HR|人事は楽?人事部にもノルマはあるのか?人事部のノルマとは

人事にはノルマなんかないのでは、人事の仕事は楽なのではと思っている人も多いのではないでしょうか。確かに、部署の外からはそのように見えているんだろうな、といち人事としても感じる瞬間もあります。学生からもそのように思われているのではないかと感じる瞬間もあります。しかし、実は人事もノルマに追われています。かなり泥臭くノルマを追う仕事もあります。ここでは人事が課されるノルマについていち人事の経験としてつらつらと語らせていただきたいと思います。そうです、人事も辛いのです。

そもそもノルマとは?

”ノルマ”は、期間内に達成すべき作業量のことを指します。具体的には色々なシーンで使われていることと思います。

使用例)
1日最低○○件のテレアポを取るのがノルマだ。
1ヶ月で最低○○件、お客さまと成約するのがノルマだ。
1ヶ月で最低◯個、商品をうるのがノルマだ。

ここではノルマ≒目標でもありますが、どちらも達成しなければならないものという意味では一緒かと考えます。

人事部にノルマはあるのか?

もちろんあります。

人事のノルマは比較的中長期的な時間軸でのノルマが多いかと考えます。また、人事のノルマは数値化が難しいものも多いですが、数値化できるものも多く存在しています。この様な数値化できるもはKPIとして設定され、人事もその目標数値をめざして、日々邁進していくこととなります。この数値化は大きな取り組みから小さな取り組みまで大小様々な施策において設けることが出来ます、下記に大きい粒度での人事のノルマ、についてご紹介していきたいと思います。

人事部のノルマとは?

人事のノルマ① 人材確保(採用)

最もわかりやすい例が、採用です。特に新卒採用は非常にわかりやすい例です。24年卒では○○人の新卒採用が必要、25年卒では△△人の新卒が必要。と、そのために人事で必要数を採用するための企画・立案を行い選考を進めていくというものになります。

もちろん、この最終的な採用数はノルマとなりますし、その中でもKPIとして、辞退率や、合格者の適性検査スコアや、優秀大学卒業者の割合、男女比率、外国人比率など様々なものが設定される可能性もあります。

具体的には

・男女比率を5:5にすることがノルマとして課される。
・採用数20名のために100名の面接候補者を集めることがノルマとして課される。
・辞退者をゼロ名にすることがノルマとして課される。

等々色々なことを課される可能性があります。

また、新卒採用を例に挙げましたが、人材確保という観点では、

・パート・アルバイト採用
・経験者・中途採用
・派遣の採用

等々要望に応じて様々な形での確保が求められます。

※企業によっては採用は非常にタフです。会社の方針次第ですが、採用シーズンにおいては当たり前のように毎週土日出勤が求められます。土日に面接をしてくれる企業があることは候補者側からすると嬉しいことですが、会社側は休日出勤をしているということでもあります。

人事のノルマ② 年次有給休暇取得日数

2019年4月から、全ての従業員について、年5日の年次有給休暇の取得が義務付けられています。流石に、年5日の年次有給休暇は余程のブラックではない限りクリアが出来るのですが、会社として働き方改革の一環で年次有給休暇の平均取得日数に目標値を掲げている会社もあります。

例えば、従業員ひとりの年次有給休暇日数平均15日/年とする!

といった形ですね。つまり、これが人事部にとって1年間の中で会社内で年次有給休暇の取得促進をしていかなければならない、達成しなければならない”ノルマ”となるということです。1年間でひとりが15日の有給を取得するとなると、上期/下期で7.5日ずつ取得してもらう必要があります。これを達成するために、就業カレンダーで全社での有給取得推奨日を設定したり、色々な取得促進のための人事施策を行うわけです…。

これが年度末が近づくとかなり泥臭いことを行う場合があります。そうです、未取得者本人への電話であったり、その上司への電話です。ひたすら上司に電話をかけたり個別にメールを送ったり、年次有給休暇取得日数が少ない従業員の状況の確認、取得のための取得予定日の設定泥臭く取り組むことがあります。そして、ありがた迷惑だと現場の従業員から邪険に扱われることもある。そんなこともあります。

人事のノルマ③ 時間外労働(長時間残業の縮減)

年次有給休暇と似ていますが、こちらは年次有給休暇の取得”促進”とは異なり、長時間労働の”縮減””抑制”という観点でのノルマとなります。企業によってその指標は様々かと思いますが、絶対に36協定を超えないようにする運用はもちろんとして、

・深夜労働回数をゼロ化
・月45時間を超える残業の6ヶ月以下
・年間の時間外労働が720時間以内となるようにする

等々

があげられます。これもノルマの一種と考えます。法令を守るという観点のものもありますが、深夜労働回数のゼロ化などは会社として掲げる目標(人事部としてのノルマ)となりえます。

強く取り締まろうとすると、隠れ残業(サービス残業)が発生したりしかねないため、非常に人事としても頭を悩ませながら推進しているのが残業時間管理です。

人事のノルマ④ 人件費削減(人員対策)

最も課されたくないノルマのひとつがこちら、固定費削減を目的とした人件費の削減のための人事施策です。これは、人事も職場の責任者も従業員も皆が多大なる影響を受けます。が、その旗振りとなるのが人事です。会社の業績が大きく傾いたとき、”人”に手をつけなければならない場合に課されます。

人件費 ○億円削減

例えば、この、◯億円の人件費を削減するために、20人相当の人を社外に出さないといけない。というノルマが人事に課されます。とても課されたくないノルマです。このノルマを達成するために、

・余剰人材の他社への出向
・退職金の積み増しによる早期退職の募集
・退職勧奨
・残業の禁止
・休業日の設定

等様々な施策が行われます。

会社の中で全従業員の棚卸をして、必要度が高い人材、必要度の低い人材に色付けをして、必要度の低い人材にターゲットを絞って、社外への出向を命じたり、早期退職への応募のための背中を押したり、ときにはやや厳しく退職勧奨をしたりとです。

※もちろん、人件費削減が即座に人員数のコントロールにつながるわけではないのでご安心ください。残業時間を減らす(禁止する)、業績を鑑みて全体の賞与額を減らす等様々な打ち手も考えつつ、このような施策も行われることがあるというものになります。

人事のノルマ⑤ 労働災害の防止

労働災害は大きく、業務災害と通勤災害に分けられますが、いずれも企業としてはその発生をなくしたいものになります。労災とも良く言われますが、この労災が起きると、場合によっては企業の保険料の負担が大きくなることがあります、また、場合によっては労働基準監督署の立入検査がありなんらかの法律違反が見つかった場合には、最悪、書類送検…なんてこともありえます。

と、稀なケースにも言及しましたが、保険料・労働基準監督署の立入検査はさておき、会社として従業員が安全・安心して働ける環境の整備、再発防止を講じることはマストと考えます。そのための取り組みを通して…

20XX年度は労働災害ゼロ件をめざす!

なんてノルマが人事部に課せられたりします。もちろん、達成は極めて困難です。が、そのノルマを達成するために、安全に関する教育や、職場巡視や、と様々な策が講じられていることにもなります。

人事のノルマ⑥ その他諸々(従業員サーベイ・教育等々)

ノルマを課されるシーンは、前述以外にも本当に様々です。

例えば、従業員サーベイ、ある程度の規模の企業であれば従業員の会社での満足度などをはかるためのサーベイが定期的に行われていることもあるかと思います。この従業員サーベイの回答率がノルマとして課されることもありますし、中身の項目の肯定的解答率の割合がKPI(≒ノルマ)として課されていることもあります。

その他にも教育・研修関係を受講した人数がノルマとして課されることもあります。当然、研修の類によっては従業員全員に受講させることが必須となるものもあります。こうなると、受講率が100%になるまで延々とフォローをし続けるという業務もあります。

さいごに

人事にノルマはないと思っている方、実は人事だってたくさんのノルマがあるんだ、ということがご理解いただけたのではないでしょうか。人事は楽そう、と思っていた方、少しでも人事も苦労しているんだなぁと思ってもらえたら幸いです。そして、もし人事をめざしている方いましたら、あまり重くは受け止めないで頂けたらと思います。どんな仕事にもノルマはあります。

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