アルバイト経験がない…就職活動が近づくとそのような部分で不安に感じたり、引け目を感じたりする人もいるのではないでしょうか。
かくいう私も学生時代にアルバイトを経験したことがないまま就活をして就職をしました。
あくまでいちサンプルですがそれでも就職は出来ます。さて…そんな「アルバイト経験がない」ことについて、就活で不利にならないか?と心配している人に向けていち採用担当としての見解をご紹介致します。
「アルバイト経験なし」は実は珍しく無い!?
そもそもアルバイト経験がないことを心配する背景のひとつとして、みんなしているのに自分はしていなかった…なんてこともあるのではないでしょうか?大学生のアルバイト経験について株式会社マイナビがアンケートを行なっています。
これまで一度も就業経験がない割合は11.8%と、2.2pt増加した(2020年:9.6%)。
マイナビ「2021年 大学生のアルバイト実態調査」
<調査地域> 全国
<調査方法> インターネット調査
<対象者> 18~23歳の大学1年生~4年生 ※6年制大学、大学院生は除く
<回答数> 1,346サンプル
<実施期間> 本調査:2021年2月26日(金)~2021年3月2日(火)引用:https://www.mynavi.jp/news/2021/04/post_30724.html
ということになります。
10人に1人…少ないと感じるか、意外といると感じるかは人それぞれでしょうが、いち人事としては珍しくないと感じています。
そもそも、高校ではアルバイトが禁止されていたような学校も多いと考えます。となると、アルバイトを始めるのは大学生になってからでしょう。
そして、一言でアルバイト経験があると言っても、週1日のアルバイトや短期間でのアルバイトなども含むでしょう。そう考えると”アルバイト経験がない・少ない”と考えるとそれは10人に2人・3人となってくるのではないでしょうか。
「アルバイト経験なし」は就活で不利になるのか?
さて…では、「アルバイト経験なし」は就活で不利になるのでしょうか?答えは…
ということになります。
アルバイトは学生生活において様々ある取り組んで来たであろうことのあくまでひとつにしかなり得ません。
そのため、アルバイトひとつをとってその経験がないから、と言って就職活動で不利になることは基本的にはありません。(あくまで一般論ですので、企業によっては”アルバイト経験”を重要視している企業ももちろんあるとは考えます。)
「アルバイト経験」について聞く企業の意図は?
人柄を知りたい
”アルバイトを選ぶ”というところから候補者の”人柄”が垣間見えることもありますし、アルバイトにどんな思いを持って取り組んでいるのかを知ることからも人柄を推察することができます。
自分の興味・関心からアルバイトを選ぶ人や、自分の強み・スキルを活かせるアルバイトを選ぶ人、条件が良いアルバイトを選ぶ人…様々でしょう。この”選択”には候補者の考え方・価値観が色濃く反映されています。
継続力・忍耐力があるかを知りたい
事情はさておき、短期間でいくつもアルバイトを取っ替え引っ替えしている候補者、ひとつのアルバイトを数年継続的に行なっている候補者…面接官が抱く所感は異なります。
もちろん、背景にある事情・理由は様々でしょうから一概には言えませんが…。企業としては当然採用するからには採用した人には自社で出来るだけ長い間勤めてほしいと思っています。
やや安直ではありますが、そのため、アルバイトにおいてもしっかりと継続的に取り組んでいることが出来ているかということを一つの参考にします。
成長意欲があるかを知りたい
企業は成長意欲がある人材を求めています。この変化が激しい世の中において、「今のままでいい」と思っている人をよしとはしません。
アルバイトであっても仕事を通じた「成長」はあります。アルバイトを緩慢にこなしているのか、アルバイトを通して学び・成長を得ているのか…これは企業からすると自社に入ってからそ候補者がどのように成長してくれるのかのポテンシャルを判断するひとつの要素ともなります。
課題発見能力・解決力があるかを知りたい
アルバイトをただのお金稼ぎと捉えて、指示されたことだけやっていれば良い…というマインドは企業からするとマイナスです。
アルバイトはその企業における現場の一端を担う仕事であり、社会人の一員とも言えます。
日々接する業務を漫然とこなすのではなく、より良いものにしていこうとする姿勢・能力等があるのかも企業は知りたがっています。
仕事において何か課題を見つけそれを解決することでより良い結果に結びつける、そんな行動は会社へ入社後も求められることとなります。
「アルバイト経験なし」が不利と言いうる理由は?
基本的に「不利」にはなりませんが、とは言っても企業によってはアルバイト経験を評価する企業もないわけではありません。では、「不利」になるとするとどう言った理由からなのでしょうか?
人生の経験値が低いと見做される可能性
アルバイトは前述の通り多くの学生が経験をしていることでもあります。
そのため、その「経験がない」というのは単純に他の人と比べて経験値が低いのではないかと見做される可能性があります。やはり、人は色々な経験をすることで成長をしていきます。
企業・面接官によっては、その企業・面接官が思い描く候補者像と合致しない場合にマイナス評価をする可能性は否めません。
ただ、そう言った意味でこれは実は”アルバイト”に限った話ではありません。サークル活動であったり、受験勉強であったり…と様々ですので、たかだか一つアルバイト経験の有無をとりあげて不利・有利を論じるのは無理があるのではと考えます。
やはりいち人事としてはアルバイト経験の有無を気にする必要はそこまでないとは考えます。
社会(仕事)への適応力に差があるであろうから
アルバイトと言えど、社会に出ている以上それはある種”社会人”とも言えます。つまり、アルバイト経験者はその経験を通して、社会・仕事への適応力が一定程度あるだろうと企業によっては考えます。
実際はそんなことはその企業で働いてみないことにはわからないことではありますが、少なくともアルバイト経験者と未経験者では前者の方が適応してくれるのではないかという期待が大きいということです。
アルバイトによっては理不尽なクレーム対応や、トラブル対応、急な残業の対応等、辛酸を舐めてきた方もいるでしょう。これらを経験してきた、乗り越えてきたということはそれだけで、企業からは安心感があります。
チームワークへの懸念(年上との業務等)
アルバイトでは色々な人と一緒に仕事をするような場合もあるでしょう。自分よりも若い人とはもちろん、自分よりも年上の人とも一緒に仕事をすることもあるでしょう。
所謂、アルバイト先の企業の”社員”とも密接に関わりあいながら一緒に働くこともあるでしょう。大学ではサークルにせよ、ゼミにせよ…その関わる年齢層はある程度限定されており、そしてその関わりもあくまで”学業”の関わりで、仕事の関わりではありません。
アルバイトという場において、色々な人と関わりながら仕事を進めた経験がある…これは企業からするとやはり一定の安心感に繋がります。
さて…そう言った観点からは、アルバイト経験なしは不利、ではなく、アルバイト経験は有利になる可能性がある。と言った方が正しいのかもしれません。
「アルバイト経験なし」面接でバイト経験を聞かれた場合の対応は?
もちろん、「学生時代に力を入れて取り組んだこと」「自己PR」などの広い質問であればこれまでの”あなた”の経験・取り組んで来たことから回答をすれば問題はありません。必ずしもアルバイトに関係することである必要はありません。
しかしながら、面接で「これまでどのようなアルバイトをされたことがありますか?」と聞かれることもあるかもしれません。そのような場合どうしたら良いでしょうか?答えは…
対応その① 正直に伝える
しかありません。したこともないのに、アルバイト経験をでっちあげるようなことは絶対におすすめ出来ません。
次の質問でアルバイト経験に関して深掘りをされてしまえばすぐに嘘はバレて、すぐに不合格と判定されかねません。
さて…具体的には以下のような回答ではいかがでしょうか。
想定やりとり①
わざわざ「アルバイトをしなった代わりに学業・部活を頑張った」と言うからには、学業がしっかりと成績がある程度出せていることは必要ですし、部活動についてもどのように力を入れて取り組んで来たのかを話せる必要があります。
「アルバイトの経験はありますか?」「何かアルバイトはされていましたか?」に対して変にくどくどと説明をする必要も無いと考えます。
また、全ての質問を想定することはできませんが、ある程度自分で想定質問集を作ってどのような回答をするかを用意しておくことが望ましいと考えます。
対応その② アルバイトをしなかった理由を答えらえるようにしておく
面接官によっては「アルバイトをしなかった理由」について聞いてくることもあるかもしれません。そのような場合にも答えられるように準備をしておくことも必要です。わかりやすい例としては以下です。
・部活動に打ち込んでいた
・研究に没頭していた
・その他活動に没頭していた(サークル、ボランティア、趣味等々)
・家庭の事情(親族の介護等)
等々
があげられるかと思います。そして、いずれかを理由にあげるからには、しっかりとその部分が話せるようにしておく必要があります。
・部活動に打ち込んでいた → 大会優勝をめざして日々練習に明け暮れていた。
等々
これらはある意味「学生時代に力を入れて取り組んだ経験」とも近いこととなると考えますので、それを意識した準備をしておくのが良いと考えます。
当然の如く、「めんどくさかったから」等のネガティブな理由は面接官からの心象を大きく損ねることになるばかりか、意欲を疑われることとなりますのでおすすめは出来ません。
「アルバイト経験なし」は関係ない、大切なのはこれまで何を経験し・何を学び・何を活かせるのか
一体、大学・大学院時代を通して何を経験してきたのか
大学生であれば大学の3年間、院生であれば大学~大学院1年までの5年間どんなことを経験してきたのかを企業は見ています。
3年にせよ5年にせよその期間を漫然と過ごしたのではなく、やはり何か”力を入れて取り組んだこと”なり、”目的意識をもって取り組んで来たこと”をもっていることを企業は期待します。
漫然と学生生活を送ってきた人と、何か目的意識を持って取り組んで来た人ではその意識、成長度合いは大きく異なります。
そして経験してきたことから何を学んだのか・得たのか
物事をただの一過性のイベントとせずに一体そこから何を学び、何を得たのか…これも企業は重要視します。これは「成長しているかどうか」ということに他なりません。
そして”経験を通して何かを得る”ということはこれは結果だけでなくそこに至るまでの「過程」も重要視されているということになります。
一体何をきっかけに物事に取り組み、何を感じ・思い、何を目指して、どんな結果に至ったのか…。そしてその一連を通して何を学び・得たのか。これをしっかりと自問自答して相手にわかりやすく伝えられるように整理しておくことが必要です。
学び・得たものを活かすことが出来るのか
結局のところ企業が過去の経験を聞くのはそこで学んだ・得たものを会社に入ってからも活かしていくことが出来るかどうかを知りたいためです。これはどんなポータブルスキルを持っているのか?ということとも言えます。
ポータブルスキルとは職種・業種が変わっても持ち運びが出来る職務遂行のスキルを指します。もちろん新卒採用という観点では、”ポテンシャル”をはかることが中心となるので、その素養・素地があるのかどうなのかを判断することとなります。
さて…そんなスキルの素養・素地があるかどうかは、この学び・得たものを活かしていけそうかどうか…というところに繋がります。
様々な経験を通して学んだこと・得たもの…正確な現状把握能力、課題の設定能力、計画立案力…他にも人との関わり方…。それらは社会に出てからも活かすことができます。
アルバイト経験なし、就職サポートにはエージェントを使おう
とは言ってもやはり不安、アルバイト経験がないことをどのように説明しよう、深く突っ込まれたらどのように対応したら良いかわからない…心配…なんてこともあるでしょう。
そのような場合は第三者(就活エージェント)を活用してアドバイスを得るのも一つの方法です。
もちろん、就活エージェントは自社の顧客(企業)に対して学生(あなた)を紹介することで収益を得ているため、どちらかと言うと…企業より且つ、学生を自社の顧客に就職させよう…と試みますが、上手くサポート部分を活用しつつ良い企業があれば選考を受けてみるというのも悪くはありません。
Job Spring
丁寧なカウンセリングと学生のキャリアに真剣に向き合ってくれる就活支援会社です。所謂、新卒向けの就職エージェントという位置付けにはなりますが、転職エージェントとは異なり、就職活動を全般的にサポートしてもらうことが出来ます。
「相談」から始まる就活支援サービス【キャリセン就活エージェント】
企業向け採用コンサルティングも行っているため、 採用担当のホンネを熟知しており、内定イメージを持った企業紹介が可能な就活支援会社です。
アルバイト経験なし、スカウト型のサイトを上手く活用しよう!
アルバイトの経験がない・少ないことが企業から評価されるのかどうか…面接で不利になるのでは、と不安になるかもしれません…しかし、スカウト型サイトならそんな不安を払拭出来ると考えます。
なぜなら、アルバイト経験の有無ではなく、”あなた”の履歴書・ESを総合的に企業が見た上で、”あなた”に選考を受けにきてほしいとオファーをしてくれるためです。
以下に今や就活において登録必須とも言えるスカウト型サイトをご紹介します。
おすすめの逆求人サイト① Offer Box
大手からベンチャー企業まであなたにオファーが届くスカウト型就活サイト【OfferBox】
オファーボックスは“企業が動き、会いたい学生にだけ会う”採用活動のスタイルです。実はこのオファーボックス、日本最大級の人事ポータルサイトHRproが主催するイベントにて表彰を受けており、企業の人事担当者にも名前が売れているサービスとなります。
新卒版のダイレクトリクルーティング「Offer Box(オファーボックス)」。数年前までは就活生でも耳にしたことがある人の方が少ないサービスだったかと思いますが、今となってはむしろ耳にしたことがない人の方が少ないのではないでしょうか。私自身[…]
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キミスカもオファーボックスと同様の逆求人型の就職活動サイトです。導入企業数は300社以上、但し、まだまだオファーボックスの方が、圧倒的に規模が大きいため、優先度はオファーボックスが上とはなりますが、オファーボックスだけでは出会えない企業に出会える可能性があります。
おすすめの逆求人サイト③ dodaキャンパス
dodaキャンパスは贔屓をするわけではありませんが、私の所属会社でも実際に活用しており、一部選考免除等のダイレクトオファーを実際に行っておりますこともあるので、オススメいたします。
新卒向けのダイレクトリクルーティングサービスとしては新しい方ですが、新しいが故に企業側への売り込みも盛んで今後伸びてくると考えております。学生の利用も就活生の5人に1人が利用していると謳っています。
さて、こちらでは、逆求人型の就活サイトのひとつであるdodaキャンパスについてご紹介をしたいと思います。実は、筆者もいち人事担当として企業側の立場でこのdodaキャンパスを活用させて頂いています。そのため、そもそもdodaキャンパスってなに[…]
さいごに
アルバイト経験、無いとコンプレックスにも感じるかもしれませんが全く気にする必要はありません。
アルバイト経験、無いことで卒業後社会にいきなり出て上手くやっていけるだろうか…と思う方もいるかもしれません、これも問題ありません。私自身、アルバイト経験はないまま就職をしました。
私自身もバイト経験がないことを当時全く気にしていなかったかと言われるとそうではありません…それを引け目に感じてもいました。ここではそんな引け目にも感じる必要はないということも併せて伝われば幸いです。
皆さんの就活の成功を祈念し以上といたします。
「何か継続していることはありますか?」転職における面接でも遭遇する可能性がある質問ではありますが、特に学生の就活において多く見受けられる質問と考えます。…継続していることがある人の方が少ないのではないかといち人事としては考えます。継[…]
就活の面接では様々なことを面接官から聞かれます。志望動機や、学生時代に頑張って力を入れて取り組んだこと(ガクチカ)や、理系だったら研究テーマについての質問なんかもあるかもしれません。いずれにしても、それらの大部分は候補者のポテンシャ[…]