転職・退職理由|「うつ病」は正直に申告すべき?隠すべき?回答例文は?

転職・退職理由…「うつ病」をきっかけに転職を考えている様な場合、気になるのはそのことをどこまで話すべきなのか?話さないべきなのか…話したらどんなことになるのか?話さなかったらどうなるのか?後からバレる?と…多くのことが気になるのではないかと考えます。ここでは、いち人事として、いち個人として会社側の視点も交えつつ、転職・退職理由がうつ病であった場合、どの様にしたら良いかについてのアイディアをご紹介したいと思います。

【はじめに】そもそも、転職・退職理由って?

何故、転職したいのか?何故、退職するのか?質問として非常に似通っていますね。違いは、転職理由は、現職を辞めて次の会社(キャリア)に進む理由、退職理由は現職を辞める理由ということで、見ている部分・範囲がやや異なると考えます。

転職理由は…「仕事を辞めて新たな仕事に転職をする」その一連についての理由の説明を求められています。将来、先を見据えた質問となります。

退職理由は…「仕事を辞める理由」を求められています。どちらかというと会社を辞めることにした理由、現在ないし過去に遡っての理由を聞かれています。しかし…結局のところ行き着くところは、退職も転職をするために退職すると考えると、転職理由と一緒になります。

強いて言うなれば…

・転職理由は転職という事象がある時に聞かれる
例えば…「より専門性を高めたいために現職を辞めて他社へ転職をする」等です。
・退職理由は転職という事象のあるなしに関わらない
例えば…「育児・介護に専念するために退職する」等はわかりやすい例です。

という違いがありうるのが相違点と考えます。

そして、これが転職の面接において企業から見た場合、結局行き着くところは”何故、弊社?”ということと考えます。また、企業の面接と転職・退職理由は、基本、前向きである必要があります。

いやいや、会社を辞めたいのは不満があるからだよ、なんてご意見、あると思います。おっしゃる通りだと思います、事実、転職・退職理由の大部分は会社への不満(残業・給与・人間関係等々)からであることが多いと考えます。ただ、それは、会社を辞めて転職をする”きっかけ”であり、実際に転職を考える際には高次の段階へ上がる必要があります。転職・退職を考えるきっかけは後ろ向きでも良い、ただ、それを昇華させていくことが重要です。

そう言った意味で、これからご紹介する”うつ病”についても、基本は転職・退職理由と位置付けるのではなく、あくまで転職・退職を考えるに至ったきっかけという位置づけになろうかと考えます。

転職・退職理由「うつ病」は申告すべき?隠すべき?

転職・退職理由「うつ病」を伝えなくても良い理由

さて…「隠す」と言うと何か後ろめたいことがあるかの様なものいいになってしまいますので、「伝えなくても良い理由」と言い換えて進めたいと思います。

その① 選考で不利になるため

伝えない理由があるとしたら、その最大の理由はこちらです。「選考で不利になる」ためです。「何故不利になるのか」それは感覚的にみなさんもご理解いただいているかと思います。

こと「うつ病」に関して言えば、その再発する確率も50%~60%とも言われています。当然、企業の人事担当者もそのことはわかっています。それは知識として知っていることはもちろん、会社内での罹病率などを知る中で経験則としてもそう感じています。つまり、企業としては採用後に「うつ病」が再度発症してしまう可能性に関して強く懸念を感じることになります。そうなると当然、採用にも及び腰になります。

その② そもそも伝える必要はないため

そもそも「病歴」の全てを企業に伝える必要はありません。「うつ病」などの病歴は個人情報の中でも要配慮個人情報と位置付けられており、不当な差別や偏見その他の不利益が生じない様に特にその取り扱いに注意を求められている情報となります。

もしかしたら「うつ病」だからこそ伝えるべきか?どうなのか?と悩む要素があるのかもしれませんが…。交通事故で大怪我をして数ヶ月会社を休職していました…なんて話が過去にあった際にわざわざそれをいちいち面接で話すか?というとそんなことはないのではないかと考えますし、話す必要もありません。他にも例えば…残業が多く、心身に不調をきたし1ヶ月ほど休んでいたことがある…ただ有給を使ったので”休職”ではない。…わざわざ1ヶ月有給を使った話…する必要ないですよね。

さて、濃淡はありますが、伝える義務はないということにはなります。

ただ、業務遂行に関わる様な場合は企業へ告知する必要があります。例えば…”てんかん”のケースなどの場合、車を使って営業をする様な求人の応募の場合は予め申し出る必要があるでしょう。また、「うつ病」等で明確に医師から就業制限(残業不可等)などの指示を受けている様な場合も申し出る必要があるでしょう。

転職・退職理由「うつ病」は正直に伝えるべき理由

その① 企業側が覚悟が出来るから

企業があらかじめその点も含めて面接を行うことができれば、最終的に合格とする場合は、当然、候補者が「うつ病」であった・あるという事実も含めて採用とするという判断を下したことになります。受け入れる人事・職場として会社としての様々な覚悟をもった上での採用という判断になります。

その② 企業側が配慮が出来るから

「うつ病」となった理由は様々な要因があるとは考えますが、例えば、その要因が長時間残業&パワハラであったような場合…企業としては、長時間残業への配慮ができたり、しっかりと受け入れ体制の整ったチームへのアサインなどを検討することができます。もし、事前にわからないままとなってしまった場合、候補者にとっては「うつ病」の再発、企業にとっては候補者の休職等お互いにとって嬉しくない結果になってしまいます。

その③ ”あなた”の心理的負担が軽くなるから

もしかしたら何よりも大切な観点は、選考のタイミングでしっかりと企業へ伝えることで、候補者(”あなた”自身)の心理的な負担が軽くなるのではないかと考えます。もし、あなたが”隠している”という意識をもっているとすると、入社後にその良心の呵責に苛まれることになるかもしれません。入社後に何かがきっかけてバレてしまうのではないか…という不安感もおぼえるかもしれません。入社後に気持よく働くためには、しっかりと事前に開けっぴろげに話すのが良いのではないかと考えます。

転職・退職理由「うつ病」についてもし企業から聞かれたら?”嘘”はNG

企業によっては、直接的か間接的かはさておき、”リスク”有無を確認するために様々な形で質問をしてくるケースがあります。

例えば…

企業
仕事柄、一定の残業も見込まれますが、何か残業について制限はあったりしますか?

なんて質問です。この質問にどこまでどんな確認の意図が含まれているかは企業によりますが、この質問ひとつをとっても企業によっては言葉の裏に、”何らかの心身の不調からの残業への制限”があるかどうかの確認を含んでいる場合があります。企業の期待としては「特にありません。」という回答を期待していますが、主に想定している範囲の回答としては「育児のため…」「家族の介護のため…」等は想定をしています。

他にも…

企業
就業に際して何か配慮が必要なことはありますか?

なんて質問もあり得ます。人によっては「そんなことを聞いてくれるなんて、優しい企業だ」と思うかもしれませんが…これは良くも悪くもありません。確かに、企業によっては温かい気持ちを込めて聞いているところもあるでしょうが、そうではなく、結局は何か”リスク”はないかを判断するために聞いているということもあります。こちらも企業は候補者からの「特にありません」という答えを期待はしています。

もしかしたら…もう少し直接的に

企業
これまでの就業期間中に長期間休職をしたことはありますか?

と聞いてくることもあるかもしれません。企業としては「社会人年数に見合った経験を持っているかどうかというのを確認するため」というのが大義名分になると考えます。わかりやすく例えるなら、社会人歴5年のうち1年の休職期間があれば、その人の経験は4年しかないという判断もできます。「ありません」であれば次の質問にすすみますが、もし、ここで「はい。半年ほど休職をしていた期間があります。」なんてなった場合は、「差し支えなければ、理由を教えてもらえますか?」と聞かれると考えます。

さて…これらの質問が出た際にどの様に回答するか…少なくとも「嘘」はいけないことになりますので、「嘘」をつかない様に回答する必要があります。「嘘」をついた場合に、それが後から発覚した際には、最悪、「内定取り消し」「懲戒」等が考えられます。

※直接的に「過去にうつ病になったことはありますか」等聞いてくる様な企業もあるかもしれません。きっとその企業は過去に何か嬉しくないことがあったのだと思いますが…その様な企業の選考はむしろ辞退をするのが良いのではないかと考えます。

転職・退職理由「うつ病」はどの様に伝える?方法・回答例は?

転職において、必ず聞かれる質問で避けられないのは、「転職理由」「退職理由」になります。この理由のひとつとしてあるのが当然、うつ病ということになるのだと考えます。これまで述べてきた様に、「申告しない」というスタンスで対策を行うことがひとつと考えます。

転職理由も退職理由も前向きな理由で語ることができるはずです。

ただ、もし伝える場合…伝えなければならない様なシチュエーションになった場合、にどの様に回答したら良いのかについて…見解をご紹介致します。

ポイント① 直接的に”うつ病”に言及する必要はない

病名というのは非常にセンシティブですし、その名前を出すことで企業側の余計な不安を煽る可能性もなきにもしもあらずです。「心疾患」や「心身に不調を来たした」等の表現で話すのが良いのではないかと考えます。ただ、面接官によっては「心疾患とは?」と具体的に聞いてくるところがあるかもしれません。その際は、答えた方が無難と考えます。”隠している”と思われると良い結果にはつながりません。

ポイント② 原因に焦点をあてた説明を行う

原因にフォーカスすることで、企業側は”何故”あなたがその様なことになってしまったのかを理解することができる様になります。そして、原因をしっかりと伝えることは、面接官が”自社では大丈夫”という判断を下すことを手助けします。

例えば…長時間労働が原因であった場合…

あなた
業務が多く土日もなく働いており、体調を崩してしまいまして…
企業
それは大変でしたね。(うちでは土日働くなんてまずないし、残業も20、30だから大丈夫だろう。)

と…原因と結果(因果関係)がはっきりしていることで、会社側に安心をしてもらえる。面接官に「うちの会社であればそんなことはないからきっと再度同じ理由で体調を崩すことはないだろう」と思ってもらえるということになります。

ポイント③ 現在は問題がないことをしっかりと伝える

休職中に転職活動をしている人は難しいポイントになりますが、その場合は、原因を明確にすることがより重要となってきます。既に復職をしている様な場合は、現在は問題がなくなっている、または問題に対応ができる様になっているということをしっかりと述べる必要があります。

まず、主には以上の3点をベースに説明を行うのが良いと考えます。まず、ひとつめのポイントとして直接的に「うつ病」と病名を伝える必要はありません。色々な言い換えをすることができると考えます、「体調を崩していた」「精神的にまいってしまった」「心身に不調をきたした」等々です。

避けた方が良い回答例文

あなた
社内で異動をして新しい仕事になったのですが、初めての仕事でわからないことが多く…上司にも相談に乗ってもらえず一人で抱え込んでしまい、最終的にはうつになってしまいました。職場も以前の職場に変えてもらい復帰もしているのですが、今の会社ではもう働いていけないと感じており転職活動をしています。

大変だったであろうことはすごく伝わってきます。ただ、これは、正直すぎる回答で、面接という場で採用をしてもらうための回答とはなりません。

ベターな回答例文

残念ながらこの様に言えば完璧です!というものはありませんが、ただ、前述したポイントも踏まえ…

あなた
現職では非常に忙しく、徹夜も頻繁でした。私自身仕事に妥協をしたくないと感じていたこともあり、必要以上に頑張ってしまっていたのだと思います…ある日、突然心身に不調を感じ…受診の結果、心疾患を診断され数ヶ月休みをいただきました。今は復帰し、自身の働き方も見直して、健康的な生活を送っています。通院ももうしておりません。ただ、その休みが自身のキャリアを考え直すきっかけになり転職活動を行なっています。
面接官が色々と安心をする情報(要素)を提供出来ればできるほど良いと考えます。この例文では、心疾患の要因が長時間残業であること、また、既に業務に復帰していること、そしてその要因に対処していること、既に通院も不要となり業務に問題がなさそうなこと等々がポイントとなります。

転職・退職理由「うつ病」はバレるのか?

基本的には、バレることはありません。

ただ、様々なところでも紹介がされている通り、もし、「うつ病」による休職などが比較的最近であった様な場合、源泉徴収票などから休職を疑われる可能性はあります。休職などをしていた場合、該当年(前年)の給与所得が極端に少なくなる…そして、その源泉徴収票は転職先から年末調整のために提出を求められることになります。そうなると、人事部者などで、「?やけに給与所得が少ないな…もしかして休職などがあったのかな?」と思われることになります。ただ、それがうつ病による休職かどうか…まではわかりません。懸念としては、「給与所得が少ないが間違いはないか?どんな事情か?」を人事から確認される可能性があることです。その様な場合、会社へは間違いがないことを伝えるだけで、事情を事細かに説明をする必要はないため、濁せば良いのですが…「濁す」≒「言いたくない」ということでもありますので、会社からはやや懸念を頂かれる可能性も否めません。

転職・退職理由「うつ病」を申告するかしないかはあなた次第

理由として話すからにはそこに関して面接官から”深掘り”をされる可能性があり、それを覚悟する必要もあります。企業としては、「入社後に期待する活躍をしてもらえるかどうか」を強く意識しています。そのため、もし、候補者に過去の病歴があったことが選考の過程でわかった場合には、ある程度自信をもって「問題ない」と言える様にしたいのです。つまり…事細かに聞かれること場合があります。

候補者(”あなた”)にとって、「うつ病」に関して深掘りをされることは、辛かった時のことを思い起こされ、しかもそれを面接官に話さなければならない…ととても心理的にも負担がかかるのではないかと考えます。事前にしっかりと気持ちを強く持って対応する必要があります。そして、もし、その説明を持ってして面接官の不安が払拭されなかった場合、「不合格」と判断されてしまうリスクも付きまといます。

つまり…パターンに分けるのであれば以下と考えます。

①申告をせずに進む
②必要になった場合には説明ができる様準備をして進む
③申告をして進む

いち個人としておすすめをするのは、「②必要になった場合には説明ができる様準備をして進む」となります。

転職・退職理由「うつ病」…転職するならエージェントもおすすめ

事情が事情であるために色々な悩みが出てくるのではないかと考えます。そして、なかなか周囲の人にも相談しづらいのではないかと考えます…その様な時に一緒に転職活動を伴走してくれるエージェントと一緒に転職活動をするのはあなたにとっても効果的なのではないかと考えます。

もしかしたら、エージェントによっては紹介できる求人がなさそうと言われてしまうかもしれませんが、いくつかのエージェントに相談をしてみて、自身の転職活動をしっかりとサポートしてくれる良いアドバイザーを見つけることが良いと考えます。

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さいごに

転職・退職理由が「うつ病」であった場合について、ご紹介をいたしました。いかがでしたでしょうか。なかなか難しいテーマと考えますが、とても大切かつ切実でもあります。本記事が少しでも参考になり、皆さんの転職活動の成功に繋がれば幸いです。