グループディスカッション、昨今では様々な企業で取り入れられおり、大体は書類選考後の一つ目の関門として用意されているケースが多いのではないでしょうか。課題は「グローバルに活躍するために必要な素養は何か?」といった抽象的なテーマから、「▲▲地域における店舗の売り上げ向上施策を検討せよ」等の具体的なテーマまで、場合によっては賛成・反対の立場を与えられディベートをさせられるようなスタイルまで内容も様々です。さて、そんな通称グルディスとも呼ばれるグループディスカッション。たまにグルディスでは「リーダーをかって出よ!」といような、指南がされているケースが見受けられますが、本当にそうなのでしょうか?
グループディスカッションにおける役割
皆さんもご存じの通り、グループディスカッションでは議論を進めるにあたりいくつかの役割が存在しています。必ずしも、何らかの役割を担わないといけないわけでもないですし、一方で一人で複数の役目を引き受けることも往々にしてあります。基本的には最低限の役割はその名の通りとなりますが、簡単に記載します。しかしがなら、結局、グループディスカッションにおいて、皆の目指すところは、どんな役割であれ『チームとして闊達に議論し結論を出す(まとめる)』これに尽きるということを一番理解して頂きたいです。
リーダー
司会・進行・ファシリテーターと場合によっては様々な呼ばれ方が存在していますが、いずれも、「議論を進める中心を担う位置付け」となります。自分の意見を述べつつもチームメンバ全体を見渡し、意見を引き出しそれをまとめていく存在です。
後述しますが、リーダーを担う以上はその役割と共に責任も担うことになります。
タイムキーパー
限られた時間の中でしっかりと議論を結論まで持っていけるように、タイミングタイミングで”時間”を周囲に意識させ、時間内にしっかりと結論なり発表をまとめるなりまでのタイムコントロールを行う、というのが最低限の役割です。
が、最低限の役割をこなすだけではダメです。「あと10分です。どうしましょう?」なんて発言してるだけでは、議論に参加していることにもならず、面接官からは無責任にしか見えていません。ただのアラーム機能です。しっかりと、タイムキーパーとして、時間を軸として、結論までの道筋を立てるところまで踏み込みましょう。
チーム、組織というのはある意味、皆がそれぞれ与えられた“役割”でまわっています。特に、グループディスカッションのようなその日に初めて会うメンバーで議論を行う場合はこの最初にピックアップした“役割”というのは非常に重要になりえます。なぜなら、[…]
書記
メンバの発言、議論内容、その経過をメモし、残すことが役目です。議論の経過をひかえることを担うため、ただ、発言をするだけではなく、控えた意見を材料に、議論の経過を俯瞰してみることが出来るポジションであったりします。書記がまとめた内容は最終的には発表に直接的につながることもあり、一定の貢献につながります。
ただメモを取っているだけではダメです。自身も意見を述べつつしっかりと意見を要約し、必要に応じ出た意見をグルーピングし、それを活用してさらに議論を進めることに貢献できれば〇です。
チーム、組織というのはある意味、皆がそれぞれ与えられた“役割”でまわっています。特に、グループディスカッションのようなその日に初めて会うメンバーで議論を行う場合はこの最初にピックアップした“役割”というのは非常に重要になりえます。なぜなら、[…]
発表者
最後に発表があるタイプのグループディスカッションの場合は発表者という役割が生じることもあります。発表者はその名の通り、最後にチームとして議論したその結果について発表をする役目を担います。
避けていただきたいのは、発表をプレッシャーに感じるあまり、その作業(発表準備)に没頭しないことです。確かに、発表者の役割は最後に発表することですが、だからと言って議論に参加しなくていいというわけではありません。
チーム、組織というのはある意味、皆がそれぞれ与えられた“役割”でまわっています。特に、グループディスカッションのようなその日に初めて会うメンバーで議論を行う場合はこの最初にピックアップした“役割”というのは非常に重要になりえます。なぜなら、[…]
リーダーを担うメリット・デメリットとは?
メリット
- まずは、真っ先に立候補したならば、積極性という観点でまずは一定の評価を得られる可能性があります。(迷いに迷ってやむなく、というのではなく、”私やります!”という積極性です。)
- また、しっかりとリーダーとして、議論の中心となりメンバの意見を促し、傾聴し、議論の方向性を打ち出し、まとめるところまで行きつくことが出来たならグルディスの通過は間違いないでしょう。
- リーダーを担う、ということは、多くのケースでチームメンバはその役割を担った人をリーダーとして扱ってくれる。という傾向が強いです。つまり、言うなれば議論のたずなを自然と譲ってくれる、議論をリードしやすくなる可能性があるということです。
デメリット
メリットとは裏表の話になりますが。リーダーをかってでたものの、議論をしっかりとまとめられなかった場合、その責任を負うのはリーダーになります。
余談 企業にとってのメリットって?
身も蓋もないことも言うと、大きくは以下の二つです。
企業側の労力
グループディスカッションやグループ面接は、実は企業側の労力が節約できるという利点もあったりします。個人面談であれば1人20分30分の個人面接をしなければなりませんが、グループディスカッションであれば、一度に4,5人を40分、50分でやってしまえたりするので応募が多い企業にとっては極めて効率的です。
しかも、基本的に面接官は「観察」することに注力することができるため、評価・運用が楽というのもあります。
コミュニケーション力(対個人ではなく、対複数での能力)
個人面接ではわからない、他者との接し方というのが見えます。他者の意見に否定的であったりしないか、議論において極めて好戦的・高圧的であったりしないか、人の意見に傾聴が出来ているのか、複数のメンバに働きかけてリーダーシップを発揮し議論に貢献できているか…等々。これらはなかなか個人面接では見極めることは難しく、グルディスであれば比較的容易にみることができます。そのため、グループディスカッションを用いている企業はそういった点を特に見ている可能性が高いです。
役割の観点からの評価ももちろんありますが、実はこのグループディスカッションにおけるコミュニケーション能力の発揮度合い。これの極めて重要です。
個人面接のようにある程度定型の質問、定型の回答といった流れもなく、その場での周囲とのかかわり方を見ることが出来て”素”をよりみやすいということもあげられます。
まとめ(GDではリーダーをやるべき!?)
ここまで読んでいただければもうお分かりかと思いますが、答えはNOです。そもそも、リーダーという役割に実は縛られるべきではなく、いかに議論を進めるにあたって”リーダーシップ”を発揮できているのかという点が大きなポイントの一つとなってきます。この”リーダーシップ”(姿勢)はリーダー役であろうと、タイムキーパー役であろうと、書記役であろうと、発揮ができるし、発揮するべきなのです。
”役割”にとらわれ過ぎず、一体どうしたら限られた時間内で議論をより良いものにできるか、まとめられるかを考え議論に貢献していく姿勢、それができれば、担った役割に関係なくグループディスカッションは通過できるでしょう。