新卒での就活における面接や、配属面談、配属希望調査などで問われる「希望勤務地」。多くの方が、「希望勤務地」を叶えたい!と思っているのではないでしょうか?はっきり言って、東京勤務が良い理由は、地元が1都3県だから、大学が関東だから、彼氏・彼女がいて遠距離は嫌だから、等々正直ベースでは”自分の都合”であるケースがほとんではないでしょうか?企業側の目線に立った時、「東京」配属が良い理由がどんな理由であれば「東京」配属が叶いそうか、私なりに考えてみました。
配属面談について
配属面談を通して勤務地が決まる場合まずは、配属面談の全体的なお話として以下もぜひご参照ください。
色々な期待をもって会社へ入社されることと思います。しかし…あらかじめ職種や勤務地、携わる仕事が決まっている企業へ入社する方もいれば、配属は後から決定という企業へ入社する方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そのような場合はまだ不[…]
絶対聞かれる「何故、東京勤務が良いのですか?」
「東京勤務が良いです」それは良いのですが、「何故、東京勤務がよいのですか?」は当然聞かれるであろう質問の一つです。私自身、毎年100人、200人の配属面談をしていた時はこの質問をよく投げかけていました。会社がその質問をする理由は、
・結局のところ、人事としては会社としての全体最適も考え、関西勤務、九州勤務、北海道勤務を最終的には決めないといけないため。
・配属面談を通して、どこにでもなり得る覚悟を持って欲しいため。
・配属後勤務地が問題で辞められてしまったら人事としても非常に困るので、新人配属検討の際にそのリスクを見極めるため。
に聞いていました。
以降「何故、東京勤務が良いのですか?」それに対してどんな理由を述べたら良いかについていくつか紹介いたします。
勘案してもらえるかもしれない可能性がある理由
東京勤務が叶うでしょう、と言い切ってあげられるほどの理由ははっきり言ってありません。後述の項目「止むを得ない理由があれば「東京」勤務は叶う可能性がある」で紹介する理由でやっと”考慮”してもらえるのでは?と個人的に思う程度です。それは後述するとして、ここでは、誰にでも使えそうな「東京」勤務希望の理由付についてを考えます。多少は東京勤務の可能性を高めることにはつながると考えます。
理由その① 自己研鑽・自己成長のため
理由その② 仕事への魅力度合い
自分のやりたいことを考えた結果、勤務地が東京であるという話ですね。想定例ではかなり抽象的に書きましたが、理由の内容としては比較的よく聞く方の部類なため、差別化を図るためにはより具体的な業務やビジネスに言及できると説得力は増しますし、”熱意”を込める必要があります。(逆に言うと、この程度の理由だとまだ弱いと考えます。)
理由その③ 「東京勤務でなければ辞めます!」レベルのトーン(おすすめしません)
なかなか”我”を通す感じが強く出ますね。これは人事的には非常に困りますが、伝わってくるものはあります。想定やりとりを書いてみましたがもう少しトーンを落とすのが良いかもしれません。
理由その④ 社外での活動(ボランティア、社外の団体との繋がり等)
これらの理由程度であれば、ただなんとなく東京勤務を志望している人よりも、東京勤務を優先して検討する余地は少しはあるかなと個人的に考えます。
勘案してもらえる可能性が低い理由
基本、表面的であったり、個人の”好き・嫌い”に留まると受け止められる程度の理由ですと、勘案はしてもらえません。やんわりなりはっきりと「東京以外の勤務地もあり得るからね」と言われると考えます。
理由その① 彼氏・彼女が東京にいるから
とても言い辛いのですが、彼氏(彼女)がおり、東京でなくとも関東圏であればまだ良いのですが、遠距離になるような関西や中部等の勤務地は避けられると嬉しいです。
残念ながら、この手の理由は良く聞くのですが、会社としては「ごめんなさい…その理由を持ってして東京配属とすることは出来ません。」です。ただ、前述したようなレベルで”東京へのこだわり”を伝えられたら少し、優先順位を個人的にはあげてしまいます。
理由その② 実家が東京で家族の側にいたいから
こちらも同様です。ただ、実家が東京であるだけ、東京を離れることが心配なだけで会社としてその人(あなた)の勤務地を東京にしてあげようと思うまでには至りません。
理由その③ ただ東京(都会)で働きたいから
止むを得ない理由があれば「東京」勤務は叶う可能性が高まる
止むを得ない理由とは会社が考慮せざるを得ない理由です。候補者(あなた)個人の”わがまま(好き・嫌い)”ではなく、「東京勤務である必要がある」と会社から思ってもらえる、勘案してもらえる理由です。そもそもこのケースに当てはまる方は、言わずもがな、きっとご自身で申告されていることと思いますが、言い辛さを感じ、言えていない方おりましたら是非それは述べてください。会社もこのような理由を持っている人の希望を完全に無視することは本意ではありません。
止むを得ない理由 ケース① 持病
止むを得ない理由 ケース② 家族ケア
勤務地理由を述べる時に気をつけたいこと
叶いうる前提は、その会社の本拠地が「東京」なり「東京配属」の割合が多いということです。全体の新人の配属のうち東京勤務が一定の割合以上であれば、他の人と比べて東京へ”より”配属する理由があれば東京配属となります。
ただ、あまり強く主張しすぎると、人事としては心の中で「そこまで勤務地にこだわるならなぜ全国展開・海外展開までしている当社に入社したのか?転勤のない会社を選べばよかったのでは?」と思い、不信感をつのらせるでしょう。あまり、”我”を通そうとしすぎると、「東京以外だったらどの勤務地に配属しても一緒だから、いっそもう会社としては九州、北海道でも良い。それで退職したらもう止むを得ない。いずれにしても勤務地を理由に将来的には辞めるであろう。」と調書に書かれるかもしれません。
そのため、ニュアンスとしては、”どこにでもなりうる可能性もわかっているし、それも承知の上で、あくまで希望として伝えている”ということが伝わることも大切です。
勤務地決定あたってその他勘案されること
”勤務地”はそれ単独で決まるわけではありません。当然、みなさんがやりたい”職種”、携わりたい仕事”によってもその会社における勤務地は変わってくるわけです。やりたい仕事と勤務地がマッチしないことも往々にしてありますので、その点はその点で考えておくようにしましょう。
職種とアサインされる仕事
例としては色々想定されますが、例えば、勤務地に加えて職種も決まっていなければ職種も合わせて勘案されます。
大阪に本社がある会社でコーポレート機能(経理・財務、人事・総務等)は全員大阪勤務。
こうなると、経理・財務で東京勤務が良いです!なんて話は通りません。
一方、大阪に本社があるが、営業の割合は、関西勤務が3割、東京勤務が6割なんて会社であれば、営業で東京勤務が良いです!と言うのは、単純に見て営業であれば6割の確率で東京勤務になりそう。ということです。
言い換えると、東京に本社がある会社、コーポレート機能は東京にあり、全員東京勤務。そうなると、勤務地第一優先であれば、やりたい職種はさておき、とにかく、”経理・財務””人事・総務”がやりたいです!と勤務地目的でそっちの方向から攻めるのも一案です。ただ、一般的にコーポレート部門への配属は営業などと比べ圧倒的に少ないので、それはそれで狭き門とはなります。
職場ニーズ
年間何百人も採用する大企業であれば、毎年必ず東京配属が一定数あるのでしょう。中小規模の「年間十数人くらいしか採用しませんという地方に本社がある企業」だと、場合によっては「たまたま今年は営業で東京配属はいません!(東京の部署からは新人配属の要望はありませんでした)。」なんてことが起こることがあるかもしれません。こればかりは読めませんので、もう諦めていただくしかありません。
実話
ついこの間も、私が配属面談をした際に、彼氏・彼女がいるので東京を離れたくないです。と言っていた学生がいました。私個人としては、東京勤務を叶えてあげられるのであれば是非そうしたいところですが、結局最後は地方勤務になりました。”職場ニーズ”がなかったためです。過去3、4年間は毎年、営業で必ず東京に配属していたのですが、そのせいもあってか「これまで地方に新人を入れてこれなかった、今年は地方配属にする。」と言うのが営業部門の強い方針としてあったためです。
まとめ
”勤務地”ひとつとっても、そこを決める、そこが決まるためには色々な要素が絡んでくることがわかっていただけましたら幸いです。
・友人、家族、彼氏・彼女が理由は心情的には伝わるが、ただそれだけで勘案される可能性は低い。それをしだすと、会社の都合として必要な地方配属の調整が困難となる。
・止むを得ない理由があればそれはしっかりと伝えましょう。止むを得ない理由であれば”考慮”はしてもらえる可能性があります。
・勤務地は勤務地に対する理由だけで決まるわけではなく、職種、職場ニーズ、アサインする業務の影響も受ける。
さいごに
勤務地問題。非常に大きいですよね。ほとんどの場合会社の都合で皆さんの最初の勤務地が決まるわけですが、仕事そのものにやり甲斐を感じてもらえるのであれば、まずは頑張ってもらいたいです。本記事を通して、皆さんの東京勤務になりうる可能性が少しでも高まることを願って以上とさせていただきます。
さて、一人事としてもう少し独断と偏見を盛り込んだ配属面談で勤務地、東京を叶えたいについてもNoteを書きました、今後の執筆活動への応援も込めて是非、購入いただけますと幸いです。励みになります。
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