海外駐在・出向|単身赴任か家族帯同か?それぞれのメリット・デメリットは?

海外赴任を命じられたけど、「単身で行くか・帯同で行くか?」これは家族がいる会社員にとって非常に大きなテーマであると考えます。命じられた”あなた”自身にとっても大きいですし、何よりも家族にとっても大きなテーマとなります。配偶者が働いていれば配偶者のキャリアはどうなる?子供がいれば子供の教育は?等々考え出すとキリがありません。

さて…ここでは、いち人事として、そして二度の海外駐在・出向の経験者として「単身赴任か家族帯同か、それぞれのメリット・デメリット」についてのいくつかの切り口でご紹介をしたいと思います。

目次

海外駐在・出向、単身赴任か家族帯同か?そもそも赴任形態って?

確かに、海外赴任の形態は主に、一人(単身)で行くか、家族と行くかではありますが、細分化すると実はその二つの他にもパターンがあります。このパターンにもしかしたら、ご家庭の状況によっては意外と”アリ”かもと思えるものもあるかもしれません。

形態① 単身赴任

いわずもがな、赴任者本人が単身で現地に行き、家族は国内に残していくのが”単身赴任”です。一言で単身赴任と言っても内情は様々で、単身赴任をしている間、家族は実家に身を寄せている場合や、これまで住んでいたところに住み続けている場合など、家庭によって国内の残る家族がどこに残るのかという点で実はその中身も異なります。

形態② 家族帯同(全員)

一般的に、家族帯同というときは家族全員を現地に連れていくということをさしているケースが多いです。しかしながら、後述しますが、その中は実は一部帯同と全員帯同に分かれます。赴任形態の二つ目はこの、家族全員を帯同するというパターンです。家族が、配偶者のみというケースや、子供が小さい家庭の方々に多くみられます。

形態③ 家族帯同(一部)

家族の人数・年齢・状況にもよりここには様々なパターンがあります。子供が大学生等大きい場合、子供は日本に残し赴任者とその配偶者の帯同で海外赴任を行うケース。子供が複数いて一人は大学生で他はまだ、高校・中学生等の場合に上の子は日本に残し、その他の家族を帯同して赴任する様なケース。そして、レアながら配偶者は帯同せずに、赴任者が子供だけを帯同して海外に赴任するケース。

と、多くはないものの、家族の一部を帯同するという選択肢もあります。

海外駐在・出向、単身赴任か家族帯同か?考慮すべき要素は?

様々な考慮すべき要素がありますので、全ては網羅出来ませんが以下にご紹介します。

仕事の内容と期間

仕事の内容が現地に行っても出張が多く飛び回っている様な業務であったりすると家族を帯同しても…ということになってしまうかもしれません。期間的には仕事の期間が短期的である場合、単身赴任が適しているかもしれません。一方で、長期間にわたる赴任であれば、家族と共に行くことを検討することができます。

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赴任先の環境(治安・天候・文化等)

赴任先の国や都市の安全性、健康状況、文化的な要素などを考慮します。これらの要素が家族にとって適しているかどうか確認することは必要不可欠です。特にインドやアフリカなど治安に不安があるところでは家族をひきまとめない決断をした方も多くいました。(もちろん、連れてきている方もいました。)

日本人コミュニティの有無

大抵のところは、日本人コミュニティがあるハズです。しかしながら、国によっては法人の数が1000人に満たない国も多くあります。この様な場合、その1000人のうち6割〜7割くらいは、駐在者と思って良いと考えます。他にも、現地で働いている現地採用の日本人、現地の人と結婚して現地に住んでいる日本人、等々まで考慮すると、「駐在者の家族」が想像以上に少ない国・地域もあります。

”家族”でいった場合に、子供の年齢に近い日本人のこともはほとんどいない、なんて状況もあります。もちろん配偶者もそうです。年齢が近いをどう捉えるかは、それぞれですが、自身と同世代はいても、同じ年齢はもしかしたらいないかもしれない、くらいを思っていただく必要はあるかもしれません。

子供の教育機会

子供がいる場合、赴任先の教育機会や学校の質を確認し、子供たちにどんな教育を与えることが出来るのか考慮することも必要です。国によっては日本人学校が無い等子供にとっても大きな変化になる可能性もあります。この様な場合、現地校に入れるのか、現地のインターナショナルスクールに入れるのか?等も課題になってきます。現地の公用語が英語でない場合は、おそらく現地校という選択肢はなく、インターナショナルスクール一択になるのではないかと考えます。

子供の年齢

教育機会もそうですが、子供の年齢も帯同するかどうかにあたっては一考する必要がある要素の一つとなります。とある調査によると、海外駐在において家族を帯同したかどうかは、子供の年齢が小さいほど割合は高くなり、子供の年齢が高いほど単身で行くケースが多いという結果があります。子供の年齢が高ければ、受験のタイミングや子供の意思などさらなる多くの勘案しなければならない要素があります。

言語の問題

赴任先の言語が異なる場合…と言っても日本語を話す国は日本しかないので、国外である以上は他言語になるわけですが、家族がその言語に対応できるかどうかを考える必要もあります。会社から語学学習の補助はでるのか?家族は言語習得に前向きか?等々、教育や生活のコミュニケーションが円滑に行っていけそうかどうかを考える必要があります。特に注意したいケースは、会社は英語環境だが、生活面では英語が通じないなんてケースです。その場合、実際に生活を送る家族には大きな負担になります。

配偶者のキャリア停滞・中断

配偶者が仕事を持っている場合、そのキャリアに対する影響も考える必要があります。(赴任先で配偶者も働く…というケースは個人的にはほとんど目にしたことがありません。)よくよく配偶者とも相談して決める必要があります。会社によっては従業員の夫ないし妻が海外駐在へ…という際に、休職が取れるような制度を整えている会社もありますのでその点も含めて考えると良いです。

健康面・医療サービス

赴任先の医療サービスや保健制度を確認し、緊急時にどれだけサポートが得られるかを考慮します。先進国ならいざ知らず、東南アジアやアフリカ等まだまだ多くの国では医療水準が日本よりも劣っています。もし、家族が持病を持っていたりするのであれば慎重に検討する必要がります。持病がしっかりと現地でも継続的にケア出来るのか?日本に一時帰国する都度の治療でなんとかなるのか?等しっかりと見定める必要があります。

生活負担等様々なコスト

家族を連れていく場合、生活費や住宅費、子供の学費などが増える可能性があります。前述したように、日本人学校が無い場合は現地のインターナショナルスクールに入れる必要があります。会社が全額補助してくれるなら良いですが、一部補助の場合支出が増える可能性もあります。他にも、物価が高い場合は家族全員の生活費が当然日本以上にかかり、もしかしたら想像以上の負担になる可能性もあります。これらの費用を計算し、家族との生活にどれだけの負担がかかるかを確認する必要もあります。

心情的・感情的な側面

家族との離れ離れになることの心情的な影響を考えます。家族との結びつきやサポートが大切であれば、一緒に行くことを検討するでしょう。これは、赴任する当人だけのことではなく、配偶者、子供も含めてとなります。当人は単身で行きたいと思っていても、子供は行って欲しくないと強く思っているかもしれません。しっかりとコミュニケーションを取り出来る限り家族全員が納得し前を向けるようにしていく必要があります。

これらの要素を総合的に考慮して、単身赴任か家族と一緒に赴任するかを検討し、最適な選択をすると良いでしょう。また、会社や上司、すでに現地に家族帯同で行っている駐在者がいればその方々とも相談し、サポートやアドバイスを受けることも重要です。

海外駐在・出向、単身赴任・家族帯同の割合は?みんなはどうしている?

考えなければならない要素、そして後述するメリット・デメリットに加えて、こちら、そもそも他の人たちはどうしているのだろう?という話も気になる情報の一つと考えます。とても古いデータにはなりますが、以下の様に、単身赴任・家族帯同の割合は、なんと・・・

全員帯同した人は約5割

との調査結果が出ています。これに一部帯同(配偶者のみや子供のみ)等も合わせると、なんと6割ほどの人が家族を帯同した結果になっています。

「全員帯同」が 49.7%と最も高い。これまでの調査と比較してみると、「単身赴任」の割 合が一貫して増加している。また、アジアでは「単身赴任」の割合が高く、とくに中国にお いては半数を占めていた。そして単身赴任の理由においても、他の地域では「子供の教育」 問題が第1位であったのに対し、中国では「家族が海外での生活を希望しないため」が第 1 位になっており、他の地域とはやや異なった事情がうかがわれた。年齢階層別では、「全員帯同」の割合が、30~44 歳で 7 割を超えて高く、その後年齢の上昇と共に低下し、それに代わって「単身赴任」が増加していた。 

独立行政法人 労働政策研究・研修機構
JILPT 調査シリーズ No.40  2008年3月
第7回 海外派遣勤務者の職業と生活に関する調査結果 より引用

ただ、引用の通り、年齢、赴任先の国、教育環境等様々な要因によって実際の家族帯同・単身赴任のいずれかになっている様子です。いち人事としてこれまで見聞きしてきた経験からするとインドや中東は単身赴任が多く、北米や欧州等は帯同が多いという印象です。また、いち人事個人の感覚では帯同割合は3〜4割かな…という感覚でしたのでこの結果には驚きです。

海外駐在・出向、単身赴任のメリット

その① 業務へより集中出来る状態になる

単身赴任をしていることで業務により専念をすることができます。これはいち人事としても間違いなくそうでした。家族帯同をした際ですが、通常、”あなた”以上に家族は海外に不慣れで、当面の間はサポートが必要だったりもします。そうなると、仕事だけでなく家族のケアにも力を注ぐ必要が出るため、仕事に完全に集中しきれない状態となる可能性があります。

業務そのものへの注力だけではなく、現地スタッフとの交流や、現地の他社の日本人との交流等の人材交流にも遠慮なく集中も出来ます。

その② 自分の時間が持てる

良い側面に目を向けるなれば、家族との時間が減るデメリットはあるものの、逆に言うなれば自分の時間が持てる、ということになります。単身赴任者で良く聞く話は、海外赴任中はゴルフ三昧であったり、映画三昧であったり、飲み会だらけであったりと…とにかく自分の時間を謳歌しているという話です。遊びだけではなく、時間が持てることを活用して語学に磨きをかけたり、資格の勉強をしたりなんて姿も見られます。

その③ お金に裁量が持てる可能性

お金の管理あるあるで、所謂、日本勤務時には”お小遣い制”が取られている家庭も多いのではないかと考えます。しかし、海外赴任になると途端にその”枷”が外れるケースも良き聞きます。何故なら、日本の口座に入るお金は日本で見えていても、海外の口座に入る海外給与までは目に入らないためです。お金に余裕が出る点も合間ってか、海外給与がある程度自由にコントロールできるようになる人も一定数います。

やはり海外駐在者で、ゴルフクラブを新しくしたり、高い腕時計を買ったり、ギターを買ったり、いい車に乗っていたりと少し贅沢をしている姿を良く見かけます。

海外駐在・出向、単身赴任のデメリット・リスク

その① 何よりも寂しい(孤独)気持ちが拭えない

私個人的の感覚も大いに入りますが、単身赴任をする側の人は何よりも家族と離れて寂しい気持ちは拭いきれないでしょう。もちろん、残される側も寂しいですが、行く側は行き先によっては日本人も少なかったり、そもそも行く先の場所には日本人は自分一人だったりなんてケースもあります。とにかく、寂しいという気持ちは大きなネガティブな点と考えます。

その② 子供の成長が見られない

もちろん、家族から離れて寂しいという気持ちもありますが、子供がいればその成長を見ることが出来ないというのも大きなデメリットの一つです。特に子供が小さければ小さいほどそのデメリットを大きく感じるのではないかと考えます。小さい頃のひと月ひと月の成長はめざましく、2、3年も離れているとあっという間に大きくなっているのが子供です。そんな子供の成長を見ることができないのは大きなデメリットです。

その③ 食生活の乱れ・生活リズムの乱れによる健康悪化

独身男性の不摂生に通じるものがありますが、やはり一人でいると何かと食生活・生活リズムが乱れがちになる傾向があります。単身であるが故に日本にいた頃以上に飲み歩いて食生活が乱れたり…料理は一切せずに外食ばかりで体重が増えたり、人によっては通勤も車通勤になり日本にいた頃ほど歩くこともなくなり…と、とにかく海外に赴任することでの食生活の乱れ・生活リズムの乱れからくる心身への悪影響リスクは大きなものとなります。

その④ 家族とのコミュニケーションの減少によるすれ違いの発生

直接的なコミュニケーションが取りづらいことによる家族とのすれ違いが起こりやすくなる、これもデメリットです。赴任先によりますが、1、2時間程度の時差であればまだしも、中途半端な時差があるような地域(7時間、8時間等)だと日本の家族とも中々コミュニケーションを取りづらい状況になります。また、コミュニケーション手段も今でこそビデオ通話の活用が当たり前のようにできるようになったものの、やはりFacetoFaceでのコミュニケーションには勝らないとも考えます。

その⑤ 配偶者の家事・育児のワンオペ化による心身負担の増加

赴任する本人にとってではなく、配偶者も当然そのデメリットを被ることになります。それは、家事・育児をワンオペでこなさなければならなくなるということです。(どこまで、赴任する当人がこれまで家事・育児に積極的に関わってきたかという話もありますが…。)

”一人”で子供を育てるというのは想像以上に寂しく大変なものになります。子供が急に熱をだしたり、何かあったりした際には尚更です。一人っ子ならまだしも、兄弟・姉妹がいた際には、一人で全てを対応するのはとても実際は困難な場面もあります。

海外駐在・出向、家族帯同のメリット

その① 子供の成長・教育機会の拡大

もし、子供がいる場合に、真っ先に思うのは子供の教育機会です。今後の益々のグローバル化において、語学力は必要不可欠なものになります。しかも、言語習得はやはり大人になってからよりも子供の時にするほうが習得しやすいとも言われますので、この機会に子供に英語を覚えてもらえるのでは!なんて期待を抱くのではないでしょうか?また、語学のみならず、日本式のインプット中心の全員横並びの教育ではなく、もっとアウトプットをする機会が与えられたり、子供の自主性を育んだ教育を施してくれたり…なんて期待も膨らむのではないでしょうか?

実際に、子供の適応力は侮れず、やはり語学は堪能になる様子をいち個人としてもよく見かけます。ただ、これはこれで実は、「現地のインターナショナルスクールに通わせるか、日本人学校に通わせるか、それとも現地校か」は一大決心が必要なレベルの決断とはなります…。

その② 家族で様々な旅行・アクティビティに行ける

日本からだっていけるじゃないか、なんてのはもちろんそうなのですが、海外に家族でいるからこそ現地の中での観光もスムーズに気軽にできます。そして何より、駐在先の国の中だけではなく、その周辺国への海外旅行も日本にいる時以上に行きやすいというメリットもあります。

イギリス駐在であれはヨーロッパ各国、アメリカならアメリカ国内はもちろんカナダやメキシコ等にも行けます。中東でも比較的ヨーロッパやアフリカに出やすいです。

その③ 家族で沢山の思い出が作れる

旅行も思い出の一つではありますが、思い出は旅行だけにとどまりません。子供の学校でのイベントもそうですし、何気ないレストランでの外食もそうです。家族で現地で一緒に生活するからこそ出来るたくさんの思い出があります。誕生日、結婚記念日、入学式、卒業式…日本にいれば当然のように一緒に過ごせたかもしれないイベントに海外でも一緒に過ごせるというのはとても素敵なことではないでしょうか。

他にも現地ならではのイベントを家族で過ごすことができるのも良い思い出になるに間違いありません。インドだったらディワリ、ホーリー等の現地ならではのお祭りがありますし、アメリカなどでもイースターやハロウィーン等々様々なイベントがあります。

その④ 配偶者の負担が単身時よりも少なくなる可能性

まずもって、家族帯同で行くということは配偶者が日本でワンオペをする必要がなくなるということになります。そのため、そもそも単身時に比べて帯同時の方が配偶者の負担が軽くなるであろうことはメリットとしてあげられます。(むしろ、配偶者の負担が軽くなるかどうかは、赴任する”あなた”にかかっているわけではありますが…)

行き先によりますが、東南アジアなどの国ではメイドが安価に雇えることもあり、掃除・洗濯といった家事をアウトソースすることも出来ます。少なからず出費は増えることにはなりますが、家事の負担がグッと減ることになり、日本にいた頃と比べて圧倒的に家事へ従事する割合を減ることができる可能性もあります。

海外駐在・出向、家族帯同のデメリット・リスク

その① 配偶者のキャリア停滞・中断

もし、配偶者が企業に勤めている場合、帯同するからには休職または退職をしてもらわなければならなくなります。企業によっては、配偶者の海外赴任に伴う休職制度を整えている企業などもありますが、そのような制度がない場合は、退職してもらうしか方法がなくなります。基本的には赴任期間中ずっと帯同状態となることを考えると3~5年は職を離れることになります。

しかしながら、海外での生活がキャリアにプラスを与える可能性もあります。語学レベルの向上が日本に帰国後の強みともなりえます。

その② 生活環境の激変に伴う家族の負担増大

家族帯同で行くということは、家族全員がある程度近しい苦労を現地でするということになります。子供であれば転校・転園になりますし、配偶者もキャリアを中断し現地で友人・知人もいない中生活をスタートさせなければなりません。

家族みんな一致団結して乗り越える

ことで家族の絆もつよくなるのではないかと考えます。

その③ 支出増加の可能性

さて…チープジャパンなんて言われ方もしていますが、とにかく、昨今(2024年)の日本は世界的に見て物価が安い国になります。赴任先にもよりますが、イギリス・アメリカ等の日本よりも物価が高い国への家族帯同での赴任の場合は、支出が増える可能性をはらんでいます。

もちろん、会社は為替・生計費等も踏まえた海外給与を支払うわけではありますが、現地で考えなしにお金を使ってしまうと、月の収支が赤字になってしまうことにもなりかねません。特に食費面になりますが、当然、日本食は現地では非常に高いです。日本で100円の納豆が現地では300円・500円したりもします。調味料関係で醤油も当然日本の2倍、3倍の値段がします。家族帯同で日本と同じをめざしすぎると、支出が増大することになります。

加えて、子供の学校費用で支出が増加する可能性もあります。折角、海外駐在するのだから子供はインターナショナルスクールに入れよう…とすると思わぬ出費になりえます。ただ、これは子供への投資でもあるので、単純な消費ではありませんが。

その④ 治安への気配りのストレス

単身で行っているならいざ知らず(もちろん自身の自衛は最低限ですが)、家族帯同で行くとなると家族全員の安全を鑑みる必要があります。日本は治安がよく、母国であるため普段”治安”をそれほど気に掛けることはないかもしれませんが、海外では日本にいた時以上に、治安(安全)に気を配る必要が出てきます。この点で”ストレス”が増える可能性は否めません。

アフリカの某国などでは大使館からも「15:00以降は女性は一人で出歩かないでください。」なんて言われるほどに治安は国によってはとてつもなく大きな問題になります。そうなると、家族も行動に大きな制限がかかることとなり、日本にいる時以上のストレスと抱えることにもなりかねません。

海外駐在・出向、単身赴任か家族帯同か?どっち?決められない!いち人事の意見

単身赴任か家族帯同か…は人それぞれであり、正解はありません。

結局は家族とよくよく話し合って決める必要があります。冒頭でご紹介した様々な要素を見つつ、何を大切にして何に重点を置くのかを慎重に見極めつつ判断をするのが良いと考えます。

悩ましい…赴任前に決められない、という場合は後から決めるのもあり。

もちろん、家族帯同の制度は会社それぞれであるため会社に確認は必要ですが、家族帯同を前提にその本当の判断は赴任者が現地に行って実際に過ごしてから判断するという選択肢もありです。実際、企業によっては家族帯同・単身赴任を判断するための、家族の”下見旅費”を負担してくれる企業もあります。実際に現地の生活・環境を体感した上で判断をするということです。

それでも悩むことは多くあると考えます。そんな方にお贈りする言葉は、

案ずるより産むが易し

です。あれこれ悩みは尽きないですが家族で行きたい!と思うなら思い切って行ってみましょう!それはそれは行くまでの準備手続きは大変です。そして行ってからも大変です。しかし、その大変さはほとんどが”良い”大変さです。充実した忙しさに感じられるはずです。

そして、何より行ってダメだった!というのが許されるのが海外赴任における家族帯同の良さでもあります。(もちろん、所属会社の規則は確認してくださいね。)これが国内の転勤であったら会社はほとんどのケースでそんなことは気にしてくれません。地元に返すのはあなたの勝手でしょ?というのが通常の企業の反応と考えます。しかし、これがこと海外になると異なります。海外に家族帯同でいったが、先に家族を帰したい、これが実は通るのが海外赴任における帯同です。行ってみて、難しいなと思ったら家族は先に帰り、単身赴任もありな訳です。せっかくの貴重なチャンスです。いち個人としては、可能なのであれば家族帯同をおすすめします。

さいごに

さて、長々とご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。海外駐在において単身赴任でいくのか、帯同でいくのか。これは、家族全員が大きく関わるテーマです。一人で決めようとせずにしっかりとみんなで話し合って決めていっていただくのが良いと思います。

どちらであれ皆様の海外駐在がより良いものになるよう祈念申し上げて以上といたします。

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