転職|年収の上げ方は?決まり方は?企業の提示年収の決め方から考える。

転職をする理由は様々かと思いますが、年収アップが目的である人はもちろん、それ以外の人でも実際にいざ転職をしようとなったときに気になってくるもののひとつが「転職後の年収」ではないかと考えます。

せっかくするなら転職を通して給与を上げたい、”どうしたら年収が上げられるのか””そもそもどうやって転職先は年収を決めているのか?”といったことについてこちらではご紹介したいと思います。

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中途採用者のオファー処遇(給与)の決め方は

年収を上げたい、まずは企業がどのような観点で中途採用社の給与を設定しているのかを知るところから始めるとより狙うべき方向性が定まってくるのではないかと考えます。

基本的には決め方は4パターンあります。そのうちの1つの方法のみで決定している
企業もあれば複合的な観点で決定している会社もあると考えます。

パターン① 自社の給与規則・社内の現有人材との比較で決定

これが最も多くとられている手段と考えます。一定規模の企業ともなるとしっかりと給与規則が整備され、その中では給与支給における等級や給与のレンジが整備されていることと考えます。そのため、入社後にその等級・給与レンジに収まる処遇設定を前提に検討がなされます。

また、検討の際には自社内においてプロパーの従業員との大きな差が生じない様に、同年代の従業員や同じ職務を行なっている部門・部署の従業員と比較して適切な額を設定します。

非常にわかりやすい例で言いますと…
・20XX年3月大卒・4月入社で今社会人8年目か…良し、自社で新卒8年目の人たちの給与の平均なり中央値で給与設定をしよう
という形ですね。

入社後に社内でもバランスを崩すことがないため、社内への影響も少ないですし、候補者”あなた”も納得せざるをえない設定方法と考えます。
余談ですが、若い20代にはこの考え方が比較的通用しますが、”差”が開いてくる30代以降の給与設定にはいち人事として苦慮しています。

パターン② 前職の収入をベースに設定する

前職の収入をベースに決める。これもわかりやすい方法です。

まず、転職する候補者の方の給与に求める希望の良くある答えが

「○○さん、ちなみに今回の転職を通して期待する転職後の年収はどの程度ですか?」
「少なくとも現在の年収以上であれば、と思っています」

です。企業側としても候補者の年収をあえて下げたいと思ってはいません。ただパターン①の考え方に則ると下がる年収であってもそれで提示せざるを得ない場合もあります。

前職と比較して下がる年収を提示するということは、企業側からすると候補者に辞退されるリスクが高まるため本来はあまりしたくはありません。

そのため、前職収入をベースに決定するという方法をとっている企業も存在します。

懸念点としては、前職収入が転職先の水準において高い場合、入社時は前職収入を担保してくれても、入社後に企業として意図的に昇給ペースを抑えてくる可能性もあります。しっかりと、適切な処遇制度・評価制度が整っているかは事前に確認をしておくとが良いと考えます。

パターン③ これまでの経歴・面接等を踏まえ適切なオファー額を決定する

正直、履歴書・職務経歴書と2・3回の面接のみを持って給与を決めるということはかなり難易度が高いです。しかしながら、正当な評価・報酬を優秀な人にしっかりと提示するといった観点ではこの方法もあり得ます。

例えば、データサイエンティスト採用でKaggle(グローバルに行われているデータ分析・機械学習のコンペ)で称号(Master等)を持っているや、企業の法務採用で弁護士資格を有している等特別勘案するに足る経歴・資格等があり、業務経験からも、面接を通して判断されるコンピテンシーの発揮度合い等で、処遇するに足ると判断された場合にはそれ相応の報酬をオファーするといった具合です。

逆を言えば、ポジションに見合った十分な経験がなく、コンピテンシーの発揮度合いも普通程度であると判断されつつも合格のオファーがなされた際は低めの処遇が提示される可能性も十分にあり得ると考えます。

パターン④ 候補者の希望年収を参考に設定する

転職における面接において必ずと言っていいほど聞かれているはずの、「希望年収」、これも全く参考にしないわけではありません。

やはり、企業としては来て欲しいと思った人材を逃したいとは思っていません。希望年収を下回る年収提示をした結果、辞退をされてしまうことも懸念します。

そうなると、候補者の希望年収というのも把握し、企業としてどこまで何ができるかということを出来る限り検討する必要があります。

最終的には他のパターンも鑑み辞退も覚悟で希望額に達さない額を提示することもありますが、そこに至るまでにはこの観点も鑑みて設定を検討します。

パターン⑤ 候補者の併願企業先のオファー額を参考に設定する

④のみの考え方で設定するケースは少ないかもしれませんが、検討の際の方法の一つとして、この観点から設定をするというケースもあります。

企業A
他社の選考状況はいかがですか?もう内定まで出ていらっしゃるんですね。なるほど。差し支えなければオファーされている処遇額について教えて頂けませんか?弊社としてももし○○さんに是非お越しいただきたいとなった際の参考にさせて頂ければと思っております。
企業B
先ほど今回の転職での期待する年収について教えていただきましたが、ちなみに既に頂いている企業さんからはどの程度の年収のオファーとなっているのでしょうか?差し支えない範囲で教えてください。
企業C
(こそこそ・・・)エージェントさん、エージェントさん、○○さんの他社状況っていかがですか?もう内定出てます?どんな処遇提示かもし可能だったら教えてもらえませんか?出来るだけ競争力のあるオファーをしたいので。

なんて聞きます。その額を参考に額をはじいてみる。なんてこともします。

面接で聞かれた希望年収は加味されないのか?

決め方が4つのパターンであることはわかって頂けたかと思いますが、気になるのは、面接で希望年収を聞かれたが、それはなんのため?結局、自分の希望は反映されないのか?

といった疑問が湧いてくるかもしれません。答えは、「加味はされる可能性がある」です。

例えば、給与等級内のレンジの中での設定額の参考になり得ます。

前述のパターンを複合的に組み合わせて給与を設定すると言うとわかりやすいかもしれません。自社内の給与制度及び同年代と照らし合わせた上で、その該当給与等級・給与レンジの範囲の中で高い給与設定を行う場合があります。

企業側の視点から具体的な例を挙げますと

自社内の同年次と比べて、チームマネジメント・プロジェクトマネジメントに長けている、スキルレベルが明らかに高い等で自社内の同年代よりも優秀であろう、期待が出来るといった場合に給与等級を一段階上にすることはできないまでも、給与レンジのある程度上位の給与設定を行う場合。パターン①・③をベースに設定と言う形ですね。
候補者(”あなた”)が現職(前職)で自社(転職先)内では経験が出来ない業務を経験してきている。今後の自社(転職先)で非常に求めている貴重な経験を持った人材である。人となりも優秀であり喉から手が出るほど来てほしい。優秀だから他社からのオファーも来るだろう。希望年収に達しないと来てくれないかもしれないのでそれも出来るだけ踏まえたい。他社のオファー額と比べて負けない魅力的な給与設定・提示をしたい。
パターン④をベースに、パターン①や②や③も鑑みつつといった形ですね。

転職を通して年収を上げる方法

同業界のより平均年収の高い企業へ転職をする

前述の通り、多くの企業が自社の物差しを使って給与を設定するケースが多いと考えます。そのため、同じ業界の中のより給与が高い会社へ転職することは年収を上げる方法として有効的です。

今や情報はネット上に溢れに溢れています。

平均年収が高い企業への転職≒オファー額も現職を超える可能性がある

このメリットは同一業界・同一職種の転職は転職の中でも比較的成功しやすいパターンであることです。そのため、転職の際に年収を上げる方法の一つとして検討していただく際には是非取り入れて欲しい方法です。

ただ、現職で”あなた”が非常に優秀で評価されており同期よりも頭一つ抜けていたりする場合は、転職先にいってもそれほど給与は上がらずに、同水準になる可能性も否めません。

しかし、それは最初だけで、前職よりも平均年収が高い≒その後の会社生活における昇給にも前職よりも期待が出来るということにはなります。

現業界より平均年収の高い別業界へ転職をする

業界によってその給与水準は大きく異なってきます、職種での一定の強みがあればその職種を活かして、他業界での同一職種への転職が有効です。

例えば…
介護業界の経理・財務 → 医療機器メーカーの経理・財務
飲食業界の人事・総務 → 食品メーカーの人事・総務  等々

ただ、中途採用としては企業は職種での経験は、出来れば近しい業界からの採用をやはり望んでいますので、決して簡単に行くわけではないことはご承知ください。

厳しいかと思いますが、私自身これまで、異なる業界から採用しているケースも多く見ていますので、チャレンジする価値はあると考えます。不動産業界の営業、旅行業界の営業、金融業界の営業と様々な業界の営業の方を自社にて採用したことがあります。

業界の平均年収については様々な転職サイトが紹介しています。業界の分け方等によって順位が前後している様子も見受けられますが全体の傾向は掴めるのではないかと考えます。

■ご参考サイト

平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】
https://doda.jp/guide/heikin/gyousyu/#anc_job_01

業界別 平均年収ランキング
https://gyokai-search.com/5-nensyu.html

一つ上のポジション(役職・職位)へ転職する

そんなことが可能なのか…と私自身も思っていた時期がありますが、周囲の人間で立て続けに3名ほど転職を機に職位を上げたケースもまのあたりにしました。

また、自社採用でも同様のことを行なったことがあり、決して事象としてないものではないといった認識に変わりました。

役職・職位が上がる≒提示される給与水準も自ずとそれに見合ったものになる

そのため、いち担当者から主任・係長等の案件への応募、いち主任・係長等から課長・マネージャー案件への応募等々は転職の際に年収を上げる方法としてこちらも十分にあり得ます。

ただ当然、”役職”がつくということは一定のマネジメントスキル・経験も求められますので、その能力が一定程度あった上で叶うものとなります。

職務経歴上にマネジメント経験について言及することは必須ですし、面接の際にもしっかりとアピールできるようこれまでの自身のマネジメント経験を整理しておきましょう。

転職の際に年収(給与)交渉をする

私、いち人事としてのスタイルとしては、基本的に年収交渉には応じません。
何故なら・・・
・年収が交渉によって額が変わると、最初にこちらが考えに考えて提示した額の信頼性が損なわれるから。
・場合によっては交渉した人は多くもらえる、しなかった人は少なくなるなんてことが入社後に起こって欲しくないから。
と考えるためです(古い考え方かもしれませんね)。

しかし企業によっては年収交渉にも応じてくれるところはあります。
そのため、給与交渉といった方法も転職時に年収を上げる方法のひとつとなります。

転職の際に年収(給与)交渉をする際のポイント

・給与交渉を行うタイミングは内定後・入社承諾前がベスト

給与交渉は基本的には選考の面接段階ではなく、”合格”がでたタイミングで速やかに行いましょう。面接中に給与”交渉”を行うと心証の悪化にもつながり、合否判定に悪影響が出る可能性があります。

・事前に処遇を上げることも転職で実現したいことのひとつであると宣言しておく。

転職理由を述べる際に言及をしておくと、企業側(転職先)として”あなた”を採用する場合に勘案しなければならない事項の一つとして認識をしてもらえます。つまり合格となった際の給与のオファー学に影響を与える可能性があります。

ただ、年収アップが一番の目的と捉えられないように十分に気をつけましょう。”この人は年収提示が高い企業に行くんだな”と思われ、一気に手をひかれてしまう(不合格になってしまう)可能性も十分にあります。

転職エージェントをうまく使うのがおすすめ

なかなか自分では年収交渉がし辛いかと思います。その際は転職エージェントを使うのがおすすめです。特に年収設定に関しては、企業は色々加味しながら設定しています、それは前述のパターン①②③④で述べた通りですが、どれか一つだけではなくて、複合的に判断していることもあります。

よくあるエージェントとのやりとり

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○○さん、うち経由でB社さんからはXXX万円くらいのオファーがあったみたいですね。御社はどれくらいになりますかね?

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うーん…うちはそこまで出せないなぁ…仕事面でのやりがいをお伝えできれば…
or
なるほど、であればうちも同等以上の設定を検討してみます。

等々あり得ます。

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△△さん、この経験・このスキルからすると、現職(前職)も比較的給与高いですが、やっぱり希望額以上のオファーをしないと内定を受けてもらえないと思うんですよ。他社さんもそれくらいは払うと思います。
企業
そうですか。とは言ってもうちも給与制度はあるので、、出来る範囲でどこまで良い処遇が提示できるか内部でも検討してみます。確かに、中途半端な提示をして他社に逃げられてしまうくらいなら、出来うる最大のオファーをしたいですね。それで辞退されるであれば、やむなしです。

エージェントさんによって表現は変わってきますね。

優しく教えてくれるエージェントさんもいれば、ぐいぐいより良い処遇を引き出そうとしてくるエージェントさんもいればです。(まぁ、年収提示があれば僅かであってもエージェントの取り分(人材紹介料)にも影響はなくはないですしね?。)

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さいごに

転職をするからにはやはり、”やりがい”ももちろんですが給与面も同等ないしそれ以上にしたい、そんな方が多いのではないでしょうか?せっかくの転職、転職活動が特別差し迫っていない、切羽詰まっていない方は、可能な範囲での給与面での理想も叶えるためにある程度の時間をかけて条件に合致した転職を目指して活動をしてみるのも良いかと思います。

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