転職・退職理由のひとつに「パワハラ・セクハラ」等のハラスメントが根底にある方がいらっしゃるかと思います。
こんなパワハラ上司の下ではこれ以上働いていられない!なんてことがきっかけで転職活動をされている方も多くいます。事実、いち人事としてもその様な方々に出会うことはままあります。
こちらでは、そんな「パワハラ」が転職・退職理由として言及することはなしなのか?ありなのか?等々についていち人事としての見解をご紹介したいと思います。
尚、本記事はもしかしたらこの様な事情で転職・退職を検討されている方が不快に感じる部分があるかもしれません。予めご理解・ご承知の上読み進め下さい。
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【はじめに】そもそも、転職・退職理由って?
何故、転職したいのか?何故、退職するのか?質問として非常に似通っていますね。違いは、転職理由は、現職を辞めて次の会社(キャリア)に進む理由、退職理由は現職を辞める理由ということで、見ている部分・範囲がやや異なると考えます。
転職理由は…「仕事を辞めて新たな仕事に転職をする」その一連についての理由の説明を求められています。将来、先を見据えた質問となります。
退職理由は…「仕事を辞める理由」を求められています。どちらかというと会社を辞めることにした理由、現在ないし過去に遡っての理由を聞かれています。しかし…結局のところ行き着くところは、退職も転職をするために退職すると考えると、転職理由と一緒になります。
強いて言うなれば…
例えば…「より専門性を高めたいために現職を辞めて他社へ転職をする」等です。
・退職理由は転職という事象のあるなしに関わらない
例えば…「育児・介護に専念するために退職する」等はわかりやすい例です。
という違いがありうるのが相違点と考えます。
そして、これが転職の面接において企業から見た場合、結局行き着くところは”何故、弊社?”ということと考えます。また、企業の面接と転職・退職理由は、基本、前向きであることが望ましいと考えます。
いやいや、会社を辞めたいのは不満があるからだよ、なんてご意見、あると思います。
おっしゃる通りだと思います、事実、転職・退職理由の大部分は会社への不満(残業・給与・人間関係等々)からであることが多いと考えます。
ただ、それは、会社を辞めて転職をする”きっかけ”であり、実際に転職を考える際には高次の段階へ上がる必要があります。転職・退職を考えるきっかけは後ろ向きでも良い、ただ、それを昇華させていくことが重要です。
そもそも、「パワハラ」って?
職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。
引用:厚生労働省
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/definition/about
以上が職場におけるパワーハラスメントの定義となります。
つまり、これに該当していなければ、それは候補者(”あなた”)がパワハラと感じていてもそれは実際はパワハラではないということになります。(もちろん、別のハラスメントに該当する可能性はあるかもしれません。)
ハラスメントには、受けた人が”そう感じたら”ハラスメントだ、なんて言い方もされたりします。特にセクハラなどはその様に言われる傾向にあるかもしれません。
その人がセクハラと感じたらセクハラだ。その人がパワハラだと感じたらパワハラだ。と…ただ、実はそうではないということをわかっておく必要があります。
大枠の定義があり、一般的に見て”ハラスメント”にあたるかどうかということになります。”あなた”個人の受け取り方で決まるわけではないことはご注意ください。
転職・退職理由「パワハラ」を伝えることのリスク・デメリット
その① 企業側が候補者(”あなた”)を警戒してしまう恐れ
面接官の立場からすると、聞けるのは候補者(”あなた”)からの言い分のみとなり、候補者の前職なり現職の会社側の言い分を聞くことは出来ません。
そのため、「(もしかしたら、この候補者の方(”あなた”)自身にも何か問題があったのではないか?)」という疑念が頭をよぎることになります。その様な、疑念が、面接官から候補者への”警戒”につながる可能性があります。
「(もしかしたらこの人は、やや被害者意識が強いのかもしれない…)」
「(一体どんなパワハラを受けたんだろう…クレーマー気質だったら非常に困るな…)」
と、面接官の頭の中を様々な疑念が駆け巡ります。
もし、万が一にでも、「この候補者(”あなた”)は”厄介”な人かもしれない…」と思われてしまったら限りなく不合格に近づいてしまうでしょう。
その② 企業側が深入り出来ずに懸念だけを残してしまう恐れ
企業の面接官は、面接を通して疑問・疑念をすっきりさせたいとも思っています。
それは、スキルを知りたい、業務経験を知りたい、退職理由を知りたい、なぜ自社を受けようと思ったのか知りたい…と、とにかく候補者(”あなた”)のことを知りたがっています。
そして、候補者(”あなた”)からの回答が”納得できるもの”であることも同時に期待しています。その様な中「パワハラ」は非常に深入りしづらいトピックとなります。
深入りすることで、候補者の心の傷をえぐるようなことになり、候補者の自社への印象を悪くし、志望度を下げてしまうのではないか?嫌なことを思い出させることになってしまうのではないか?等々を感じます。
そうなると前述した、疑念を払拭することが出来ずに懸念だけが残ってしまう可能性があります。
その③ ストレス耐性がないのでは?と思われてしまう可能性
さて…前述でパワハラの定義にも言及いたしましたが、実際のところ、どの程度のハラスメントであれば、パワハラとして転職・退職も止むを得ないと納得・理解してもらえるのでしょうか?
これは面接官(企業)の裁量によるところでもあったりします。
例えば…
表面的ですがこの程度の説明ですと、企業側は計りかねるでしょう。
確かに「バカ」という発言は良くありませんが、それが即座にパワハラと言って退職・転職をするほどなのだろうか?ストレス耐性がなさすぎるのでは…顧客から厳しい言葉を浴びることは多くあるが…大丈夫なのだろうか…?と”耐性”がないのでは?と判断される可能性があります。
かと言って…
ここまでくると企業側・面接官もそれはパワハラだな…よくないことだ。転職・退職を考えるのも止むを得ないだろう、と思ってくれるかもしれませんが、かと言ってだからこの候補者(”あなた”)を採用しよう!とプラスにも働きません。
その④ また同じ理由で辞めてしまうのではないかと思われる恐れ
一体どの様なパワハラがあったのか…というところは大事なポイントのひとつにはなりますが、企業側として必ず考えるのは、「また似た様な理由で辞めてしまうのでは?」ということです。
どんな会社にでも多少厳しい人はいます。そして、パワハラと感じる感じないというその差も人それぞれであったりします。企業側としては、また同じ理由で退職に至ってしまうことはさけたいことのひとつとなります。
転職・退職理由「パワハラ」はなし!?伝えない方が良い!?
伝えない方が良いのというよりは、
ということになります。ご紹介した通り、転職・退職理由にパワハラを伝えることはそれなりのリスク・デメリットがつきまといます。
であれば、わざわざ伝える必要はないという結論になります。確かに、転職・退職のきっかけとなった理由として「パワハラ」が事実なのかもしれませんが、わざわざ不要なリスク・デメリットをとりに行く必要はありません。
冒頭で書いた通り、転職・退職理由は出来るのであれば出来る限り「前向き」なことにするのが望ましいと考えます。
転職・退職理由「パワハラ」を伝えたい場合はどうしたら良い?回答例は?
「伝えない方が良い」と言っても、本当のことだし、しっかりと包み隠さず伝えたい、という方もいるかもしれません。その様な場合はどうしたら良いのでしょうか?
ポイント① 相手がしっかりと納得できる様な説明を用意しておく
まずもって、生半可な理由では相手に納得をしてもらえません。
誰の目から見ても「それは完全にパワハラですね、大変でしたね、苦労されたんすね…」と思ってもらえることが望ましいです。
「(あ~…それはどうなかぁ…人によってはパワハラとも思うかもしれないけど、そこまででもないよなぁ)」と思われてしまっては元も子もありません。
後者の様に思われてしまってはもはや不合格路線まっしぐらとなります。
ポイント② とったアクションの説明ができる様にしておく
さて…相手にしっかりと理由を納得してもらえたのならその次は、そのパワハラに対してどの様なアクションをとったのか?についても答えられる様に準備をしておくことも大切です。
なかなか難しいことではありますが、まずリーズナブルなアクションとしては、その「パワハラ」を行ってきている上司の上司へ相談をするというアクションです。
他にも、人事・総務部門への相談や、コンプライアンス窓口への通報なども考えられます。
ただ、如何に正当な対応とはいえ、企業側としてそこまでしたか…と思われてしまう様なアクションの説明は控えるのが良いと考えます。
例えば…パワハラをしてきた相手を訴えた、なんてアクションです。”耐性”がない企業・面接官は逆に面食らってしまう可能性がありますので気をつける必要があると考えます。
ポイント③ 今後の自身なりの改善行動も考えておく
”自分”は全く悪くないのに、なぜ自分が改善する必要があるのか?と思われるかもしれません。
私もそう思います。しかし、会社は候補者(”あなた”)の一方的な話しか聞くことが出来ません、依然として候補者(”あなた”)自身には一切本当に非はなかったのか?等々の疑問は解消できずに残り続けることになります。
完璧な人間は当然いませんが、人はやはりより良く在ることに向かって進んでいくのが望ましいとも考えます。その様な観点から…自身なりに振り返ってみて当時どうしておけばよかったのか?を考えてみるのも良いと考えます。
もし、自身の煮え切らない態度・対応が上司からのパワハラの引き金となってしまっていたのだとしたら、その自身の態度・対応を改善する、ということが考えられます。
避けた方が良い回答例
ただの愚痴にしか聞こえない、なんて人もいると思います。
”厳しい”だけではパワハラとは言えません。目標達成出来なかったことについても多少強い口調で詰められても…それは止むを得ないのでは?と感じる人も一定いるでしょう。この程度の内容だとすると答えない方が良いと考えます。
べターな回答例
前職の退職のきっかけは、上司からのハラスメントです。非常に厳しい職場であり、とにかく日々誰かしらが上司から罵詈雑言を受けている…そんな環境でした。そのため、退職する人も後をたちませんでした。私自身も理不尽な暴言を数多く受けてきましたが、自身としてもその様な中、3年は頑張り、チームの中でも最も社歴が長くなったのですが、やはり、このままこの場所に居続けていいのだろうか?と考えるに至り転職を致しました。
相手の納得できる具体性にはややかけるかもしれませんが、厳しい環境下で人が去っていく中、ある程度の期間をしっかりと全うしてその上で、より良い就労環境を望んでの転職ということなので面接官からも一定の理解を得られると考えます。
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さいごに
「パワハラ」は非常に難しい転職・退職理由と考えます。
なぜなら、候補者(”あなた”)が伝えたいと思っていることが相手(企業・面接官)に上手く伝わらない可能性があるためです。それは、面接に出てきている面接官はその企業に置いてはいわゆる”上司(管理職)”である可能性が高いためです。
上司ー部下の関係性になるかもしれない、候補者(”あなた”)から”パワハラ”というキーワードを聞くことはあまり心地が良いものではありません。
面接官が上司となるかもしれない相手である場合は、”あなた”に身構えてしまうかもしれません。
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