最近人事の界隈では、リファラルと並んでよく聞くのがアルムナイです。カタカナにすることで印象が変わりますが、リファラルは社員からの友人・知人の紹介を使って採用する手法。
そして、このアルムナイは本テーマである、「出戻り」と同義となります。一度辞めた会社に戻りたい、戻る、戻ったらどうなるのか、についてをこちらでは取り上げます。
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最近は出戻りも歓迎される傾向に…「アルムナイ」とは
アルムナイとは英語では「alumni」と綴ります。このアルムナイですが、大学などでは、卒業生(OB・OG)の同窓会組織を指す言葉としても使われていますが、これがビジネスの世界で自社の退職者(卒業生、OB・OG等)という位置付けにて使われています。
人事の世界でも採用を外からする際の貴重な給源のひとつとしてみられているのが、アルムナイ(自社の退職者)です。会社によっては自社の退職者で形成されるアルムナイ組織もあります。
企業側からすると、アルムナイ組織として自社を退職した人同士と自社がつながり続けられ、将来的にまた自社に戻ってきてもらえるかもしれない仕組みを持つことは、今後ますます加速する少子高齢化・人材獲得競争において必要不可欠となってくるものと考えます。
推測ですが、大企業では今後ますますこのアルムナイ(出戻り)採用が活発になってくるものと考えます。
さて、そのような形で、アルムナイというと企業側から見た時の給源のひとつの様な意味合いでもありますが、社員からの視点でいうと、”あなた”もアルムナイ(その企業の退職者)の一人ですが、一度退職した会社に戻ることは、つまり、”出戻り”という言葉でも言えます。
「出戻り」の入社・採用の方法は
社員からすると出戻りでの入社・企業側からすると退職した社員の採用、ということになるのですがその方法はどのような方法がありうるかについてご紹介します。
1:リファラル採用(社員紹介制度)経由
リファラル採用とは、従業員の友人・知人を紹介してもらうことで採用につなげる方法です。一度退職した従業員が自社の従業員(同期・同僚等)とプライベート上でも関係性がつながり続けている場合、リファラル採用経由で入社・採用が出来ます。
このリファラルとして紹介できる対象に”元社員”の紹介が禁止されていなければ、リファラルが活用出来ます。
2:アルムナイ採用
冒頭でご紹介した通り、自社の退職者で構成された何らかの組織なりグループを企業として形成している場合、このアルムナイ組織に求人を公開するとうで”出戻り”を募るという方法もあります。
アルムナイネットワークをオフィシャルに形成している企業はアクセンチュアや電通、住友商事、などがある様子です。
3:リターン制度等の再雇用制度
リファラルやアルムナイとはまた異なり、何らかの止むを得ない事情で退職した従業員を本人の希望で再雇用する仕組みです。
育児のために退職したがまた会社に戻りたい、配偶者の転勤について行くために退職したがまた会社に戻りたい等の人を再度自社に迎え入れるという意図での制度が多いとは考えます。
4:その他
他にも完全個別クローズドに従業員のつながりで採用する等もありえると考えます。よく聞く話は、上司が過去に自分の下にいた部下を再度呼び戻そうとする動きでの出戻り採用です。
なお、いち人事として”出戻り”採用が人材紹介会社経由や転職サイト経由でなされたとう話は聞いたことはありません。
企業から出戻りが歓迎されうる理由
1:社内を知っており業務の立ち上がりが早い
即効性のある実益的な観点ではこちらです。出戻り社員は業務の立ち上がりが早いです。
会社規則はもちろんのこと、評価制度、社内システム(勤怠の申請、旅費の精算、その他業務システム)への知見、そして、外部との契約手続きであったり、決裁、許認可等の業務プロセス、社内の人脈を知っているためものごとをスムーズにすすめられる等々とにかく業務の立ち上がりの速さに期待ができます。
2:ミスマッチが少ない
経験者採用をしていると採用したうちの一定数は非常に短期間で辞めることもあります。やはり、一度退職・転職を経験した人は会社への見切りも早い傾向にあります。
そのため、ミスマッチ・ギャップが大きいと数ヶ月で退職してしまうケースもあります。その点、”出戻り”の社員についてはその心配がありません。
むしろ、一度退職をして外の世界を経た上で戻ってくる、その企業の良し悪しも実態もわかった上で戻ってくるため、定着率の高さに期待すら出来ると考えます。
そのため、企業として無用なリスクを抱える可能性が低いため歓迎されることもあります。企業の理念や風土も実体験としてリアルに理解しているのでその点でミスマッチが少ないことも心強い点です。
3:育成コストが低い
新入社員で入って退職・出戻りをした社員であれば、その在籍期間中に自社として様々な教育・研修も施しており、会社として求めるカリキュラムを履修済みであり、育成コストが低いであろう、というのもひとつの企業から歓迎される理由ともなり得ます。
完全に他社からの経験者採用の場合、受け入れ後にどの程度教育・研修を施すかは企業次第ではありますが、少なくともオンボーディングとしてその企業として付与したい最低限の教育・研修(コンプライアンス・セキュリティ・輸出管理等々)から企業理念・文化等のメニュー等々に加えて、階層別の教育、職種別の教育なども必要になってくる場合があります。
この様な場合に、+αの教育が不要になるかもれない可能性もメリットのひとつにあります。
4:採用コストが低い
出戻り社員の採用方法は、企業側からすると主に2つかと考えます、①既存社員からの紹介(所謂、リファラル)からの採用、②アルムナイ採用等会社の制度・仕組み経由からの採用、です。
いずれもコストとしては企業がとる中でも最もコストの高い人材紹介会社を通しての採用よりもかなり底コストで採用が叶う可能性が高いです。
人材紹介会社では一般的にその人の年収の35%程度が紹介手数料としてかかります。つまり、年収600万の人材であれば、採用時に約200万円ものコストがかかるというものになります。
それに対して、出戻り社員の採用ルートがリファラル・アルムナイ経由であれば企業によっては限りなく低いコスト数万~数十万で採用が叶うことになり採用コストをかなり抑えることができます。
そのため、歓迎されるということもあるでしょう。
5:他社での経験・他社で得たスキル
企業が外から人を求める理由のひとつに、自社の従業員が持っていない・自社では持たせることの出来ない経験・スキルを所有した人材の獲得、ということが言えます。
その観点で、他社での経験、他社で得られたスキルというのは代え難いものになります。そんな経験・スキルをもった人は出戻りでなくとも企業としては強く欲しています。
もしそんな人材が一度自社に過去在籍していた人材で、そして自社にまた戻りたいと思っている。大歓迎、ということになりますね。
6:自社の良さを伝える伝道師になりうる
自社の酸いも甘いも知った上で、他社へ転職なり独立、そしてその他社・独立でまた酸い甘いを経験した上で、自社に戻って来た従業員。つまり、他社との比較の上で自社を再度選んだとも言えます。
その様な人の存在は他の従業員に対して、良い影響を与える可能性があります。つまり、「自社は自分が思っているよりも良い会社なのだろう」と他の従業員が思う可能性です。
もしかしたら、転職を考えている同期や同僚からの相談も受けるかもしれませんね、その際にリアルな実体験としての話をしてももらえる存在である出戻りの社員がいることは会社として心強いかもしれません。
そういう意味では、ネガティブな理由での出戻り社員には戻ってき欲しくないというのが企業側の意見とも言えます。「転職先で通用せず、うまくいかなかったから戻りたい。」という人材の採用には慎重にならざるをえない、ということです。
7:ダイバーシティ(多様性)・異なる価値観への寄与
便利な言葉ですが、多様性にもつながります。ダイバーシティというと、まだまだ”女性”という観点での議論が続いている会社も多いのではないかと思います。
会社における女性管理職の割合が、採用者数の割合が…と。しかし、ご存知の通りダイバーシティは”女性”に限った話ではありません。
外国籍の社員、障がいを持った社員、様々です。その様な観点で”出戻り”をした社員、というのもダイバーシティの一つと言えます。
そのため、多様性を重んじる企業としては、一度自社を辞めた社員も、優秀な人材であれば出戻り歓迎、ということになりえます。
そして、他社で培った異なる価値観、これも貴重です。多様性が生み出す、シナジー、イノベーションに期待が出来るということですね。
企業から出戻りが歓迎されない理由
1:「辞めても戻って来れるんだ」と周囲へ誤解を与える可能性
辞めても戻って来られるんだ、と思われてしまうことで、他の人への悪影響があるかもしれないことを企業として心配する可能性があります。
事実として、出戻りの社員がいれば、尚のこと”辞めても戻って来られる”と安易に捉えられて、安易に退職を選ぶ様な社員が出てしまうかもしれません。
そうなると会社としては困ってしまいます。そのため、出戻りの採用には慎重になる、あまり諸手を挙げて歓迎は出来ないということもあります。
2:処遇の取り扱いの難しさ(既存社員とのバランス)
出戻り社員を再度雇用するときに企業を悩ませるひとつが、その処遇の取り扱いです。一度自社に在籍していたが故に、その社員は自社の給与水準はもちろん、退職時の給与も当然記憶しているでしょう。
そうなると少なくとも、退職時以上の給与での雇用を期待されるでしょうし、会社としてもその過去に在籍していた当時以上の提示の必要性を意識させられるでしょう。
処遇の取り扱いには様々な観点での考え方がありえますが、もし、出戻り社員を、既存社員よりも早いタイミングでの昇格・昇進をさせた場合、それが既存社員に与える影響は大きいです。
なぜなら既存社員はずっと勤め上げてきただけの自負がある社員もいるはずだからです。そのため、一度辞めて出戻ってきた人材が自分達よりも早くに昇進・昇格したりすると、不公平感を抱く可能性があるためです。
3:既存社員の抵抗感
だんだんと珍しくはなくなってきている出戻りですが、社員の中には出戻りを面白く思わない人もいます。それは事実です。
面白く思われない理由は、「自分は嫌なことがあっても我慢して頑張ってきたのに、一度辞めた奴が戻ってきて今更なんなんだ」という気持ちであったり、純粋に「自社を裏切った、見限ったくせにどんな顔して戻ってきたんだ」という気持ちでもあるかもしれません。
いずれにしても、既存の他の社員が出戻りを面白く思わないことによる、既存社員の自社へのモチベーション・エンゲージメントの低下の可能性は企業として歓迎できません。
企業として出戻りは歓迎なのか否か
さて、ここまで出戻り社員が歓迎されるとしたらのその理由、歓迎されないとしたらのその理由について紹介をしてきました。それらを踏まえての答えは、
ということと考えます。
いざ、いち人事として企業としてのメリット・デメリットを考えてみると、実は出戻り社員(アルムナイ採用)は企業にとってメリットの方が多いとすら考えます。
しかしながら、まだ出戻り採用が当たり前と言えるほどになっていない背景には、それ以上に企業としてデメリットの方が大きいと考えているからに他ならないと考えます。
”あなた”(社員)にとって考えうる出戻りのメリット
出戻りに関して、企業側が感じるメリットと”あなた”が感じるメリットには重複する部分は多いかと考えます。
1:社内を知っておりすぐ業務に順応出来る(即戦力)
これは企業が出戻り社員を歓迎する理由と一緒ですが、社員側からしてもメリットの一つです。
各種業務システムの取り扱いに既に慣れていること、また各種業務フロー・プロセスについての知見があることは速やかな業務立ち上がり・順応に大きなメリットがあります。システムだけではなく、社内の”人”を知っているという点も大きなメリットになります。
2:知らない企業に行くよりも気が楽
初めての転職では何かと不安・心配も多くストレスが大きかったのではないかと考えますが、元々いた企業に出戻りをするということは、既に知っていることも多く、また全く知らない企業に転職する以上に圧倒的に気が楽、というのはひとつ大きなメリットと考えます。
もちろん、以前”あなた”がいたときよりも会社は変わっているかもしれません、ただ比較的短期間(2、3年程度)であればそれほど変わっていないとも考えられますので、尚のことストレスは少ないでしょう。
3:他社(現職・前職等)での経験が活かせる
転職者であれば誰でもそうではありますが、こと出戻り社員においては、その企業を知った上で他社を経験して…という通常の転職者とは少し異なる点があります。
純粋に他社からの経験者とは異なり、その企業を知った上で他社を経験し戻ってくる、という点で通常の経験者とはまた違う視点・価値を提供出来る可能性があります。
4:選考の苦労が少ない可能性
転職活動でも苦労をされたのではないかと思いますが、勤め先を代える、つまり転職をするということは、希望先への応募(書類選考)、そして応募先の企業の企業研究から始まります。
しかし、この企業研究や書類選考というプロセスが軽くなる可能性が高いです。そのため、選考における苦労が通常の転職活動と比べて少なくなるであろうことはメリットのひとつとなります。
”あなた”(社員)にとって考えうる出戻りのデメリット
1:周囲から穿った目で見られる可能性
一度辞めている、というだけで”あなた”は他の人と比べて”また辞めるかもしれない、という穿った目で見られる可能性があります。
(もちろん、企業としてはむしろ一度辞めた上で戻ってきたからこそ以前以上に自社にコミットするであろう、と期待をしている可能性もありますが。)
この場合、どの様にあるべきかはさておき、周囲からどうみられるか、という観点は避けては通れません。人によっては、”裏切り者が戻ってきた”なんて心の中で思っている人もいるでしょう。ある意味これは仕方がありません。
その見られ方は仕事ぶりでまた再度認め直してもらうしかありません。
2:同期と比べて昇進・昇格が遅くなる可能性
ケースバイケースであろうかとは思いますが、同期と比べて昇進・昇格が遅くなる可能性も否めません。
その会社に新卒から叩き上げで頑張ってきている社員と、一度何らかの事情で自社を数年離れて戻ってきた社員、どちらが大切にされるか、という点で”感覚的””感情的”にはずっと自社で頑張っている社員の方が大切にされる・大切にしたいと考えられている可能性があります。
もちろん、”あなた”がとても優秀であったり、出戻りの理由も”あなた”が戻りたいというより、前職の会社から強く戻ってきてほしいと声がかかっての出戻りであれば話はまた変わってくるかもしれません。
また、会社がしっかりとしていれば、その様なことは関係なく、分け隔てなく正当に評価をしてくれることもあるでしょう。
あくまで可能性の話です。いち人事として、出戻りで本部長になっている人も知っていますし、出戻りで周囲と比べてやや昇進・昇格が遅い人も知っています(ただ、その”遅い”というのが出戻り故なのか、その人自身の評価なのかという事情は様々です。)
3:”次”はさらに辞めづらい
事情次第という面もありますが、一度辞めて、再度入社した会社を、また再度辞める、ということは非常に心理的負担が大きいものになると考えます。
1度目の退職も基本的には会社としては”あなた”(社員)を引き止めたはずです。それをおしてでも、退職を選び、そしてまた再度入社した、という場合は非常に辞めづらいでしょう。
企業側からの強い要請に基づいて戻ったのであれば”あなた”(社員)としてはそれほど辞めづらさはないかもしれませんが、もし、”あなた”(社員)が戻りたくて戻った場合はこの通りでしょう。
4:期待が大きい(大きすぎる)
これをデメリットと捉えるかは人それぞれかと思いますが、企業側としては”あなた”(社員)に期待をして出戻りのリスクを承知の上で、再度採用するということになります。
そのため、その期待はそのまま会社を退職せずに過ごしていた場合よりも高くなるでしょう。企業側からは、他社で得た経験、培ったスキルを自社にも還元して欲しい、活かして欲しいと期待しているでしょうし、通常の経験者採用とは異なり、出戻りであるが故の即戦力として業務の垂直的な立ち上がりも期待しているでしょう。
とにかく、いろいろな点で期待をしています。大きすぎる期待はデメリットともいえると考えます。
出戻り入社が出来る人(社員)は?
出戻りで元の会社に就職したい、と思うこともあると考えます。しかし、誰でもがそのチャンスを与えられる可能性があるわけではありません。そもそもの入口で弾かれる可能性もありますし、
1:円満退職をした人
当然、円満退職をしているに越したことはありません。何か問題を起こして退職に至った人物であったり、辞める際に後を濁して去っていった人物は企業として再度雇用はしづらい存在となります。
出戻りの社員は元々その企業にいたが故に、その企業に在籍していた頃の評価、辞め際の態度等も含めて総合的に勘案されます。
例えば、
・無責任に引き継ぎをし、中途半端なまま去っていった人
・退職時に不満を周囲にぶち撒けるだけぶち撒けて去っていった人
等は円満に退職したとは言い難く、再度以前の企業に出戻りで雇ってもらえる可能性は低いでしょう。
2:他社でしっかりとその分の経験・スキルを得た人
前職を去って何年経っているか…それは人それぞれかと思いますが、当然その期間、企業側が求める・期待するだけの経験・スキルを得ている必要があります。
以前いた企業からすれば、当然、”もし自社にいたらの成長具合”以上のものを求めていると思ってよいと考えます。そうでなければ、企業として懸念するリスクととってでも採用するに値しないという判断にもなり得ます。
しっかりと、その企業を去っていた間に成長していることが望ましいと考えます。
もちろん、家庭の事情でやむを得ず退職をしてその間は子育て・介護等をしていた等の例外のケースはあります。ただし、この場合は企業として仕事から離れていたことの”ブランク”を心配することになります。
3:再度入社することへの決意がある人
一度去ったからには、再度入社をすることは覚悟が必要です。どのような理由で一度退職をしたのかも重要な観点のひとつになってくるでしょう。
人間関係だったのか、処遇不満だったのか、働き方(長時間労働等)だったのか、辞めた時に存在していた課題・問題は今も変わらず存在している可能性はあります。
退職をした理由によっては、出戻りをしない方が良いということもありえます。面接の中では、何故戻りたいと思ったのか・戻っても良いと思ったのかを聞かれることにもなるでしょう。
4:変化に対応出来る人
出戻り先をどの程度離れていたかによるところもありますが、企業は常に変化をしています。変化をしなければ存続し続けられません。
そのため、”自分がいた頃”をベースに考えると、大きく変わっている可能性もあります。変化に対応出来ることは大切な要素のひとつですし、出戻り社員には変化を起こすことも期待されているでしょう。
出戻り入社をした際に気を付けること(社員)
1:変に先輩面をしない
”あなた”がその会社を離れている数年の間に新しい新入社員が入っていたり、他にも経験者が入社していたりするかもしれません。
そんなときに、”あなた”が昔いたからといって、先輩面をすることはチーム・周囲へ悪影響を与えることになりかねません。
他社を経験したことにより、視野も広がり、その企業において貴重な経験・スキルを有しているかもしれません。
しかし、だからといって上から目線になったり、変に先輩面をすることのないように気にした方が良いでしょう。
2:”昔”を持ち出さない
短期間の離職でもその間企業によっては劇的な変化を遂げているということもあるでしょうが、一定期間離れてからの出戻りの場合、”昔”のことを持ち出すのは得策ではありません。
”昔はこうしていた”なんて話は、迷惑がられること間違いなしです。
もちろん、古いことを知っているということ自体は良いことです、昔は何故そうしていたのだろう?という観点は忘れさられがちですが、昔はこういう意図で・こういう事情でそうしていたんだよ、という話は貴重なものとなり得ます。
3:”前職では”を連発する
出戻りに限った話ではありませんが、”前職では”を連発すると周囲の人は良い気分になりません。
特に、”前職はこんなところが良かったがここはこんなところがダメだ”なんて話、言動は典型的なNG言動です。上司含め周囲に不快な思いをさせるでしょう。
なまじ、出戻りということで気を許していると、気が緩んでそのように聞こえる発言をしてしまう人も珍しくありません。意識的に”前職では”という言葉は控えていただくのが良いでしょう。
出戻りは早い方が良いのか?
さて…出戻りですが、雇用側のメリット・デメリット、雇用される側のメリット・デメリット等々ご理解いただけたのではないかと考えます。
その上で、さらにトピックとしてあるのが、この「出戻りは早い方が良いのか?」というものです。
何故なら、出戻りが早すぎると前述した企業側のメリット・デメリットの”メリット”が短期間での出戻りの場合は享受しづらいということがあげられます。
短期間での出戻りは、場合によっては戻ってきてくれたことに対する嬉しさはあれど、周囲に与えたネガティブな影響が上回ると考えます。
出戻りが早い方が良いのではないかと考えられる理由の一つとしては、そもそも”あなた”が戻れる席があるのかどうなのかというのはひとつのポイントになります。
通常であれば、当然、企業は従業員が辞めた場合にはその補充をするために新たに人を雇うことになります。そうなると、出戻りたいと思ってもポストがない。なんてことも起こり得るというのは当然です。
その観点から言うと出戻りは早い方が良いでしょう。もちろん、前提として、企業が”あなた”を出戻りで受け入れてくれるという保証がある場合はそうであろうと考えます。企業が”あなた”を出戻りで受け入れてくれる保証がない場合は、”早い”も”遅い”も関係はなくなります。
結局のところは企業次第ということになります。
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出戻りをするには通常エージェント経由ということはないかと思います。しかし、必ずしも出戻りがうまくいくとも限りませんし、出戻ることが正しいとも限らないかと思います。
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さいごに
出戻りについて、幅広くいち人事としてご紹介させて頂きましたがいかがでしたでしょうか。
人事的観点ではますます人材不足が加速して行く今後の日本においてアルムナイは今後大企業を中心にどんどん一般化されてくる取り組みと考えます。それに伴い出戻る人も多くなると考えます。
しかし、まだまだ”出戻り”に抵抗感を抱く人が多いのも事実です。そのため会社として、出戻る人にも、既存の社員にも双方にしっかりと正しい処遇をしていく必要が出てきます。
そう考えると、最近メーカーを中心に導入が進んできている、”ジョブ型”が理にかなってくるのかもしれません。
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