就職(転職)活動において、ただなんとなく大企業(親会社、本体)なら給料もある程度よさそうだし、福利厚生もよさそうだし、教育・研修もしっかりしてそうだし…等々のイメージで親会社を中心に活動をされている方は多いのではないでしょうか?ただ、「“親会社”(本体)がいい」という気持ちの枠を取り払うと、“子会社”(グループ会社)も実は非常に狙い目な可能性があるということを述べていきたいと思います。もちろん、見る観点によってメリット・デメリット双方がありえるのですが、今回は”良い側面に焦点を当てて”述べていきます。
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【前提】親会社・子会社・兄弟会社等とは
親会社:
対象となる企業から見て、その企業の株式の過半数(50%)以上を有するなど、対象企業の経営をガバナンスしている会社を”親会社”と呼びます。
子会社:
親会社が株式の過半数(50%)以上を有し、親会社にその経営を握られている会社が親会社からみて子会社となります。
兄弟会社:
同じ親会社を持つ子会社同士のことを兄弟会社と呼びます。
孫会社:
親会社から見たときに、子会社の子会社を孫会社と呼びます。
では…以降、おすすめしうる理由をご紹介していきます。
理由① 実は福利厚生制度が一緒であるケース
いち企業でいち企業のためだけに様々な福利厚生を整えることは非常に大きい負担となります。
そのため、大企業+その子会社は、“グループ”としてのスケールメリット等を活かしての福利厚生制度が整えられている可能性が高いです。
例えば、典型的な例は“寮”です。親会社が持っている寮を親会社だけのものとせずに、グループ会社にも共有しているケース。
その他にも、会社所有の施設(食堂、社内診療所、図書館、料亭、グラウンド、体育館など)を親会社のみにとどめず、グループ全体で活用した方が活かせるものは親であろうと子であろうと利用が出来る制度になっていることも多いです。
家族手当や住宅手当、健康保険組合、カフェテリアプラン等も場合によっては親会社の制度をそのまま持ってきているグループ会社も少なくありません。
また、企業によっては、“グループ”として世間よりもやや良い条件での貯蓄制度、生命保険プラン、ローン等が存在していることもあります。
理由② 実は教育制度が同等であるケース
どこでもあるわけではありませんが、超大企業ともなると、グループ企業の中に教育・研修を企画提供する会社を持っているところもあります。
グループ会社として持っていなくとも、社内にグループ全体に対しての教育施策を考える組織があることもあります。そのようなところは本体と同等の教育メニューが、子会社次第ではありますが、一通り揃えられている可能性が高いです。
そのような会社がない場合でも、やはり往々にして子会社は親会社を参考にし、カリキュラムを作っていることが多いです。そのため、同等の教育制度を有していることは珍しくありません。入社後の新入社員向けの研修からグループ会社も含めて、”グループ“として実施し、その後もキャリアステップ毎には同様に”グループ“として教育を付与していることもあります。
理由③ 勤務地が親会社(本体)よりも限定されているケース
親と子の役割分担上どのようになっているかにもよりますが、通常、本体は一番事業が進んでおり、海外含め全国に展開している傾向が強いです。
一方で、子会社によっては、国内の特定地域であったり、一都三県に勤務地が集中していたりと、様々な形態が考えられます。
そのため、人生において非常に大きな懸念となりうる“転勤”というリスクが少ないかもしれない、ということは非常に大きなメリットにもなりえます。
理由④ 実は給与制度が一緒であるケース
これはかなり隠れた観点です。
「子会社は親会社よりも給与少ないんじゃない?」という考えが当たり前であり、なかなか普通に就職活動をしているだけでは知りえないことがほとんどですが、親会社から分社化されたり、他社と合弁で新しく会社を作ったり、はたまた買収したりと色んな流れで子会社はできるわけですが、実は、給与制度が一緒であるケースがあります。
例えば、親会社から分社化されて出来た子会社が規則・制度はそのまま親会社のものを継承し事業を行っている、そんな形で同一制度が運用されている場合が存在します。(事実、私の所属している会社の子会社で給与制度が同様の会社を何社も知っています。)
理由⑤ コンプライアンスがしっかりしている
世の中には多くの会社があります。しかしながら、昨今では”ブラック”企業とも言われ話題になることが多いですが、社会的に責任のある大きな企業であればあるほど、コンプライアンス的にしっかりとしているハズと考えます。
そして、同様にその子会社もコンプライアンスは親会社と同水準に遵守していると考えられます。
中小企業やベンチャー企業等になってくると、様々な理由から、
・就業規則の作り込みが甘い
・労働法に知見のある人がおらず、日常の労務管理が荒い
・ハラスメント等の対応のノウハウがなく、上手く社内で対応が出来ない
等々が考えられます。
一方で、大手子会社ともなると、コンプライアンスはかなり厳しく、親会社が子会社も含めてガバナンスを効かせようとしています。そのため、窮屈に感じる面もあるかもしれませんが、従業員はしっかりとある程度守られている。ということになります。
理由⑥ 実は子会社から親会社への転籍の可能性がある
親会社と子会社間では様々な理由で人材交流(出向の差し出し、受け入れ)が双方向で行われているケースがあります。
デメリット(ネガティブ)な意味では、、親会社からの子会社への天下り的な事象もありますが、その逆で、子会社から親会社へ出向し、親会社でその実力を買われたり、縁あって親会社へ転籍となることがあります。当然、親会社へ転籍となると処遇(給与・賞与等々)も親会社の水準となりますので、それなりの額UPが期待できますし、その後のキャリアも広がることでしょう。
もちろんレアなケースであり、事象としてそこまで起こるものではありませんが、ご紹介です。
具体例としては、
・優秀な若手を子会社から親会社に出向で修行に行かせたら、親会社から声がかかり転籍となった。
・子会社で担っている○○のスペシャリストが親会社でも求められおり、親会社から人の転籍を打診された。
等々です。
本体と同レベルかどうかの見極めに繋がりそうな一つ考え方
散々、実は子会社(Gr会社)は親会社と同じくらい優良かもしれない!と語ってきましたが、その見極めの一つに使えそうな考え方を紹介いたします。
それは…その子会社の成り立ちを確認することです。
親会社からの買収によって子会社(グループ会社)化されている場合
この場合、残念ですが既に買収前の会社としての規則が存在しており、買収後も継続してその規則を引き継いでいる可能性が高いです。
そのため、親会社とは別の給与レンジ、福利厚生規則等になっている可能性が以下の二つよりもあるのではないかと推測します。もちろん、買収後にPMIの過程で制度統合がはかられ、良くも悪くもその制度は変わっている可能性もあります。
親会社からの分社化によって子会社(グループ会社)化されている場合
もちろん、分社化の目的のひとつとして固定費(人件費)の削減もあることを考えると給与水準が異なる可能性もありますが、分社の際に本体の規則をそもまま引き継いでいるケースも多くあります。
この場合、給与レンジや福利厚生制度が同水準である可能性が高まってきます。
大手同士の出資による合弁によって出来た子会社(グループ会社)の場合
こちらになると、その出資元のどちらかの規則が適用されている可能性がさらに高いと考えます。おそらくは出資比率の高い出資元の企業の規則が適用されているのではと推測します。
このような観点でも調べてみることで思わぬ優良な子会社(グループ会社)に出会えるのではないでしょうか。
狙うなら”超”大手企業の子会社(Gr会社)がおすすめ
これらの前述のメリットが享受出来る可能性は”超”大手企業の子会社であればあるほど高まると考えます。
例えば、教育・研修の観点で言えば、
富士通は富士通ラーニングメディアという会社を持っていたり、
NECであればNECマネジメントパートナーという会社を持っていたり、
NTTデータであれば、NTTデータユニバーシティという会社を持っていたりします。
(※NTTデータ自体が子会社であるという話はさておき、NTTデータは十分”格”は高いので。)
福利厚生の”保険”に関わるような部分では
三菱電機であれば三菱電機保険サービス株式会社なんて会社を持っていたりします。
その他福利厚生の観点でも、社員寮や社宅を自社で構えているレベルともなるとやはり、”超”大手になればなるほど可能性が高くなってきます。
ということで狙うなら、本体(親会社)が”超”大手である企業の子会社を狙うことをおすすめします。
上記の会社を狙うのではなく、上記の様な会社を持っている”超”大手の有力な子会社を狙うことがお勧めです。”超”大手企業のグループ会社一覧を眺めてみるとこの辺りがわかるかと思います。
大手子会社を狙うならエージェントもおすすめ
大手子会社は、親会社になまじネームバリューがあるが故に、実は人の獲得に苦戦している一面もあります。なぜなら、やはり傾向として親会社に人が流れていってしまうためです。そのため、人材獲得には非常に苦慮しています。子会社としては人事部門も限られた人員の中で採用活動をしますので、自ずと、エージェントを活用しているケースも多くなってきます。そのため、大手子会社を狙うに当たっては大手のエージェントをひとつは登録して進めることをおすすめします。
新卒におすすめのエージェント
こと新卒に関しては、マイナビやリクナビを使うのはもちろんの前提の上となります。
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転職におすすめのエージェント
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まとめ
最良のケースを想定して本記事を書きましたが、よくよく調べてみると決してそのような子会社(親会社と同等の制度・処遇を持っている子会社)は少なくありません。更に言うなれば、多くはないでしょうが、逆に親会社より福利・給与等の条件面で良いものを持っている子会社も存在するも事実です。大企業なら本体、親会社がいいハズと思い込まずに、今一度そのグループ会社にも目を向けてみると思わぬ優良な子会社に出会うことが出来ると考えます。
新卒であれば以下のサービス(OBOG訪問など)を活用し情報収集に努めるのが良いです。もしくは、子会社から合格が出た後に、他社と迷っている、検討のために教えて欲しいと思い切って言ってみるのもありです。
アンテナの高い人は感じているかもしれませんが、昨今の企業における新卒採用活動は今までの一括採用スタイル(大量に応募者を集めてふるいにかけ大量に落とし、残った人材を採用する)から、個別採用スタイル(自社に合う人材をピンポイントに狙って取ってい[…]
転職者であれば、極めて聞きづらい内容かとも思いますので最初からエージェントを活用し、合格が出た後にエージェント経由で詳細を確認するのが良いです。
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