海外駐在・出向に行きたいと思っている人、赴任を命じられて一体どの程度の期間になるんだろうと思っている人、すでに赴任していて3年になるが…一体いつ帰るんだろう?と思っている人、等々この「期間」が気になる方も多くいるのでは無いかと思います。
帰りたくない!と長く居たくて気になる人、帰りたい!といつ帰れるのかと早く帰りたくて気になる人、様々な思いもあるかと思います。さて、ここではこれまで、海外への駐在・出向に関して人事として異動業務に携わってきた経験をもとにいち人事としての見解をご紹介したいと思います。
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海外駐在・出向期間は、一般的には…3〜5年!
一般的にはズバリ
これが回答となります。色々な人に聞いてもきっと「駐在期間?う~ん、3~5年程度じゃないかなぁ」という答えが返ってくるでしょう。
それくらい、この”3~5年”というのが感覚値になっています。
海外駐在・出向期間、何故3~5年?その理由は?
これは色々な理由がありますが、主に以下の理由から3~5年となっています。
その① 人材育成の観点
海外駐在には人材の育成目的もあります。一人の人をずっと駐在させるのではなく、期間を区切って今後グローバルに育成していきたい人事を順次送り出していく必要があるという観点で3~5年としているケースがあります。
海外での責任あるポジションを経験した後に、日本側で更なる上位ポジションで活躍をしてもらうため、というものです。
一人の人に海外での駐在経験を偏らせるのではなく、出来るだけ人材を育てるためのキーポジションとして海外駐在ポジションを会社としても活用したいという思いがあります。
その② 従業員配慮の観点
日本を離れての業務は従業員に色々な負担を強いています。単身赴任であれば家族ともそうそう簡単には会えなかったり、また慣れない地域・国での生活が心身への悪影響を与えたり…等々。
独身者であれば、その分ライフイベントが全て後ろズレするリスクもあります。そのため、長期間は行かせられない。という従業員の配慮の観点から長期間の駐在はさせないということで長くても5年か・・・というマインドを企業側はどことなく持っていることがあります。
その③ 業務上の観点
国・地域によっては生活立ち上と業務に慣れるので数ヶ月~半年かかるようなことも珍しくありません。
そうなると、1年・2年では短すぎる、ということにもなります。最低3年程度あってこそ現地でしっかりと成果を出せると考えている側面もあります。
逆に長くなり過ぎることでのデメリット、一箇所のポジションに長く居続けてしまうことでの”成長の鈍化””不正リスク”等々もあります。
とは言っても…一般論だけじゃなくて、いろんな場合があるよね?と思われると思います。それらについても以降ご紹介していきます。
その④ 若手の海外研修より長いはず
大手企業では若手に海外の業務経験をつませるため、OJTという形で20代、30代の若手を海外に送りだしているところが多くあります。
この場合大体期間として海外に出すのは長いところで2年、短いところで半年などの期間で送り出しています。これに対すると当然、実際に赴任をする駐在・出向者は必然的に(?)それを超える期間を想定して送り出されているということでもあります。
※もちろん、最初からプロジェクトの期間も決まっていて、1年なり2年の駐在という形で赴任をする方もいますが。
海外駐在・出向期間、短期間になるケースって…?
下記にいくつかご紹介しますが、具体個別の話になると非常に多くのケースが存在します。
その① 家族の事情
これは、単身赴任でも家族帯同でも起こりうるケースで、いち人事としてもよく見聞きします。
単身赴任の場合、例えば、家庭によっては奥さんが育児・家事を全てワンオペをする必要が出てきます。
時差のせいでなかなか夫婦間でのコミュニケーションも取れず、日本でワンオペをする奥さんは疲弊をしていき…なんてケースです。
他にも父親の単身赴任中に子供が引きこもりがちになり不登校に精神的に不安定に…どうしても帰る必要が…というケースも存在します。
家族帯同の場合、例えば、赴任先の環境に家族が慣れることが出来なかった、メンタルヘルス不全で家族を帰す必要がある。
この場合、家族が日本に帰るだけで解決すれば良いのですが、場合によっては、駐在者本人が一緒にいる必要があるというような場合は、帰任せざるを得ないということもあります。
その② 駐在・出向者自身の事情
家族の例を先にご紹介しましたが、もちろんそれだけではなく、”あなた”自身が不調をきたす可能性もゼロではありません。
日本にいる頃以上の職責を海外では担うことも多くあります。日本では部長・課長だったが現地では社長・所長を担う、なんてケースです。
ただ、職責が上がるだけではなく、しかも”海外”でというところが大きな負担になります。日本とは商習慣も異なったり、異国で現地の人を取りまとめるのは想像以上に困難なことだったりします。
日本人の仲間(駐在者)が複数人いればいいですが、場合によっては日本人一人…なんてこともあります。大きなストレスがきっかけで精神的に疲弊して駐在期間が短期になるケースもあります。
その③ 現地法人側の都合
いくつか考えられますが、まずひとつは、現地法人からNGを突きつけられるケースです。
日本人が日本で行っていた旧態依然とした昭和時代のような古いマネジメントを現地に運び込むと現地側からノーを突きつけられることもあります。
現地従業員を尊重しない、残業を強要する、周囲がいるまえで罵倒する、日本でもハラスメント行為となりますが、海外では日本以上に気にする必要があります。
もうひとつは、現地法人の経営状況も関係する場合があります。
人を一人現地に送り出すということは給与から手当・福利厚生含めて年間で2000万円近くを現地法人が負担することにもなります。
現地法人の経営状況が芳しくなく、成果が出ない場合、駐在・出向から出張に切り替えられたり、場合によっては日本に復帰させられる可能性もあるでしょう。
その④ 日本法人側の都合
日本側としては勇んで対象者を送り出したものの、日本側でどうしてもその人を呼び戻さなければならない業務上の都合が出来てしまった場合です。
過去に目の当たりにした二つのケースとしては…ひとつは過去に赴任者が関わっていたプロジェクトで事故がおきどうしてもその人にしか解決できない案件であり呼び戻す他ないとなった事例、もう一つは、新しく行っていくプロジェクトでその人以外率いることが出来ないと判断されて呼び戻しを決めた事例です。
他にも日本側の様々な都合で呼び戻されるという可能性はあります。
その⑤ その他諸々(現地の政情不安等)
国・地域によっては現地の政情不安(安全面)をきっかけに日本に帰任せざるを得ない、なんてこともあります。具体的には暴動や激しいデモで安全が脅かされるような状態です。
他にも一番最近にあったわかりやすいケースは、コロナ(COVID-19)です。これをきっかけにして、海外の駐在員を日本に撤収させた企業も多くあります、そしてそのまま再赴任はなかった…なんてこともあります。
海外駐在・出向期間、長期間になるケースって…?
一般的には3~5年と述べましたが、もちろんみんながみんな3~5年になるわけではありません。中には6年はもちろん、10年近く駐在状態であるなんて方もいます。さて、ではどんな要因で期間が長期化するのかいくつかご紹介いたします。
何かひとつだけの要因があるわけではなく、複合的に様々な要因が絡み合って長期化しているものだと考えます。
その① 日本側の海外人材不足
中小規模の組織になると、日本側が代わりの人を出せないが故に海外駐在期間が長期化するなんてことは往々にしてあります。
それは語学力の面からもそうですし、最近の若手は海外に行きたがらない、なんて昨今の志向も影響していることもあります。
もちろん、日本(本社)側では、「○○さん、もう5年目ですよ。いい加減、帰任・後任考えないと。」と人事は責任者と協議をするのですが…。
その② 対象者が余人をもって代えがたい人材である
現地での対象者のパフォーマンスが良好であるほど、現地でのスタッフとの人脈や社外との人脈が太く慣ればなるほど、要となっていればいるほど日本側は対象者のことを日本に帰し辛いと感じるようになります。
替えを送ったとしても、その人と同じような成果は期待できず、短期的には交代させることでマイナスが発生するだろうと考えるためです。
もちろん、一時的に二人置いて引き継ぎの期間を設けるというのもありますが、後任は後任で対象者とは異なる人で同じようには行きません。対象者があまりにポジションに”ハマり”すぎて抜くに抜けないという状態です。
その③ 三国間転勤(他国間の転勤)
日本側の人材不足もこの三国間転勤に影響を与えていますが、次の赴任先がまた別の国外の地域…なんてこともあります。
例えば、東南アジアに赴任していたがそこから次は中東行きを命ぜられたなんてケースです。
こうなると、東南アジアで4年、中東で4年と過ごすだけであっというまに8年も海外赴任ということになり長期化につながるケースです。
その④ 日本側でのポジションがない
そんなことで?と思われるかもしれませんが、そんなこともあります。
この理由ひとつでどれほど長期化するのか?というのはありますが、日本側でその対象者の人事を検討するという点でこのせいで数ヶ月、場合によっては半年・1年の差が出てもおかしくありません。
具体的にどのようなケースかというと、日本側で課長を現地のDepartment Managerに送り込み、日本側でも職位は部長へ昇進させた。
現地での活躍もめざましく、現地でさらに上のポジションに上げて、日本側の取り扱いも本部長にした。さて…日本に返したいが、日本側の本部長ポジションは全て埋まっている。
帰ってきた後のポジションが用意できない。なんてケースです。そもそも「その① 人材不足」で後任速やかに出せない状況であったり、これに他の要因も相まって長期化につながるなんてケースもあります。
その⑥ 対象者の強い希望
会社として気にするのは、”本人の希望”もあります。海外という特殊な性質上、本人の希望ばかりを聞いていつまでも駐在させるわけには行きませんが少なからず、”まだ居たい”という人に対しては会社としてはそれに耳を傾けています。
海外駐在・出向期間、長過ぎる!日本に帰りたい場合は?
もちろん、日本側に帰りたいという話を強くするというのはありですが、そんなに直ぐに色良い返事をくれるとも限りません。
最終的に取りうる対応は、「転職」になります。
実際、いち人事として海外に居ながらも転職活動をしている人にはわずかながら定期的に出会います。今となっては、面接をオンラインで完結させることもできるため非常に海外からの転職のハードルも低くなってきています。
海外からの転職活動にあたっておすすめのエージェントを以下にご紹介します。(いち人事としてこれらのエージェントを経由して海外駐在中の方とも面接をしたことがあります。)
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さいごに
海外駐在・出向の期間は個人の人生に大きな影響を与えます。そのため、みなさん気になる点のひとつではないかと思います。
実際、個人のライフイベント、交際、結婚、出産等々と海外駐在というのはなかなか相性が悪く、海外駐在中は”ライフ”が止まっているような状態になる人も少なくありません。
しっかりと、自分の人生設計とも擦り合わせて海外の駐在期間とうまく折り合いをつけていく必要があります。本記事がみなさんの何らかの参考になりましたら幸いです。
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