HR|人事に配属される人はどんな人?適性は?優秀者?

人事…色々なケースで配属される人がいると考えます。人事部に配属されるケースは大きく2つ、新卒で配属されるケース・入社後に異動(配置転換)を経て配属されるケースとなります。

会社において人事は人員規模も少なく、その担っている役割からある種”珍しい”と受け取ることができる部署でもあります。

こちらでは、人事に配属される人は一体どんな人なのか、どんな適性が必要なのか等々について、新卒時から一貫して人事を担当しているいち社会人としての見解をご紹介します。

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【前段】まず、人事の仕事内容とは

各種規則・制度の策定、運営

人事は、会社や従業員が沿うべきルールも策定します。主なものは就業規則です。

基本的な事項としては始業・終業の時刻、休憩時間、休暇・休日、賃金、支払いの方法、支払い日等々が定められます。その他にも、退職についてや、懲戒、休職、出張旅費など枚挙にいとまがないのがこの規則・制度になります。

そして、その策定された規則・制度に基づいて会社を運営をしていくことが求められます。

例えば、退職金規則が定められていればそれに基づいた、従業員の退職金の積み立て、そして、退職時の退職金算出・支給手続き等です。

他にも、年次有給休暇規則に基づいた有休付与・管理業務、最低5日行使に向けた年次有給休暇の取得活動等です。規則・制度を運営していくこれだけでも非常に大変な役割です。

人材獲得業務

事業ラインにおいて人材の不足が出た場合や増員の必要がある場合、その対応を担うのも人事部の仕事の一つです。

もちろん、職場間の調整で従業員の人事異動で対応するケースもあるでしょう。しかし、外から獲得することも多いでしょう。つまり、新卒採用・中途採用、場合によっては派遣、パート・アルバイトの採用も人事業務としてあるでしょう。

特に新卒採用業務は非常に対応しなければならないことが多いです。母集団形成(インターンシップ企画・立案・運営、会社説明会、学校訪問等々)から始まり、選考設計・選考実施、候補者の惹きつけ施策(座談会・懇親会等々)の企画・立案・実施、各種イベント実施(内定式、入社式等)と多岐にわたります。

人材育成業務

入社した人材をどの様に育成していくか、これも人事の仕事の一つです。従業員のスキル・知識の向上は将来にわたって企業が成長していくにあたり必要不可欠です。

新入社員の研修、階層別(年次別・職位別等)の研修、技術教育、幹部研修等々様々なカテゴリの中で教育・研修施策を展開していく必要があります。

また、”人”基軸の検討ではなく、”スキル”基軸での育成検討も必要となります。従業員の語学能力向上のための施策検討や、専門スキル(例えばITスキル)の向上施策検討、その他ビジネススキルの向上施策検討等々、”育成”だけで言ってもその業務は多岐にわたります。

人事考課制度関連業務

就業する従業員の評価制度を企画・立案・運営するのも人事の重要な仕事のひとつです。優秀な人材をしっかりと処遇し、期待に満たない人材にはしっかりとそれをフィードバックし次への改善を促していく。

従業員をしっかりと評価することは、従業員のモチベーションにも大きく関わります。評価制度を透明性のあるものにすることも必要です。従業員自身がしっかりと評価制度について理解して、評価に納得感が得られる様にすることも大切です。

労務関連業務

給与計算をはじめとして、勤怠管理、安全衛生、年次有給休暇付与、社会保険関連手続き等々、様々な労務関連業務が存在します。これらは従業員が会社で仕事生活を送っていく上で、必要不可欠な基盤となる業務になります。

基盤としての数値管理的・事務的な業務はもちろん、企画・立案的な観点では、年次有給休暇の取得促進施策や長時間労働の縮減、リモートワークの推進、等々多くのことがあげられます。

人事に配属される人はどんな人か?求められる適性は?

チームワークがとれる人(調整力がある人)

展開する人事施策によっては、その範囲、その重要度等によって非常に多くの人を巻き込んで進める必要があります。

いち人事の担当者としての観点でいうと、何か大きな施策を企画・立案して進めようとする場合、自分の上司、その上の上司、経営幹部(役員)、労働組合(従業員代表)、その他関係する従業員・同僚等々を巻き込んで進めていく必要があります。

例えば…教育・研修の体系を抜本から刷新したい、なんていう場合、

・今の教育体系では何が不十分なのか?
・どんな教育体系をめざしたいのか?
・どのような人材を育成していく必要があるのか?
・どんな教育メニューが必要なのか?
・どの程度予算が必要なのか?その予算取りは?

等々様々な”?”があるでしょう。

企画・立案を推進する中で、事業ラインから求められている教育・研修とは?、将来必要となってくるスキルとは?それに対する効果的な教育・研修は?等々をしっかりと押さえていく必要があります。

多くの関係者との連携・調整が必要不可欠です。

口が堅い人(個人情報の取扱いの感度があるかどうか)

人事業務は秘匿性が非常に高いことが多いです。そのため、個人情報は常に気にしている必要があります。

そしてその意識を強く持っておく必要があります。飲み会の場で従業員の情報を他の人に話してしまう、なんてことは当然の様にNGです。以下に、少し人事特有の事例をご紹介します。

例その1

職場(事業ライン)の部長から、同じ大学の同窓組織を作りたいから◯○大学の卒業者リストが欲しい。提供してくれないか?今年の新人に○○大学卒業者はいるかな?

答えていいでしょうか?まぁ、いいんじゃないか、と思った人は個人情報の感度は低いと言わざるを得ません。卒業大学は個人情報です。この様な理由で開示することは出来ません。

例その2

外部から電話がかかってきて、「~~社のAと申します。御社にBさんは在籍されていますでしょうか?」

「はい。」/「申し訳ありません。お答えしかねます。」どちらが良いでしょうか?そうです。正しいのは「答えられません。」という回答です。従業員の在籍有無をすんなりと教えるわけにはいきません。個人情報上注意する必要があります。電話の向こうは”誰”なのかわかりません。

例その3

中途採用業務で面接をしたが自社には合わず、不合格とした候補者がいた。しかし、自社の子会社にとてもマッチしそうだったので、子会社の人事担当者に候補者の履歴書を共有し、コンタクトをとってもらった。

応募者の個人情報を取得する際にどのような形で取得の同意をとっているかによりますが、一般的にはNGとなる行動です。

 

と、この辺りの個人情報に関する適切な”感覚”が求められると考えます。もちろん、後から身につけられるものではあります。

ルール(規則)を守ることができる人

企業運営における大切なルール(規則)作りも人事の業務の一つです。

就業規則の策定も人業業務の一部です。自らの部門(人事部)が定めたその規則をしっかりと守ることが出来るかどうか、規則を逸脱することがないかどうか、は人事の適性の一つとしてとても大切な観点の一つです。

例えば、就業規則などで、「年次有給休暇の取得は取得日の前日までに申し出ること」と定めていたら会社全体が運用が出来るよう適切な対応を行うことはもちろん、自身もそのルールにしっかりと従う、ということになります。

”人”に興味・関心がある人

人事は企業において”人”に関連する業務を司る部署です。

そのため、”人”への興味のあるなしは非常に重要です。教育・研修担当者であれば、会社における従業員の教育・育成を任されます。採用担当者であれば、新卒・経験者採用と外部から優秀な人材を獲得してくることが求められます。

人事異動関係の担当者であれば、人材を適材適所に配置することが重要になってきます。と、とにかく”人”にまつわることが人事の仕事になります。

”人”に興味がない場合は人事の仕事は向いていないと考えます。

平等・公正・公平…バランス感がある人

人事として従業員に対して、不平等・不公正・不公平な取り扱いを行うわけには行きません。

人事として一貫した対応が求められます。特定の従業員を贔屓したり、優遇するわけにはいきません。かと言って、全員を”平等”に取り扱えば良いというわけでもありません。

そのため、しっかりとしたバランス感覚が求められます。

そのバランス感覚は、従業員個々の取り扱いという観点だけではなく、企業の利益に貢献するための人事と、従業員のための人事という観点での関係性の中でも発揮していく必要があります。

データ(数字)に強い、取り扱いに長けている人

必ずしも人事部に限った話ではありませんが、データ(数字)に強い、取り扱いが上手い人は人事部の適性があると言えます。人事部では様々なデータを取り扱います。そして、実は非常に多くのデータ(数字)に取り囲まれています。

給与・賞与であればその支給額の算出・支給処理、採用であれば応募人数・適性検査の偏差値・1次面接の参加者・通過者、労務関係であれば残業時時間…それらの数値を分析し、改善に繋げていくことも人事の仕事と言えます。

データ(数字)に強いということはひとつ適性があると考えます。

世の中の動向に敏感な人(情報へのアンテナが高い人)

特に雇用・労働関連のニュースに敏感でアンテナを高く張れる人は適性があると言えます。人事の仕事には、人事制度の企画・立案も含まれます。そのためには常に、世の中の動向に目を向けている必要があります。

少なくとも…最低限という意味では担当業務によっては常に関連する最新の法律・法令の把握をする必要があります。わかりやすい例では、最低賃金ですが…最低賃金は毎年10月頃に見直しが行われる可能性があるものです。

もし、この最低賃金を無視していた場合は罰則もあります。他にも残業時間の上限規制、障がい者雇用率、等々キャッチアップしなければならない事項は多種多様です。

法律・法令等だけでなく、人事制度の企画・立案や人事としての企業運営という観点でも常に最新の人事施策を学ぶ必要があります。キーワードとしては、ジョブ型、ノーレイティング、リスキル・リカレント、副業等そのトピックスは様々です。

人事部に配属される人は優秀者?非優秀者?

「人事部に配属される人がどんな人か」「人事部は出世コースかどうか?」と言ったいくつかの観点から考える必要があります。企業として自社にとって”優秀でない人”を雇う理由はありません。

基本は、その企業に採用された以上、その企業において従業員は皆一定以上”優秀”であるということと考えます。(採用基準を満たしている、ないし、それと近しい。)

とは言っても、組織(企業)内において従業員を相対的に見た際に仕事の出来る・出来ない(優劣)は確かに存在しています。では…人事部に配属される人は優秀なのでしょうか?

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人事部に配属される人は優秀者?

言い換えるなれば、その企業において、人事部に優秀者を配属する必要があるかどうか?

ということでもあります。別記事でご紹介している通り、もし、人事部門がその企業において”出世コース”である場合、重要な位置付けにある部門である場合、人事部に配属される方は”優秀”である可能性が高いでしょう。企業から期待されていることでしょう。

人事部に配属される人は非優秀者?

インターネット上でも、”人事””無能”なんてキーワードがたくさんありますが…さて…人事部に配属される人は非優秀者なのでしょうか?

これもその企業における人事部の位置付けから推定することができます。つまり、人事部門がその企業において”出世コース外(閑職)”である場合は、優秀な人が配属される部署ではないということになります。

さいごに

人事部に配属される人はどんな人なのか、適性、優秀かどうか…についていち人事として考察いたしました。参考になれば幸いです。

人事は適性などもあるかもしれませんが、”社会人としての基礎”があればあとは人事業務への興味・関心が持てればどなたでも出来る業務のひとつではないかと考えます。

人事に限らず専門的な職種でない限り、いわゆる、”文系”がなる職種はある程度そうと考えます。そのため…人事部に一体誰を配属するのか、はそれぞれの企業の考え方によるところも大きいでしょう。

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