1時間の面接と聞くと長いのではないか?と感じる人が多いのではないでしょうか?確かに1時間も質疑を受ける…と考えると途方もなく長いように感じます。
それもそうですね、新卒の就職活動において面接時間は30分程度で運用している企業が多いのではないかと考えます。
実際、1時間は長い!珍しい!と感じたからこそここに行き着いた方も多いのではないかな?と考えます。
さて…ここでは、「面接時間が1時間、長い!」をテーマに、いち人事としての様々な見解を全力でご紹介したいと思います。
面接が1時間、長い…一般的な面接時間は?
とは言われるものの…個人面接において1時間は長いと感じる方が多いのではないでしょうか?それはやはり、個人面接の大部分が”30分”枠で組まれていることが多いためであると考えます。
実は、面接をする側のいち人事としても1時間は長いな…と感じることはあります。
少々話は逸れますが、一方で、1時間の”選考”と表現を変えるとそれほど珍しいケースではなくなります。グループディスカッションなどは1時間枠で設定されることもあります。
企業によってはグループ面接も1時間の枠で運用を行うような企業もあると考えます。
ただ、グループディスカッションも集団面接も、参加者に応じて一人当たりの時間に割り戻すと、5名の参加者であれば、一人当たり10分程度とも言えますので、”短い”面接であるとも言えます。
面接が1時間、長い…1時間の面接ってそもそもどんな構成?
1時間もあるからには、それはさぞいろいろな事を聞かれるに違いない!と思うのではないでしょうか?
基本的にはすでに皆様承知の大きく5つの構成で面接は成り立っています。
- アイスブレイク
- イントロダクション
- 質疑
- 逆質問
- クロージング
いち人事としては、質問のカテゴリーが増える以上に、深掘り質問が増える、それが30分の個人面接と1時間の個人面接の違いであると考えます。
さて…それぞれは以下です。
アイスブレイク
候補者の緊張を解きほぐす事を主目的に行われます。何気ない日常会話から始まります。
例えば…「電車は混んでましたか?」「今日はいい天気ですね。」「よく眠れましたか?」「朝ごはんは何食べました?」なんて何気ない質問の数々はアイスブレイクのためです。
イントロダクション
これは面接の導入です。面接官から大枠の面接の進め方についての説明があったりします。
例えば…「面接時間は30分で、その後は逆質問を受け付けます」「家庭環境に関する質問には一切答える必要はありません。」等々の面接を始めるにあたってのガイダンスがあります。
質疑
まさにこれが面接のメインパートで一番多くの時間がここに割かれることになります。
面接官から候補者の方に様々な質問が投げかけられることとなります。長い面接の場合は、通常以上に深掘りを受けたり、さまざまな角度・種類の質問を受けることになります。
新卒の就職活動における面接では、所謂、「ガクチカ」「自己PR」等々がここで質問され、それぞれについて深掘りがなされます。
企業から候補者が求める人材要件を満たしているかどうかを見極めるパートです。
逆質問
このパートでも企業は候補者が「どんな質問をするのか?」から人物面の見極めは続いていますが、メインは候補者(”あなた”)の疑問払拭、それを通した企業への惹きつけになります。
企業としては”質疑”パートに次いで重要に考えている部分でもあります。
クロージング
面接を締める際にもまた案内をします。
「では、本日はこれで以上となります。ありがとうござました。結果について1週間以内に合否に関わらずご連絡します。では、また受付に立ち寄ってお帰りください。今日はどうもありがとうございました。」なんて感じですね。
面接とは関係のない手続き、交通費の精算等もクロージングまたはその後にあるかもしれません。
とは言っても…1時間(60分)はやはり長いな?と感じるのではないでしょうか…さて、1時間だからこその考えうる要素については後述致します。
面接が1時間、長い…企業の理由・目的は?
いろんな企業が30分で面接を運用しているのに…なんでわざわざ「1時間も?」「そんなに話すことないよ」なんて思う方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、企業には企業の目的があって「1時間」の面接を行おうとしています。全ては、「しっかりと相互理解を深めたいため」に集約がされます。
「たった、20分・30分の面接で一体自分の何がわかるんだ!?」なんて、お祈りメールをもらった企業に対して思ったことがある…そんな方も多いのではないでしょうか?
そうなんです、たった20分・30分ではわからないから1時間なのです。
「え?面接って最初の5分・10分で合否決まるって聞いたけど?」なんて思う方もいるかもしれません。確かに、最初の5分・10分で判断が出来るケースもあります。しかし、全部が全部そうではありません。
それに、本当に5分・10分で判断出来るのであればそもそも30分すら面接をする必要はありませんよね?15分で十分になります。
やはり、相互が理解をするにはそれなりに時間が必要です。
・候補者からの企業理解を深める
この2点を目的に長時間の面接が設定されます。
理由・目的① しっかりと突っ込んで人材要件を見極めたい
30分の面接では正直、企業が確かめたいと思っている要件を確かめ切るには不十分な時間です。
前述でご紹介した、アイスブレイク・イントロダクション・逆質問・クロージング等まで鑑みると、30分の面接では実質20分程度しか質疑をする時間がないことになります。
つまり…そのような短時間では見極められないのが実態です。
お互いが用意してきた定型的な質問・回答であっという間に過ぎてしまうのが20分間です。深掘りを十分にする時間がないのが20分間です。
そのため、時間を十分にとり、深掘り質問を行うことで、より候補者の深層に迫った考えを引き出すことを目的として、長めの面接時間を設定することになります。
理由・目的② 候補者を惹きつけたいため
1時間の面接、転職などで選考回数が少なく2回などの場合は1次も最終も1時間枠で行うこともありますが…。
新卒の就職活動においては、会社の規模が大きくなればなるほど、選考段階の初期は面接時間が20~30分で設定されていたり、グループ面接・グループディスカッションなどで”多くの人数を捌く”ことを前提にした選考設計になっています。
しかし、これが終盤の最終面接などになってくると、1対1になったり、時間が増えてくる傾向になると考えます。
(※企業によっては最終面接が役員対複数のグループ面接で行うこともある様子ですが、これは役員の時間を効率的に使うためという判断のもとであると考えます。)
なぜなら、最終面接はもちろん候補者の見極めもありますが、合格(内定)を出すかもしれない相手に自社に来てもらいたい!自社を選んでもらいたい!と惹きつける場でもあるためです。
そのため、見極めと同時に、候補者を惹きつけるための自社の説明や逆質問により時間を使うことが考えられます。
面接が1時間、長い…実は1時間ではないことも!?
いざ面接の調整をする際には…大きく2つのパターンで行っているのではないかと考えられます。
・採用担当者等の人を介しての直接コミュニケーションをとっての調整
・何らかの採用管理システムを経由した、予約画面からの登録
さて…いずれにしても、例えば、
①15:00~16:00
②16:00~17:00
…
なんて形で「1時間」で”枠”が用意されていることがこの「1時間も面接!?」につながるのだと考えます。しかし、このような場合は実は面接は1時間ではないことが往々にしてあります。
これにはいろいろなケースが想定されますし、定義次第で”面接”時間は想定以上に少ないこともあり得ます。
「面接枠で設定されている時間帯」≠「面接時間(≒質疑)」
であると捉えることが出来る場合が多くあります。
企業によっては、明確に”面接時間”を選考案内で記載している場合もあります。その場合は、”枠”ではなく、その”面接時間”が拠り所となります。
「1時間枠」に対して面接(質疑)時間は40分程度になるケースも多いのではなかろうか?と考えます。
ケース① 面接時間の中に企業説明が含まれている
企業説明も面接の一環として捉えられるかもしれませんが、企業によっては選考の中で企業からの何らかの説明を織り込むケースもあります。
その時間は様々でしょうが、5~10分程度企業からの説明時間が含まれているだけで、”面接”を受ける時間はその分少なくなることになります。
企業説明自体は、何らかの説明会やパンフレットの配布などで予めなされているケースが多いかと考えます。
ココでは、一定の職位(役職者)や採用担当者から説明会やパンフからは知ることができない情報を含めてなされることがあると考えます。
ケース② 逆質問時間が長めに含まれている
こちら逆質問も面接の一環ではありますが…やはり、自分が質疑を受けている時間ではない、と捉えることも出来ます。
この逆質問も、ある程度の時間が予め面接時間に想定されていることになります。
1時間枠であれば概ね5~10分程度は企業として候補者からの質問を受け付ける時間として予め見込んでいるのではないかと考えられます。
候補者の持っている自社に対する疑問をしっかりと解消すること、またその質問に対して企業としてのアピールを織り交ぜることで志望度を醸成することにつながるため、企業側としてもこの時間は重要視しています。
さて…前項の企業説明と合わせると、10~20分になりましたね。
ケース③ バッファ・入れ替え時間等が含まれている
新卒採用などにおいて同時期に多くの面接を立て続けに行うような場合は、しっかりとスケジュールに沿った円滑な進行が必要不可欠となります。
- 想定以上に話が盛り上がってしまい長くなってしまった
- 見極めが難しく多くの時間を要してしまった
- 候補者からの逆質問が多く時間がかかってしまった 等々
様々な要因で面接時間は”伸びる”ことがあります。
時間がオーバーしてしまったことで次の面接がずれ込んでしまったり、その他関係者のスケジュールに悪影響を与えてしまう…そんな事態は避けたいと採用担当は考えています。
そのため、1時間の中には予め5分程度の”バッファ”も含まれていることがあります。
面接が1時間、長い…どんなことを聞かれる?
長いから何か特別なことを聞かれるのではないか?と思う方もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
大枠としてはこれまで経験してきた面接の骨子を主軸に、さらに深掘りをされたり、角度を変えた質問をされたりする、と理解して頂ければ良いと考えます。(※特異な質問をしてくる企業ももちろんあるでしょうが、それはココでは除きます。)
- 自己紹介
- 志望動機
- ガクチカ
- 自己PR
- 選考状況
- 逆質問
これらはかなりの高い確率で聞かれる質問です。これらの質問を「大質問」としてそこから2度、3度の深掘り、角度を変えた質問を幾度と投げかけられることになります。
「大質問」に対する「中質問・小質問」としては…
- 何故そうしたのか?
- 何故そう思う・思ったのか?
- 何が目的だったのか?
- 何をめざしたのか?
- 何故~~しなかったのか?
- もし、~~な場合にはどうするか?
- そこから得られたことは何か?
等々、さまざまなことを聞かれることになります。
これらの詳細な想定質問については詳細はココでは省かせて頂きます。
面接が予定を超えて1時間だった…予定より長かったから合格フラグ?
「元々の予定時間を超えて面接時間が1時間近くになった」
このケースは不合格フラグか?合格フラグか?の2択で答えるとすると…どちらかと言えば「合格フラグ」の可能性があります。
面接が予定を超えて1時間になった理由は
- 面接官が候補者に興味をもっているから
- 面接官が候補者の惹きつけに一生懸命になり情報提供を手厚くしているから
などのポジティブな理由が考えられます。そのため、合格フラグと言ってもいいのではないか?と考えられます。(候補者の話が長い・逆質問が多い等は除きます。)
敢えて不合格の可能性に言及するなれば…「長く続ける=判断しかねている」と受け取ることもできます。
合格が不合格かの判定に迷っているために、合否を慎重に見定めているが故に面接が長くなった…そんなことも当然考えられます。
この場合は合否は最後まで分かりません。
以下に、合格フラグがそうではない可能性について、いち人事として敢えて見解をご紹介しておりますので、興味がありましたら是非ご一読ください。
その合格フラグ、実は合格とは全く関係ないのです…ということを敢えて天邪鬼的に考えたいと思います。結局のところ、どこまでいってもフラグだけで合格だったか不合格だったかを判断出来るなんてことはありません。大手であればあるほど面接官に事前説明・研[…]
面接が1時間の予定だったのに…早く終わったら不合格フラグ?
確かに…早く終われば終わるほど不合格の可能性は色濃くなるのではなかろうか。それは一般的にはそうだと考えます。
そのため、不合格フラグであろうと確かに考えらえます。ただ、それは”可能性”なだけであって必ずしもそうとは限らないことも頭の片隅に置いていただけたらと考えます。
面接は最初の5分・10分で合否の判断がつけられる…そんな一説は、合格・不合格どちらの可能性もあることを意味しています。
そのため、早々に「合格」であると判断できた場合には、「合格」であっても面接が早く終了する可能性を秘めています。
以下にいち人事としての不合格フラグをへし折る見解を紹介しておりますので、興味がありましたら是非、ご一読ください。
面接が終わって一息、上手くいったな、上手くいかなかったなと色々な感触が得られているかと思います。面接時間短かった…間違いなくこれ不合格フラグだな、と感じた方もいらっしゃるかもしれません。不合格フラグは色々ありますが、人事としてそのフ[…]
面接が1時間、長い!…面接対策には就活サービスがおすすめ!
面接対策には就活サービス・エージェントの活用があたりまえですね。
もちろん、大学のキャリアセンターやマイナビ・リクナビ等の大手の就活サイトが提供している機会を活用するのも良いと考えます。
ただ、”利用”する観点では、就活サービスやエージェントが提供する無料の面接対策のサービスなどを活用するのがより便利です。
是非、ご活用ください。
さいごに
「面接時間が1時間」についていち人事として様々な観点から見解を紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。まとめますと…以下の通りです。
- 1時間の面接はお互いをより良く知るため
- 1時間の面接…と言っても質疑が60分な訳ではない
- 1時間の面接だからと言って、何か突飛なことを聞かれるわではない
- 1時間の面接…当初より伸びて1時間なら合格フラグの可能性
- 1時間が予定の面接が、あまりに短いと不合格フラグの可能性
本トピックに関して、「じゃあ、このケースは?こうだったら?」なんて疑問がもしありましたら、是非、コメント欄等から下さい。お時間頂くかもしれまんが、いち人事としての見解を共有致します。
あれ…30分の面接時間のはずだったのに、15分で終わった…。40分って言われていたのに…20分ちょっとで終わった…半分も時間たってないじゃん!?完全不合格フラグ。これって絶対落ちたでしょ…。と不安に感じていらっしゃる方、多いのではないで[…]