就活をしていると多くの人が遭遇してしまうのではないでしょうか?第二志望・第三志望の会社から先に内定(内々定)が出てしまって、承諾期限も間近に!けど、第一志望の企業の面接はまだ結果が出そうにない…。
内定(内々定)を辞退した結果、第一志望にも合格できずに、無い内定(NNT)にもなりたくないし…なんとか志望度のより高い企業からの結果が出るまでは承諾の返事を引き延ばせないか。
正直迷っていてまだすぐには結論が出せないから待ってほしい!等色々な理由で承諾期限を伸ばしたい、返事を保留したい!と思っている方がいるのではないでしょうか。
そんな場合にどんな対応が出来るかを、言われる側のいち人事担当者として考えてみました。(切り口としてややテクニック的な記述になっていますがご容赦ください。)
まずは内定(内々定)後の企業・学生の立場の変化を理解
まず、内定(内々定)が出て、明確に変わるのは、それまでの選考段階では選ぶ側であった企業、選ばれる側である学生という立場から、学生が会社を選ぶ側になるというものになります。
このポジションの変化は非常に大きいものとなりますので、延長についても遠慮なく申し出ましょう。そのため、その会社を自分が”選ぶ”ために、どうすれば”選ぶ”ことが出来うるのかという観点で望んでいただければと思います。
表面的なネームバリューやインターネットで拾える情報だけで決めるのではなく、リアルな情報も可能な限り集めた上で”選ぶ”ということをしていただけたらと思います。
テクニック的に書いている部分もありますが、前提は”選ぶ”ために承諾期限を延長したい、内定を保留したい、そのためにどうしたらいいか。というのを基本スタンスとして理解下さい。
内定承諾期限延長の可否は色々な都合で決まる
お察しの通り、期限延長が可能かどうかは、”あなた”の申し出のみで決まるわけではありません。企業側の採用の進捗状況・他の学生の状況なども相待って判断されるケースも多いです。
都合その① 他の応募者との兼ね合い
都合その② 企業側の状況
(正直、まだそこまで多くの候補者がいるわけではなし、ここで期限を迫って辞退されても困るので、多少の延長は仕方ないか。出来れば来てほしい。)
(既に辞退者が出ることも見越して多めに合格を出しているので、期限内に承諾の返事をしてくれるなら良いけど、会社として期限延長をしてまで待って入社をしてもらう必要もないので…申し訳ないけど延長はできないな。)
都合その③ 候補者(”あなた”)の評価
(非常に優秀な学生なので、他社からも内定が出るのは間違い無いだろう。ここで期限を迫ったら辞退される可能性も高い。なんとか惹きつけて当社に入社して欲しい。期限は延ばすのはもちろんだが、魅力的な社員と会話してもらって志望度を上げてもらいたい。)
(他の内定者は基本みんな同じ期限でやっているのだから、特別優秀ってわけでもなかった様子だし、どんな理由であれ延長を個別に特別に認める必要性はないな。まだ、今辞退されても採用活動を続ければ計画は達成できそうだし。)
と、複数パターンの想定ケースを記述してみましたが、実際期限延長を申し出るまでは、延長してもらえるかもらえないか、そんなことはわからないので、まずは言ってみないことには始まりません。
承諾期限の延長(保留)方法・理由・伝え方は
期限延長の要望を正直に申し出る
正直に内定承諾の期限を延長出来ないか申し出てみるのは一案です。正直であるが故に会社側としてもその気持ちは一旦は受け止めてくれるでしょうし、正直な話であるが故に、申し出る当人(あなた)の心理的負担も小さいでしょう。
そのため、大変申し訳ないのですが、今、選考が進んでいる2社の選考結果が出揃うまでは内定の承諾期日をお待ちいただくことは出来ませんでしょうか。
私としてある程度就職活動をやり切ったと思える上で、しっかりと御社とも他社とも向き合った上で結論を出させて頂けないかと思っています。
とは言っても、色々都合もありますので、○○日までは待てるのですがいかがでしょうか?また、是非前向きに検討していただくにあたって、先輩社員との個別面談の機会なども用意できたらと思うのですがいかがでしょうか?
ポイントは第一志望の企業の結果が出るまで待ってほしい、第一志望は公務員なのでその結果が出るまで待って欲しい、とあからさまに、”あなたの会社は第二志望以下です、第一希望が落ちたら仕方ないので御社に行きます”と言うメッセージが伝わらないようにすることです。
そんなメッセージが伝わってしまうと、余程の優秀な人材でない限り、会社としてその人を待つ理由がなければ、「期限の延長は出来ません。○○までに承諾いただけない場合は辞退として処理いたします。」とドライに言われてしまうでしょう。
もう一つのポイントは、”真剣に悩んでいる”、”御社も他社も同じくらい悩んでいるんです”、”しっかりと自分で納得した上で後悔のない結論を出したいんです”、といったことが伝わるようにすることが大切です。
先輩社員との個別の面談機会をリクエストする
御社を第一志望としていると申し上げましたが、大変失礼な話で恐縮なのですが、まだ正直なところ少し悩みもあり、もっとより働くイメージを持つためにも、若手の先輩社員の方と一度お話しさせていただける機会を頂戴出来ませんでしょうか?
その上で、内定承諾についてのお返事はさせていただけると大変嬉しく思います。
本当にその会社への入社を悩んでいる場合は、先輩社員との面談の場を用意してもらうのは効果的です。そうすることで必然的に、承諾の期限も合わせて延長してもらえる可能性が高いです。また、この際は出来る限り自分と同じ要素が多い先輩との面談を希望することをお勧めします。
・職種が決まっていれば同じ職種の先輩社員
・出身大学が同じ先輩社員
・性別が同じ先輩社員
等々です。”同じ”部分が多ければ多いほど先輩社員からの親近感も得られますし、より色々な情報を聞き出せる可能性が高まります。
ただの期限延長のためだけの言い訳で使うことはお勧めしませんが、もしかしたら、この面談を通して志望度合いが高まる可能性もゼロではありませんので、企業側(私一個人)としてもトライはしてみるかと思って受け止めます。
工場見学・オフィス見学の機会をリクエストする
期限を延長することとなってしまい大変申し訳ないのですが、”働く場所”を実際に拝見させていただいた上で、決断をしたいと考えており、何卒よろしくお願いいたします。
勤務地が入社後に決まる企業なんかですとオフィスも複数あるため難しいかもしれません。”工場”も企業によっては遠方にあり簡単には叶わないので、余程のこだわり、必要性が無い限りは”工場見学””オフィス見学”は蛇足になり得ると考えます。
家族(親)を理由に使う
と言いますのも、私の不徳の致すところなのですが、これまで親と全く就職活動について会話ができておリませんでした。
そのため今般、御社からの内定を頂戴しましたことを伝えたところ、詳細な報告を求められており、来週末には一度実家に帰り詳細な説明をしっかりと親にもした後、御社へもお返事をさせていただけないかと考えております。
勝手な都合で大変恐縮なのですが、なんとかもう1週間待っていただくことは出来ませんでしょうか。
少し異なりますが、似たような話として、実は転職活動の内定期日延長の際に、”配偶者”に改めて相談した上で決定したいという話はかなりの確率で聞きます。
そのため、学生が”親”に話した上で決定したい、ということもないわけではありません。あっても良いことではあります。昨今では、”オヤカク(親確)”なんて言うほど、企業側が「入社の決断にあたって、しっかりと親にも話しましたか?」なんて聞くことがあるほど、”親”を重要視している会社もありますので、この理由は効く会社もあると考えます。
ただ、企業の担当者によっては、「これから社会人になろうといういい大人が”親”に話さないと決められないというのは先が思いやられる。」という所感を抱く場合もありますので、個人的には積極的にはお勧めはしません。
延長(保留)出来なければ、最後の手段は承諾後に辞退
内定(内々定)は確保しつつも満足いくまで就職活動を続けたい。けど、承諾の期限を伸ばしてもらうことは出来ない…という場合にとりうる最後の手段は、一旦承諾、その後より良い希望先の内定(内々定)が決まったら一旦承諾していた企業を辞退し、他社を承諾する。という方法です。
ただ、これは余程の割り切りがない限り、当人(あなた)にとっても心理的負担が大きいのではないかと思います。
また、これは一番企業側としてはやって欲しくない対応となり、可能ならやらないで頂きたいです。
これをすると、
・もしかしたら次点で内定(内々定)を得られていたかもしれない他の学生への影響
・承諾後辞退のタイミングによっては企業として新卒での採用がもう対応できない状況となる可能性
等があります。当人(あなた)からしたら、他の学生や企業のことよりもまずは自分のこと、という思いもあるであろうことは理解できますが、承諾した後に辞退をすると言うことは出来る限り避けていただきたい方法です。
ただ、実情として、本当にその企業に行くつもりで承諾はしたけれども、後になってからやっぱり…ということもあるとは思います。それは止むを得ないですが、最初から目論んで行うことは止めて頂きたいです。
私個人として実際そのような話を聞いたことはありませんが、最悪、企業側から訴えられる可能性もゼロではありません。
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オワハラには気を付けること
承諾期限の延長(保留)を申し出ると、企業側から「一度話をしましょう」と、延長(保留)についてYES /NOの答えではなく、まずは話をというパターンになるケースもあると考えます。
その際に、企業側が純粋にさらに詳細を確認した上で、可否について判断をするためであれば良いのですが、場合によっては、呼び出された上に「今決めて下さい」と迫ってくることもあるかもしれません。
基本、オワハラをするような会社には入社する必要はないと私は考えていますので、その場合は「辞退します。」と言い切ってしまうで良いと考えています。
まとめ
・承諾期限の延長を受け入れてもらえるかどうかはケースバイケース
・承諾期限延長の際の方法は、正直に申し出る、何か追加での面談等をリクエスト、親への相談、をすることで伸ばすの大きく三つ
・承諾後辞退は最後の手段。基本は、禁じ手、みだりには使わないように
さいごに
折角得た内定(内々定)、他社からは得られていない場合はそれを手放すのはとても勇気がいることと思います。そのため、ここでは内定期限(期日)への回答を少しでも伸ばすための方法・理由づけといった観点を含め書きましたが、本質はそこではないことは皆さんもわかってはいるかと思います。
どの会社に行ったら自分がよりやりがいを持って自分らしく働けそうか、それを基準に考えていただくのが良いです。ただ、そのためには、社員と話をする機会をもらったり、実際の働く場所を見学させてもらったりと、本来であれば必要なリアルな情報はたくさんあります(逆に今の就活はわからないことだらけの中で決めているため、その点は企業側としての責任も感じます。)
辞退しない限りはその会社に行く可能性もあるわけですので、行くとしても自分が納得できるよう情報を集めることは良いことと考えます。
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