就活・転職いずれにしても、面接の中でされる質問は本当に様々です。そんな中で、必ずしもされるとは限らないにせよ、ありうる質問の一つに「HPを見た感想」があります。
この質問の前段に、「当社のホームページはご覧になられましたか?」という質問がある可能性もあります。ただ、企業としては当然、”見ている”ことを期待しています、その上での質問が、この「当社のHPを見た感想について教えてください。」です。
新卒の場合はエントリーシート上での質問項目のひとつとして存在していることもあるでしょう。ここでは、その「企業HPを見た感想」を聞く意図、答え方について考えたいと思います。
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「HPを見た感想」の質問の意図は
冒頭で述べた通り、企業は候補者が自社の面接を受けにくる前に、ホームページの確認くらいしてきていることは当然と考えています。その上での、「当社のHPについてどう思いますか?」「HPを見た感想は?」なのです。
その1 業界・企業研究をどの程度しているかの確認
一番の確認事項は、やはり、こちら「企業研究をしているか」を確認するためです。就職活動で、自分が応募をしようとしている先の企業情報を調べるということは基本中の基本でもあります。
企業側として自社の企業理念や自社の事業のことをしっかりと見た上で、その上で応募をしてきてくれているのかどうなのか、気になるところではあります。
また、「企業HPについてどう思いますか?」「HPを見た感想は?」の返答次第でさらに深掘りをする2次質問が投げかけられる場合もあります。
その2 志望度の確認
志望度が高ければ高いほど、企業HPを見ているだろうとやはり考えますし、企業側としても期待をします。
と言葉に詰まってしまうようでは、「あ、第一志望は嘘なんだな」とすぐに思われてしまいますし、「見ていません」なんて場合には目も当てられないやりとりになってしまいます。
その3 すべき準備を出来ているかの確認
学生の方はあまりイメージは湧かないかと思いますが、社会人で法人営業の方などは特に仕事の基本としても実践されている方が多いのではないかと思います。
新しいお客さん(企業)と打ち合わせをする際に、その企業のことを良く知ることはマストであり、打ち合わせ前には企業のHPをチェックしてから打ち合わせにのぞんでいるのではないかと考えます。
就職活動でも同じです、面接(打ち合わせ)に臨む準備として相手のことをしっかりと知るために企業HPを見ているかについて確認をされているということなります。
すべきことをしているか、ということの確認です。
その4 候補者が何に興味を持ったのかをしりたい
企業HPには様々な情報が掲載されています。製品・サービス情報から、社長メッセージ、IR、採用情報、先輩社員からのメッセージ、企業理念、等々、上げ出すときりはありません。
この中で候補者の人は一体何に興味を持ってくれたのか、何を魅力的に感じて自社の選考にエントリーしてくれているのかを知るためです。
ここから会話が広がっていくこともあります。
その5 純粋に社外の人から見た際の感想が聞きたい
採用担当者として
採用面接の場というのは、企業の中の人事担当者からすると実は社外の人と話すそこまで多くない機会の一つでもあったりします。そうなると、純粋に第三者としての”感想”を求められているケースもあります。
特に、採用HPに力が入っていたりする企業だとすると、採用担当者が自社の採用ページのことを意識して、HPの感想について聞いている可能性もあります。
果たして自社のHPは候補者からみて魅力的にうつるのだろうか?どんな情報があれば候補者にもっとささるのだろうか。と採用担当者は気にしています。
会社として
いち人事としてはあまり考えづらいですが、”企業HP”としてどうかという感想を純粋に聞きたいという場合もあるかもしれません。
ただ、企業HPを担当しているのは、それこそ広報担当部署ないし情報システム部署や企画部署等になると考えます。
そのため、わざわざ、企業HPとしての出来について純粋な感想を求めて、それを企業HPの改善に繋げたいという意識で聞く、事業ライン面接官、人事面接官はなかなかいないのではないか、というのが私の意見です。
「HPを見た感想」の答え方は
②自分の志望動機とリンクさせて話す
③自分が共感したポイントを盛り込む
④入社意欲も添える
が、面接にせよ・ESにせよ大切なポイントと考えます。
例えば面接であれば…
「企業HPはご覧いただいていますか?当社のHPについて感想を教えてください」に対して…
個人的には特に、御社の品質に関する取り組みの紹介ページを興味深く拝見しておりました。社員インタビューの中でも多くの社員の方が”品質”について言及をしていました。
私自身もQCDという言葉で表される様に”品質”は製品・サービスにおいても、どんな仕事においても、一番大切なものであると考えています。御社のこのquality firstの姿勢には非常に共感し、御社への志望度がとても高くなりました。
例えばESであれば…
こちらは新卒の就職活動で求められることが主かと思いますが。
海外の途上国における社会的な課題解決と事業を結びつけた取り組みで、昨今重要とされている、企業の在り方であるCSVをまさに体現しているプロジェクトであると感じました。
自社の利益だけではなく社会との協業により新たな価値を創出していく姿勢に強く感銘を受けました。企業HPで紹介されている御社の企業理念そしてコアコンピタンスが揃うことで、○○プロジェクトを始めとして、様々な事業創出に繋がっていると感じました。
私自身もこれまでの海外でのボランティア活動等も通して社会課題を事業として解決することに強く興味を持っています。私も御社の一員として社会へ新しい価値を提供したい、と強く感じました。
上記は実際の企業を想定しているわけではないため、表面的な内容で具体性には欠けますが、参考にしていただき、具体的な志望先企業を想定して、ポイントを踏まえた回答に繋げていただけたら幸いです。
「HPを見た感想」でオススメしない回答
その1 他社を貶す・批判する内容(他社との比較)
逆も然りで、面接官の中には同業他社を貶めるような発言をする面接官もいますが、HPの感想を求められた際に”他社”を引き合いに出して、「他社の企業HPは見づらいが御社の企業HPは非常にみやすいです」という解答をする必要はありません。
面接は化かし合いではありませんが、そのような発言をする”候補者”について企業としては、信用できないと感じる場合があります。
”あなた”もそうですよね、面接官が自社のことを持ち上げるために競合他社のことを下げる様な発言をしていたらその企業への志望度はかなり下がるのではないでしょうか。
志望する競合他社のHPまで目を通しておくことはお勧めしますが、その他社との比較でHPの感想を伝える必要はない、といち人事としては考えます。
面接官が他社との比較でHPの感想を伝えて欲しいと思っているともいち人事としては思いません。
その2 細かすぎるニッチなページを取り上げる
あまり複雑でななくシンプルかつページ数の少ないホームページであればいざ知らず、一定の規模の企業のホームページとなると、その構成は非常に複雑かつ情報量も極めて多いです。
そのため、あまりに特定個別かつ、志望動機に繋がらない、採用選考上における企業HPの話とかけ離れた話をすると、正直、面接官にも通じない可能性があります。
はい。御社のHPはアクセシビリティが非常に高い構成になっていると感じました。また、私としては御社の特に~~~のページに着目をいたしました。ここのページでは~~~~~(略)について記載があり、非常に興味深く拝見させていただきました。
その3 HPの内容ではなく、HPそのものへの指摘(感想)
”あなた”がWebマーケやWeb制作の職種やその業界へ応募しているならまだしも、その様な業界・職種とは異なる面接の場で、本当に企業ホームページの構成や出来について論評をすることは避けたほうが良いです。
面接官の期待からは大きくはずれ、むしろ、「この人は何を言い出しているんだろう、全くこちらの意図・期待を汲んでくれていないどころか、あさっての方向だ…」と思われかねません。
となりますね。
企業HPの出来栄えをチェックしてもらいたいわけではありません。
企業HPはどこまで詳細に見たら良い?全ページ読む必要がある?
サイトによっては企業HPを隅々まで見ること、と紹介しているところもありますが、それは不要です。企業HPのボリューム、企業規模に応じての対応で問題ありません。
大きい企業になると社外HPのボリュームは極めて多いです。大手の企業HPを見ていただければすぐにわかるかと思いますが、恐らく1週間あっても全部を読み切ることはできないでしょう…。
会社概要
投資家情報
サステナビリティ
環境活動
広告・展示会情報
採用情報
関連会社情報
…
その項目は上げると多岐にわたります。
そしてその各項目内もかなりのボリュームがあります。また、社員であっても企業HPを隅々まで見ることはありません、それは面接官も一緒です。(社員であれば社内ポータルサイトなどもあるので、わざわざ自分の所属会社の社外向けHPを見る機会も少ないと考えます。)
企業HPはボリュームが多い場合最小限の確認で良い、ボリュームが少ない場合は一通り目を通すのが良い。というのがいち人事の答えとなります。
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さいごに
就活・転職に際して面接の中で「当社のHPについてどう思いますか」と面接官から企業HPの感想をもとめられた場合のその質問の意図と対応についてでしたがいかがでしたでしょうか。
この質問ひとつをもってして合否が判断されるわけではなく、どちらかというと、この質問はアイスブレイク的な位置付けの方が近いのではないかと考えます。あまり肩を張らずにリラックスして回答をしていただけたら良いのではないかと考えます。
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