、不誠実な内容ももちろん望ましくない理由のひとつでしょう。不誠実な辞退理由は、本来であれば怒られなかったかもしれないのに、企業からの怒りを買う可能性が高まります。
不誠実な辞退理由とは、嘘も方便とは言え、企業側が騙されたというような理由が主と考えます。(他社は辞退したと言ったのに辞退していなかった、第一志望と言っておきながら合格後も選考を続けていた等々)
3:辞退意思をぶらさない
怒られたから、非難されたからといって、少しでも譲る様な姿勢、考え直す様な姿勢を見せることは絶対にしない様にしましょう。
企業によっては、内定辞退の申し出を撤回させてまで入社に結びつけようとする企業も存在するからです。
内定辞退をするからには確固たる意思をもって申し出ましょう。意志が不足している場合における、最悪のケースは、内定辞退の申し出を撤回させられることですし、その次にまた考えられるのは、再考を求められ、結局そのタイミングでの辞退が叶わなくなってしまうことも懸念されます。
こうなると、また再度改ためて辞退を申し出なけれならないという非常に精神的に苦しい状況にも置かれてしまいます。
もし、悩んでいるのであればそれは、その様にそもそもの前段で相談をしましょう。
「内定辞退」出来ればしっかりと辞退理由を伝える
企業側からすると、内定を辞退されることは非常に痛手です。もし、”あなた”として最後まで誠意を持って対応できるとすれば、辞退理由をしっかりと伝えることです。
企業の翌年度以降の採用活動の参考になる
企業は採用活動を続けていきます。その中で重要視されているポイントには辞退の防止、辞退率の低減もあげられます。そのため、”あなた”の辞退理由(辞退原因)は重要な情報となります。
その情報をもとに次の採用活動への改善につなげられるわけです。例えば、もし「親の反対」が辞退理由であれば、企業としては”オヤカク”のステップを取り入れるかもしれません。
もし、それが「嫁(夫)ブロック」であれば配偶者も意識した確認ステップを取り入れるかもしれません。と言った具合です。
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採用担当者の社内での説明責任を果たす材料になる
企業の規模等によっては、内定辞退者のその辞退理由を社内でも求められる場合があります。最終面接をしたのが役員などでもし、その”あなた”のことをかっていた、なんてなれば尚のことです。
この際、その内定辞退の理由を説明(共有)することは採用担当者の役目となります。その採用担当者に十分な理由・情報を渡してあげることは、辞退者に出来る最後の恩返しとも言えます。
ただし、あまりにも不誠実な辞退理由であれば無用なトラブルを避けるには辞退理由は無難なものにすることをお勧めします。
「内定辞退」はメール?電話?手紙?訪問?
さて、いざ「内定辞退」をするとなった場合、悩むのは果たしてメールなのか、電話なのか、手紙なのか、直接訪問するべきなのか?悩ましいでしょう。
通常は、まずは電話で一報を入れて誠心誠意、”あなた”自身の言葉でしっかりと、これまでの選考等でお世話になった謝意と、辞退することのお詫び・説明をすることが良いと考えます。
その後、しっかりとエビデンスを双方に残しておくという意味でも改めてメールでも一報を入れておくことが良いでしょう。
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「内定辞退」呼びだされても行くのは不要!
”行くな”とまでは言いませんが、基本的に内定辞退の際に企業に直接訪問まですることは不要と考えます。
もちろん、お世話になった企業であればあるほど丁寧に辞退をしたくなる気持ちもわかりますので、訪問での辞退を完全に否定するわけではありません。
しかし、「怒られる」ことをもし”あなた”が恐れているとしたらわざわざ面と向かって辞退を申し出に行く必要性は尚更のことないと考えます。
内定者の辞退の申し出に対して企業側が訪問を求めて直接話をしたがる理由の大きな理由は、「内定辞退の申し出を撤回させたい」・「内定辞退を考え直して欲しい」という考えが根底にあるからだと考えます。
内定の辞退理由を説明して欲しいからではないか?という考え方もありますが、それは電話を通しても十分に達成できることだと考えます。
そのため、企業側としても、わざわざ時間をとって会う段取りをつけてまで直接話したいというのはやはり、引き止めたいという想いがあるのではないかと考えます。
内定辞退は対面で申し出をせずとも、電話・メールで十分に出来ます。企業側からの呼び出しがあった際には、どうしても都合が合わない等で丁重にお断りをして、電話なりメールをもって辞退をすすめるのが良いでしょう。
さいごに
内定辞退に至る理由は人それぞれでしょう。学生であれば進学をすることにした、公務員の道に進むことにした、そもそも内定を複数保持し続けていたため等々です。
いずれにしても、内定を辞退するということは企業にとってネガティブなインパクトが大きい事象です。状況によっては辞退者に対して苦言もていしたくなるのが本音のところである採用担当者も多いでしょう。
例え、怒られなくとも、それは表面的な話であり、その採用担当いち個人は内心怒り心頭状態かもしれません。怒られようと怒られなくとも、いずれにしても、内定辞退にあたっては誠心誠意、説明責任を尽くし、辞退のお詫びをすることが大切と考えます。
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