就活|集団・グループ面接における合格フラグ・不合格フラグは!?

合格フラグ・不合格フラグ、集団・グループ面接に限らず通常の個人面接でもその”フラグ”は多くの候補者にとって重大な関心ごとと考えます。

そんな合格・不合格フラグについて、こちらでは特に集団・グループ面接においてはどのようなものが”フラグ”と考えられるかについていち人事としての見解をご紹介したいと思います。

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目次

【前提知識】まず初めに、集団・グループ面接とは

集団面接は…企業の採用活動における候補者の選考方法の一つとなります。候補者の数は”集団”面接ですので、最低でも2名以上となります。

多いと5、6名というケースもありますが、大体3~4名程度が適切な人数と考えられます。なお、面接官側の人数については1名~複数名と、こちらは最小1名からがあります。

※主に新卒採用において用いられることが多いですが、中途・経験者採用の場面において遭遇することは多くないと考えられます。

集団・グループ面接の人数について

これは候補者の集まり具合と日程調整等の兼ね合いから最終的に”あなた”が参加する集団面接の候補者人数は決定されます。そのため、最小2人~最大○人(企業の設定する最大数)までの幅がありえるものとなります。

【前提知識】集団・グループ面接と個人面接の違いは?

基本的に個人面接と集団・グループ面接は同じであり、違いは多くはありません。あげるとすると主に以下2点となります。

その① 他の応募者の発言中の姿勢も見られている

顕著に異なる点はこちらです。個人面接の場面とは異なり、集団・グループ面接では、他の候補者の発言中の”あなた”の”姿勢”も評価されています。

”傾聴”をしている姿勢を問われていますし、また、場合によっては他の参加者の発言をしっかり聞いているか、”あなた”なりに内容を聞いて考えているかも問われる場合があります。

面接官から「先ほどのAさんから~~~といったお話がありましたが、”あなた”はどう思われましたか?もし、”あなた”だったらどのようにしますか?」等の質問が投げかかけられることもあります。

他の人が話している最中にはしっかりとその人の話に耳を傾け、自分なりにその内容を咀嚼するということは極めて重要です。

その② ひとりあたりの時間の制約が強い

後述する企業の集団・グループ面接を行う意図からすると、面接時間を一人当たりに割り戻すとその時間は極めて短いケースが多いことが推測されます。

30~50分の面接枠に対して、応募者が4名であった場合、一人当たりの時間は大体10分前後になる、ということです。通常の個人面接であればやはり一人あたり20~30分程度は話せると考えるとその差は歴然です。

この”ひとりあたりの時間の制約が強い”ということから様々なことが言えます。例えば、しっかりと簡潔に話をまとめて述べる必要がある、逆に言うと一人でくどくど長く話すことは減点につながる等があげられます。

【前提知識】集団・グループ面接をする企業の目的は?

集団・グループ面接は、

・本来であれば個人面接にしたいところ、応募者が多い中出来るだけ多くの候補者と会いたい・話がしたい。
・書類だけで落とすのは忍びない、もしかしたら良い候補者もいるかもしれないから、少しでも多くの人に会って話したい。

等々の思いから設けられているのではないかと考えられます。この思いを達成するために、行われるのが、「効率的に選考を行うことが出来る集団・グループ面接」となるわけです。

さて、個人面接が出来るそのキャパシティというのはある程度企業のそのマンパワーや採用にさける労力から決まっています。

そのため、個人面接が出来る人数まで”絞る”ことも目的の一つとしてあると考えられます。つまり、集団・グループ面接はより多くの候補者に会う・話すための面接である一方、落とすための面接とも言えます。

落とすための面接…ということは候補者が企業における最低限の基準を満たしているかどうかを短時間で端的に判断するということになります。

参考例:

例えば1000人のエントリーに対して、企業がどのように採用選考を行うのか?ということになります。

①1000人の書類選考を行い、1次選考(個人面接)に200人、2次選考(個人面接)に100人、最終選考(個人面接)に50人、そして最終的に25人に合格を出す。

②1000人の書類選考を行い、1次選考(集団・グループ面接)に500人、2次選考(個人面接)に100人、最終選考(個人面接)に50人、そして最終的に25人に合格を出す。

採用選考プロセスの設計は企業によって様々ということです。前者と後者の違いは結果は同じであれ、書類選考の通過率が全く異なるのと、同時に1次選考の通過率も大きく異なることとなります。

そもそも、合格フラグ・不合格フラグとは?

さて、本題に入る前に、合格フラグ・不合格フラグの意味合いの共有からいたします。

フラグとは元々の意味は英語の「Flag(旗)」・プログラミングにおける条件判定を示す変数のことを言います。

○○フラグという言葉は多くあり、合格フラグ・不合格フラグの他にも、死亡フラグ(物語の登場人物が死ぬことが予測されること)やその対をなす生存フラグ、そして、勝ちフラグ・負けフラグ等さまざまな表現があります。

ある特定の条件を満たした場合に、合格となる・不合格となるのではなかろうか、と言った…その条件が合格フラグ・不合格フラグと呼ばれるものになります。

個人面接における合格フラグ・不合格フラグとは?

その信憑性・確度はさておき、個人面接でよく言われる合格・不合格フラグとしては以下のようなものがあげられます。

個人面接での合格フラグ(参考)

・面接時間が長い(面接時間がオーバーする)。
・他社の選考状況について詳細に確認を受ける。
・次の面接のアドバイスがある。
・自社に合っていると言われる。

等々

個人面接での不合格フラグ(参考)

・面接時間が短い。
・面接官がメモを取らない。
・逆質問の機会がない。
・質問が定型的なものにとどまる。

等々

集団・グループ面接における合格フラグ・不合格フラグは個人面接とは異なり主に他の候補者との比較の中でそうと受け取れるような面接官の言動・行動から現れるものと考えます。

※”フラグ”はあくまで目安、参考に過ぎず、合格を保証するものでもなく、不合格を確定するものでもありません。

集団・グループ面接における合格フラグとは?

他の候補者よりも面接官が”あなた”により興味を持っていると言える兆候が合格フラグと言ってよいと考えられます。

その① 他の候補者よりも詳しく他社の選考状況の確認を受けた

人材の確保のためにはスピード感が大切な要素のひとつです。そのため、もし”欲しい”と思った人材である場合、企業は他社の選考状況を強く気にかけます。

なぜなら、どの程度早く次の選考調整の対応をする必要があるかを見極める必要があるためです。そして、そのためには詳細な他社の選考状況の確認が必須となります。

もし、特定の候補者(”あなた”)が他の候補者と比べて他社の選考状況を詳しく確認を受けた場合、”合格(通過)”の可能性は高まるのではないかと考えます。

その② 他の候補者よりも自身の発言が一番メモを取られている

合格フラグと言えるほど強いフラグでは無いかもしれません。なぜなら、面接官の記憶にある限りメモは後から加筆・修正が可能なものとなるためです。

面接の場では、一見特定の候補者のメモを多く取っていたように見えるかもしれませんが、必ずしも”発言者”のメモをとっているとも限らないため判別は難しいとも言えます。

しかし、”メモを取っている”というのは基本的には、”情報として残したい”ためです。”情報として残したい”のは基本的に集団・グループ面接を通過として次の面接に進める候補者の情報を残して、次の面接官にしっかりと引き継ぎたい、というのが要素の一つとして考えられます。

もし、明らかに”あなた”のメモが多く、熱心に取られている場合、合格への期待はやや高まります。

その③ 他の候補者よりも自分への質問(深掘り)・時間が多い

質問が多い・時間が多いということはそれだけ、面接官から注意深くみられているいると言うことに他なりません。もちろん、この場合、良い意味でみられている場合と悪い意味で見られている場合の2パターンがありえますが…。

ただ、言えることは、質問が多い・時間が多いということは面接官がその候補者(”あなた”)のことをしっかりと見極める対象としてみているということです。

つまり、その時点、少なくともボーダーライン以上のポジションにいるということとも言えます。ある種、合格フラグとも言える側面があります。ただし、それをものに出来るかどうかは当然候補者(”あなた”)次第ということになります。

集団・グループ面接における不合格フラグとは?

その① 他の候補者に比べ自分の発言への”相槌”が少ない

”相槌”はさまざまな意味が含まれていますが、やはり、”相槌”が示すものは”同感・同意””あなたの話を聞いていますよ””あなたの話に興味があります”ということになります。

そのため、この面接官の”相槌”が他の人と比べて自分の発言に対しては相対的に少ない…という場合それは、面接官がその候補者に対して関心が薄いのではないかということが推測されます。

関心が薄いと…不合格になる可能性が高いのではないかと考えられます。

その② 他の候補者に比べ自分への深掘り質問・質疑時間が少ない

集団・グループ面接において、深掘り質問は時間の関係上なかなか多くは出来ない…という都合はありますが、深掘り質問はその人をより良く知るための質問となります。

前述の、合格フラグとは逆に、もし特定の候補者(”あなた”)への深掘り質問が少なかったり、質疑時間が少なかったりした場合、それは不合格フラグと言えます。

可能性として、少ない質問・少ない時間でその候補者(”あなた”)の合格が判断できたため、結果的に相対的に他の候補者と比べ質問・時間が少なくなったと言うことも言えないわけではありません。

その③ 他の候補者に比べ自分への質問が”表面的””薄っぺらい”

言い換えるならば、”定番の質問しかされない”ということとも言えます。

面接官がもし”あなた”に興味を持っている場合は定番の質問に加えて、前述の深掘りをするような質問はもちろんのこと、そのほかにも人柄をより詳しく知るような質問を投げかけてくると考えられるためです。

定番の質問はいわゆる全体に投げかけられるような、志望動機、自己PR、ガクチカと言った、”あるあるの質問”です。

薄っぺらい質問とは、人物評価につながりづらい質問、例えば「趣味はなんですか?」「学生時代の部活は?」「アルバイトは何かしていましたか?」といった単発の質問となります。

面接官がとりあえず何か質問をしなければ…という意識からしている可能性があり、やはり、不合格のフラグとして考えられます。

その④ 面接官に自分の話を途中で遮られた

これは、候補者(”あなた”)がやらかしてしまったという場合に起こります。集団・グループ面接では一度に複数の候補者の面接を行うためひとりあたりの時間は限られています。

にもかかわらず、特定の候補者が長々と話してしまった場合…他の候補者の質疑時間を奪ってしまうことになります。あまりに目に余る場合は、面接官は、それとなく…またははっきりと介入してきます。

候補者(”あなた”)が話している最中に「なるほど…そうなんですね。わかりました、回答ありがとうございます。さて、では続いて…」と話の途中で遮ってくるでしょう。

集団・グループ面接における不合格フラグ、候補者(”あなた”)自らが立てている可能性も…

候補者(”あなた”)側から見た際の面接官の発言・行動からの不合格フラグは前項の通りですが…候補者の発言・行動にも不合格フラグ(条件)が潜んでいます。

以下でご紹介するような行動・言動はまさに、自ら不合格となるフラグを立てまくっていることになります。

言い換えれば、集団・グループ面接におけるNG発言・行動とも言えます。

その① 他の候補者を批判・否定する発言

「先ほどAさんが~~とおっしゃいましたが、私はそれは完全に間違っていると思います…なぜなら…」

と頭ごなしに他者の発言を批判・否定するのは不合格フラグを自ら立てにいっている行動のひとつです。否定から入るコミュニケーションは非常に悪い対応です。

そのため、発言の節々に”否定的”なものが見受けられる場合、面接官はそれを快く思っていません。思っていないどころが、むしろ、最終的には「自社に不適格」とすら判断することになります。

その② 他の候補者と比べて自身の優秀さをアピールする発言

他者の批判・否定をすることと同等ないしそれ以上に悪手で、自ら不合格フラグを立てる代表的な行動はこちら、”他の候補者と比べて自身の優秀さをアピールすること”です。

「先ほど、AさんはTOEIC760とおっしゃっていましたが、私は英語力向上のためひとつの指標としてTOEIC900取得に向けて力を入れて取り組みました…(中略)…結果、930を取得することが出来ました。…(略)…。」

事実を言えば良いのであって、わざわざ他の候補者を貶めるような発言をすることは面接官の心象を悪くします。このような発言は”不合格フラグ”をわざわざ自らたてていることになります。

※比べることは勝手に面接官が行ってくれますので、候補者(”あなた”)自らが行う必要はありません。

その③ 被っていることを恐れエピソードを変えてしまう行動

集団・グループ面接ではいくつかの質問は、参加者全員に平等に投げかけれます。代表的なものは、自己紹介・志望動機・学生時代に力を入れて取り組んだこと・自己PR等です。

例えば、ガクチカが前の発言者と内容が重複してしまった場合…焦る人もいるでしょう。そして、その内容の被りを気にするがあまり、急所話す内容を用意してきたものから変えてしまうことは不合格につながるリスクが高まってしまいます。(それが功を奏する可能性もゼロでありませんが。)

急ごしらえしたエピソードはうまく整理して話せない可能性もあります、たどたどしい、纏まっていない、何を伝えたいかがわからない等々が目立ってしまう…そうなってしまうと不合格の可能性が高まってしまうということになります。

その④ 他者の発言中に上の空な態度

自分のことでいっぱいいっぱいで他の人が発言している最中に、自分は一体何と回答しよう…と頭を悩ませているかもしれません。

しかし、それをあからさまに他の候補者の発言中におこなってしまうのは不合格フラグを自らが立ていることに他なりません。集団・グループ面接では他者の発言中の姿勢についても面接官から確認・評価を受けています。

他者の発言中に下を俯いていたり、話を聞いておらずどこか上の空だったり…そんな姿勢が面接官から見えた場合は、参加意欲を疑われ、また、コミュニケーションスキル(傾聴力)・協調性なしと判断され、落とされる可能性が高まります。

集団・グループ面接における合格・不合格フラグ…合否は”フラグ”で決まるものではない

そもそも、採用選考の合否の基本的な考え方は?

しっかりした企業になればなるほど、採用選考プロセスもしっかりを整備されています。そこには、評価項目及びその評価基準も定義されています。

それらを面接を通じて判定し、最終的な合否を決定することになります。エントリーシートも面接も、企業側が”あなた”のことを知る・評価するために行われているものです。

”あなた”が自社の人材要件を満たしているかどうか、自社にマッチするかどうか、を判断するために行われています。(もちろん、”あなた”が企業を見定める場であるという逆の意味あります。)

主に企業から見られているのは以下です。
・人材要件を満たしているかどうか
・コンピテンシーを発揮しているかどうか
・知的能力(言語・計数・英語等)が最低限以上か

そして、
・再現性
・難易度&実績
です。

人材要件とは

端的に言うと、企業が求める人材象を明確化したものになります。企業が企業ごとに独自に設定しているものとなります。「企業が求める人材像」というとわかりやすいかもしれません。平たく言うと

・主体性
・外向性
・柔軟性
・協調性

等々になるわけですが、これを企業がそれぞれ企業ごとに定義し、明文化しているものが、人材要件です。

外部に向けて表現されている形としては「求める人材像」がこれにあたります。

コンピテンシーとは

コンピテンシーとは行動特性のことをさします。優秀者に共通して見られる行動の特性で、自社で活躍している社員や企業の期待することなどから、その企業のコンピテンシーが定められます。

コンピテンシー例:

・知識のインプットだけでなく、アウトプットする機会を意識的にもうけている。
・他者の意見を引き出し、共感を見せた上で、自身の意見を述べ相手を説得している。
・目標を定めてその目標達成のための的確なマイルストーンを置いて実行にうつしている。

等々です。

再現性・難易度&実績とは

新卒採用は、皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、”ポテンシャル採用”とも言われます。これは直接の業務経験がない人材を”ポテンシャル”≒”潜在能力””可能性”で採否を判断するというものになります。

この際、企業が参考にするのは、お察しの通り、この「ガクチカ」「自己PR」等のES、そして面接での受け答えの内容となります。

再現性

その中で、前述の人材要件・コンピテンシー発揮についても判断しますが、その”再現性”、つまり企業に入ってからも同様の力を発揮できそうかどうかといったこともひとつ大切なポイントとなります。

例えば、しっかりと個人なりにPDCAを回していて、その学生時代の経験が会社に入ってからもいきるかどうか、というところになります。

そのため、取り組み期間が短いものはこの再現性の確度が低くなるためおすすめできません。

難易度&実績

また、実績(成果)をしっかりと出せたのかどうか、というのも評価要素としてありえます。

その目標設定の難易度が高ければ高いほどものごとへの達成意欲が高いとも判断できますし、目標設定はAchievableであってもしっかりと達成していればそれも評価されうるでしょう。

ただ、実績がないということは、”何か”プロセスに課題があるという捉え方もできます。そのため、出来れば実績が伴っていることが望ましいです。(失敗も成功のもとですので、必ずしもこれは全部が全部そうとは言いませんが。)

とは言っても…採用選考の合否出しの基準は企業によって様々

前述にてつらつらと書きましたが、結局のところ合否をどのように判断するかの基準は企業によって様々です。

前述では、主体性、外交性、柔軟性等々と書きましたが、もっとシンプルにしている企業もあるでしょう。

・はきはきしっかりと話すことが出来る
・相手の目を見て話すことが出来る
・ボディランゲージを織り交ぜて会話することが出来る
・物事に真面目にコツコツと取り組んだ経験がある
・周囲に働きかける行動をとることが出来る

等々

これはその企業がどのような人材を求めているかによってその判断基準とする評価項目やその表現方法が変わってくるということに他なりません。

合格フラグを充すことが必要なのではなく、合格となる企業の条件を充すことが必要です。

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さいごに

集団・グループ面接における合格フラグ・不合格フラグについていち人事としてご紹介致しました。しかしながら、別の記事でもご紹介していつように、”確たるフラグ”というものは基本的に存在しません。

確かに、傾向としてそのような傾向はあるかもしれない…という、その程度になります。そのため、”フラグ”があったからといって一喜一憂せず、しっかりと結果を受け止めて必要に応じ改善を行うことが大切です。

みなさんの就活の成功を祈念して以上といたします。

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