海外駐在・出向|家族帯同の時期・タイミングはいつ?同時赴任も出来る?

さぁ!海外赴任するぞ!家族も帯同するぞ!となった際、途端に気になる、「一体いつ帯同が叶うのか?」こちらについて、これまで、何十人もの方々の海外赴任を見送ってきた”いち人事”として本件について見解をご紹介したいと思います。

・いつ頃家族を呼べるだろう?いつ頃がいいのだろう?と考えている赴任者の方
・一体いつ現地に行けるのだろう?と考えているそのご家族の方

是非、ご参考になれば幸いです。

関連記事

海外赴任を命じられたけど、「単身で行くか・帯同で行くか?」これは家族がいる会社員にとって非常に大きなテーマであると考えます。命じられた”あなた”自身にとっても大きいですし、何よりも家族にとっても大きなテーマとなります。配偶者が働いて[…]

尚、企業によって前提・規則はさまざまですのでその点ご承知の上、読み進めて頂ければと思います。

海外駐在・出向、家族帯同の時期・タイミングは?

概ね2ヶ月~半年!

海外駐在において家族を帯同するタイミングは概ね、従業員が現地に赴任してから2ヶ月~半年程度がボリュームゾーンと考えます。

わずかながら、同時赴任を実現させていった方や、家族の都合で半年以上の後でひきまとめをされた方ももちろんいます。

注意点は、引きまとめ時期は会社が定めている可能性もあるという点です。従業員が赴任して1ヶ月以降なり、2ヶ月以降、場合によっては半年以降に帯同可としている企業もあります。

海外駐在・出向、家族帯同の時期・タイミングは何故後になる?

一般的には、前述の通り、従業員本人が赴任してから2~6ヶ月程度での家族帯同(ひきまとめ)となります。この理由は、想像がついている方は非常に多いのではないかと思いますが、大きくわけて4つとなります。もちろん、企業・状況によって影響してくる”理由”はさまざまとなります。

理由① 生活立上げの関係

海外赴任者が現地に着任すると、まず最初の1ヶ月~2ヶ月程度は業務はもちろんですが、生活を立ち上げるというところも主要なミッションの一つとなります。この生活をまず立上げなければ家族はよべないよね、というのが企業としての見方になりますし、赴任者本人も少なからず感じるところかと思います。

具体的には、まずは現地での所謂、役所関係の手続きです。現地での居住者としての登録を行う必要があります。そして、次に銀行口座の開設です。現地での給与支給を受けるために必要な現地での口座を開きます。そして…場合によっては並行して、住居探しをする必要もあります。会社があらかじめ準備しておいてくれる、なんてこともありますが、現地に行ってから赴任者本人が探す、という運用をしているところもあります。そうなると、これら生活立ち上げだけで1~2ヶ月かかってしまうことは想像に難く無いと考えます。

理由② 業務立上げの関係

当然、業務にも少なからず慣れてもらう必要があります。海外、英語での業務に慣れている人ならいざしらず、初めて海外赴任を行う場合は、生活立ち上げに・業務立ち上げ、この両方を行う必要があります。赴任後の最初の1・2週間は手続き関係に主眼が置かれるかもしれませんが、それは仕事ではありません。当然、業務を徐々に進めていく必要があります。その業務に慣れてから、家族をひきまとめる余裕がやっと出てくるだろうというものです。

何より、家族が来たら、今度はそれこそ最初の1・2ヶ月は今度は家族の生活立ち上げサポートを赴任者が行なっていく必要もありますので、最初のうちに、自身の生活に加え、業務もしっかりと立ち上がっていただいておくことが期待されています。

理由③ VISAの関係

生活・業務立ち上げという観点のほかに、そもそもVISAの手続きの関係上という観点もあります。まずは、赴任者本人の就労VISAがおりてから、次に家族のVISAを取得するという順番になっていることも多いです。そのため、そもそも手続きの都合上、バラバラでの赴任にならざるを得ないなんてケースがあります。

もちろん、すべての国がそうではなく、国によっては最初から家族全員分のVISAが取得出来たり、家族はまずは観光VISAなりその他のVISAで入国後、切り替えを行なったりで、テクニカルに早いタイミングで帯同を実現させられることもあります。

理由④ 会社規定の関係

企業によっては、理由①・②などを理由にしてそもそも会社の規則として同時赴任は認めず、数ヶ月遅らせること、としているところもあります。赴任者本人が赴任後に住居を探す様な運用をしている場合、家族同時赴任を許すと、家族全員分のホテル費用を会社が負担しなければならない等、企業負担も多いというコスト面での理由もあると考えます。

何にしても、「赴任する従業員本人がしっかりと現地の環境に適応してから家族をよびましょう」という意図が含まれています。

海外駐在・出向、家族帯同の時期・タイミングはいつなら可能?

何よりも、前提となる会社の規則確認はマスト

手続き・準備的な話ももちろんありますが、繰り返し人なりますが、その他に先立つのは会社の規則です。ご紹介してきた通り、そもそも「同時赴任」は認めていない企業もあるでしょう。

まずは、その会社が許すタイミングを把握するということが大前提となります。

もし、明確に定められていない場合は、逆に運用ベースで、ケースバイケースで判断がされているとも考えますので、赴任者本人と会社の合意形成が重要になってきます。

海外駐在・出向、同時赴任は可能?

条件・事前準備が整わない限り難しい

さて…もしかしたら真っ先にふと思うかもしれないのがこちら、「一緒のタイミングで行けるんだよね?」という話です。そもそも、企業によっては同時赴任を認めないところもありますが、同時赴任を許している企業もあります。

そして、会社が許したとしても、これまでご紹介してきた通り、生活拠点の立ち上げやVISAをクリアしないと同時に赴任するということは事実上出来ないわけです。

確かに、住まいについては最初からホテルアパートメントに入るなんて選択肢もあるかもしれません。もしかしたら、前任者からの引き継ぎが可能な物件があるかもしれません。VISAも入国後の手続きでなんとかなるかもしれません。ただ、企業によってはホテルアパートメントなんてとんでもない、会社は負担できません。なんて話もあるかもしれません。

企業も承知してくれて、現実的に実現可能な際に同時赴任が叶う、ということになります。

海外駐在・出向、1ヶ月での家族引きまとめは可能?

同時赴任と同じくらい難易度は高い

同時赴任が出来ないということは、つまり、赴任者本人が現地に行ってから、住居にせよVISAにせよ準備を整える必要があるということに他ならないのではと考えます。これらの準備が1ヶ月で終わるかどうか…と言われるとそれは極めて難しいのではなかろうか、というのがいち人事の見解です。

例えば、住まいを探す必要がある、となった瞬間、みなさんも1ヶ月では終わらないな…と感覚的にわかっていただけるのではないでしょうか?スピード感としては赴任直後、すぐにでも不動産をいくつかピックアップして見学に行って、当日にでも決めないといけません。企業が契約してくれるなら良いですが、個人で契約する場合、そもそもレジデンスの手続きが終わっていないと契約が結べない可能性等細かいことを考えるとやはり1ヶ月も厳しいと言わざるを得ません。

海外駐在・出向、2ヶ月での家族引まとめは可能?

赴任者本人の気合いと現地スタッフの気合い次第

規定上許されている場合、2ヶ月での家族引まとめは少し”め”が出てくるのではと考えます。最初の1ヶ月で全ての準備ができれば2ヶ月経った後の3ヶ月目に家族をよんでいる、なんて状態が実現出来るかもしれません。全ては赴任直後の1ヶ月目での準備にかかっています。

最初の1ヶ月で目処をつけ、2ヶ月目で生活環境を立ち上げる。日本側では1ヶ月目・2ヶ月目にかけて現地状況を踏まえながら実際のひきまとめ日を睨み、引越しの準備を段取る。ということになります。

海外駐在・出向、3~4ヶ月での家族引まとめは可能?

現実的にみて可能な時期

いち人事的感覚では3~4ヶ月が現実的にみてひきまとめが十分に可能なタイミングと考えます。赴任者本人が現地の生活・業務立ち上げに十分な時間をとれるためです。

その上で、残された家族側も並行して十分に赴任に向けた準備を整えられる、そんないいあんばい感が3~4ヶ月にはあると考えます。

とは言っても、もたもたしているとあっという間に時間は過ぎますので、赴任直後から、赴任者本人は現地での手続き・立ち上げを速やかにたんたんとこなし、残された家族は帯同日に向けた荷物の整理や、その日に向けての手続きを粛々と進めていくことが必要不可欠です。

海外駐在・出向、5~6ヶ月での家族引まとめは可能?

余裕を持って十分可能

むしろ、6ヶ月にもなると「ゆっくり引まとめましたね?」と思われるくらいの時期感になってきます。赴任者本人の生活・業務立ち上げも十分にできた後に、余裕をもって家族をひきまとめることになります。

単身赴任期間が長くなることで、家族と離れていることの寂しさがつのったり、もしかしたら、残された家族、特に配偶者のワンオペ負担もだいぶ重く、疲れも溜まっている状態になってしまうかもしれません。その様な観点で、現地の手続き・立ち上げ的には十分でも、逆に、残してきた家族という観点では家庭によっては半年は長すぎる…もっと早くに帯同を実現したい、とすら思うのがこの5~6ヶ月ではなかろうかと考えます。

海外駐在・出向、家族帯同の時期・タイミングの考え方は?

その① 兎に角、会社規定上の最速を行く

兎にも角にも、早く一緒に赴任したいという場合は最速を行くと言うのも考え方の一つです。あらゆる手段を使って手続き・準備を前倒し出来る可能性を模索します。例えば…もし、赴任者自身が住居を決める必要がある際、向こうに行ってから住居探しをするのではなく、現地と連携し直接物件を見るのは諦め、写真等のみで赴任前に住居はもう見定めてしまう、なんてこともできうるかもしれません。会社によっては、赴任先への事前出張などもアレンジしてくれる可能性が、ありますので、その際に住居を決めてしまう、なんてことも出来るかもしれません。

ただ、会社の規定ありきですので、それが家族の帯同は「半年以降」となっていれば…それに従うことをお勧めします。

その② 子供の学校(学期)に合わせる

小学生などの子供がいる家庭に大きい考え方の一つは子供の学校の時期です。日本の学校の卒業式や学期の終わりを狙って赴任タイミングを設定する、なんて話はよく聞きます。現地の日本人学校への入学を予定しているならばそれもスムーズに行くかと考えます。逆に現地の学校・園の入学時期タイミングに合わせる、なんてケースも聞きます。

その③ 配偶者の休職・退職タイミングに合わせる

もし、配偶者が働いていたら配偶者が仕事を休職出来る・退職できるそのタイミングに合わせて家族を帯同する、なんてこともケースとしてあります。一般的に、赴任する従業員本人が海外赴任の示達を受けるのは異動日の3ヶ月前と言われています。ここから、すぐに家庭内で話がつけば良いですが、単身赴任か家族帯同か…なんてことを考えているうちにあれよあれよと時間は過ぎます。そして、配偶者が仕事を外れられるタイミングはなんだかんだで、その従業員の赴任後の2~3ヶ月後なんてこともよく聞きます。

その⑤ 赴任先の季節・気候で決める

赴任先によっては、”暑い””寒い”などが日本と比べて極端に異なることも往々にしてあります。変化が大きければ大きいほどストレスも大きく、何かと体調も崩しやすくなります。安全・安心した生活スタートを切るという観点で、帯同タイミングを”良い時期”にするという対応をとる方もいます。極端にずれずに、1・2ヶ月ずらすことで実現ができるなら勘案してみることもおすすめです。

例えば…中東などの地域はピーク時は45度を超える猛暑だったりします。最初からその様な環境かに飛び込むのではなく1・2ヶ月ずらすことでより過ごしやすい気候から生活をスタートできる、なんて場合は一考の余地ありかもしれません。逆もしかりで、北欧などの場合に、寒さのピーク時の1~3月に帯同するのではなく、4月くらいを狙う、なんてイメージになります。

その⑥ とりあえず、ゆとりを持って決める

海外赴任において家族帯同と言うのはかなり労力がかかります。それは赴任者が現地で色々生活立ち上げに業務立ち上げにという話はもちろんなのですが、実は、日本に残された側の家族の方が大変です。家族で赴任にあたっては、持ち家であれば持ち家をどうする、車を所有していれば車はどうする…という大きな話があります。また、全ての荷物を仕分けし、必要なものはトランクルームへ、いらないものは処分、持っていくものは航空便・船便に分けてパッキングして業者に渡すなんて、とにかく、大変な海外への引越し対応もあります。そのため、焦らずゆとりをもって決めるという家庭もあります。

さいごに

せっかく行くのだから、できるだけ早く家族を引きまとめたいと思う赴任者の方、そして、できるだけ早く行きたいと思うご家族の方が多いのではないでしょうか?何度かの海外駐在を家族帯同でしてきた慣れた方はさておき、もし、初めての海外赴任の場合は、それだけで思った以上に大変…ということに今後遭遇していくことになりますので、その点も含めて段取りを進めていただくのが良いと考えます。

では、皆様の駐在先でのご多幸を祈念し以上といたします。

関連記事

海外赴任を命じられたけど、「単身で行くか・帯同で行くか?」これは家族がいる会社員にとって非常に大きなテーマであると考えます。命じられた”あなた”自身にとっても大きいですし、何よりも家族にとっても大きなテーマとなります。配偶者が働いて[…]