社会人生活を長く送っているとこんなこともありますよね…離婚…はい…今や日本ではなんと3組に1組は離婚をする時代です。
いち個人として私も周囲で多くの離婚歴がある方がいることを知っています。離婚は決して珍しいものではないのです…。
しかし、かといってそうそう離婚したことをオープンにできるかというと…やはり離婚は決してイメージが良いものではなく、周りには言いたくない・伝えづらいなんて感じる方も多いのではないでしょうか?
こちらでは、いち人事として、もし離婚した際にその事実を会社(上司)に報告する必要があるのかないのか、について見解をご紹介いたします。
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離婚、会社への報告義務はある?ない?
しかし、一言で”会社”といってもその含む範囲は様々です、基本的に報告する必要があるであろう、”会社”の範囲は上司及び人事総務関連の関係者と考えます。
上司及び人事総務関係者はその業務上、部下・従業員を管理するにあたって、また、業務遂行のために知らなければならない立場にいるためです。
ただ、その他のチームメンバー・同僚や、もし部下がいれば部下等々へは基本的に離婚の事実を伝えることは不要と考えます。
なぜなら、業務上知る必要が必ずしもないと考えられるためです。
また、もし、”あなた”が離婚することで一切の影響が出ない様な状況にいた場合は会社への報告は不要かもしれません。
離婚の報告、何故する必要がある?
その① 社内で様々な手続きが存在するため
詳細は後述致しますが、離婚をするということは、それに伴う様々な変更が発生すると言うことに他なりません。
思い出してみていただければと思いますが…おそらく、結婚をした時も会社内で様々な手続きを踏んだのではないでしょうか?
もし、相手を扶養しているのであれば健康保険関係での被扶養者の加入手続きや、氏名を変更したのであればその手続き、また、それぞれの会社独自での既婚者向けの制度適用にあたっての申請等々…様々な手続きをされたことと思います。
つまり…離婚というのはその逆の手続きをする必要が出てくると考えていただければ良いのではないかと考えます。
その② 会社(上司)のマネジメントの参考情報として
完全に企業都合であり、本人(”あなた”)からするとそんなことは知ったことではない…という類の話ではありますが…人事の検討の際に、「家庭状況」はひとつの考慮すべき点としても捉えられているためです。
特に、”妊娠”や”介護”は会社として特別配慮を考える様な事象と言えます。その様な観点で、”離婚”という事象は、つまりその対象者(”あなた”)が独身になったとも言えます。
会社としてもし離婚後にあなたがシングルマザーなりファザーとして子供の面倒見を担っている、なんて状況である場合には、当然、転勤を命じる、なんてことは避けてあげたいと考えるはずです。
もし、上司に伝えないままことが進むと、自身にとって不本意な業務アサイン・人事異動が起こりうる可能性もあります。
その③ 祝ってもらったのであれば離縁の報告も礼儀という考え方
もし、今の職場で結婚を祝ってもらっていた様な場合…そして、離婚に至ってしまった様な場合、その報告をするのはある種「礼儀」とも考えられます。
もちろん、結婚したタイミングと離婚したタイミングによっては今の職場の人にわざわざ報告をする義理はない、なんてケースもあるかと思いますので、ケースバイケースではありますが。
離婚、会社内で発生する手続きは?
もちろん、会社の制度によって異なるところはあるかと思いますが、概ね以下と考えます。
その① 住所変更
離婚後も住所が変わらない人もいらっしゃるかと思いますが、やはり、離婚後は多くの方が住まいが変わるのではないかと考えます。
その様な場合、会社で登録している住所の変更をする必要性が出てきます。通常の引っ越しでも手続きとしては必要ですので、当然と言えば当然です。
※住所を変更するだけで”離婚”がバレるということはないかと考えます。
その② 氏名の変更
もし結婚に伴い、”あなた”が氏名(苗字)を変更していた場合、離婚後に元に戻す必要性が出てくるのではないかと考えます。
女性でも結婚前の苗字を結婚後も引き続き”通称名”として使う方も多いため、表面上は変化がない、なんてことはあるかもしれませんが、会社の従業員管理上のデータベースに登録されている必要があるのは”本名”となります。
そのため、もし、離婚をして姓が元に戻る場合はやはり会社へ届け出る必要性が出てきます。
その③ 相手を扶養していた場合、扶養から外れた際の各種手続き
配偶者を扶養していて、例えば健康保険も自身の被扶養者として加入していた…なんて場合は、健康保険組合からの脱退の手続きが必要になろうかと考えます。
また、会社上のシステムから扶養者の登録を行っていた様な場合もその変更の必要性が出てきます。
その④ 企業制度における各種手当の停止等の申請
よくあるのは、”家族手当”と呼ばれる、既婚者に向けて支払われる手当等があったりします。
会社によってそもそもあるなし、扶養内か外で取り扱いが異なる等々細かい点はあると考えますが、もしこの様に、”あなた”配偶者なり扶養者がいたが故に支給を受けていた手当や、福利厚生は原則全て”停止”の手続きをする必要があります。
この様な場合は、その承認・決裁プロセス次第では上司や人事総務等の関係者に必然的に、”あなた”の家族状況に変更(変化)があったということを知ることになります。
離婚の報告、周囲に伝えることのメリット・デメリットは?
離婚の報告、周囲に伝えるメリット
メリット① 状況次第では企業が配慮をしてくれる
前項にて、企業が従業員(メンバ)をマネジメントする際のひとつの参考情報として知る必要があるとご紹介させていただきました。
特に離婚後に”あなた”が働き方について企業やチームメンバからの配慮が必要な状況になればなるほど、離婚の報告をすることは大切と考えます。
離婚後、育児・家事を全て今まで以上にワンオペで行わなければならなくなり家のことで忙しくなったり…子供の急な迎えなども一人で対応する必要が出てきたり…とすれば尚更です。
職場の配慮・サポートも必要不可欠になるでしょう。その様な状況になる際は、伝えることが、周囲の理解にも繋がるメリットがあると考えます。また、企業側としても転居を伴う異動(転勤)についても配慮をしてくれる様になると考えます。
メリット② ”隠している”と言う意識がなくなり、心理的負担が軽くなる
結局、その企業にいる期間が長くなれば長くなるほど、隠し続ける必要が出てきます。隠しと通そうとそればするほど、”あなた”自身精神的な負担を感じる可能性があります。
そうなると、早いか遅いかはさておき、やはり、思い切って言ってしまう、ということは自身の心理的な負担を軽くすることにも繋がるのではないかと考えます。
メリット③ 会話の際に家庭の話を誤魔化す必要がなくなる
離婚を隠したいとなればなるほど、同僚等との会話において色々と誤魔化さなければならない場面に遭遇することになるのではないかと考えます。
日常会話において、”家庭”の話というのはもはや避けては通れないのではないかと考えます。配偶者の話、子供の話…何気ないトピックが家庭に及ぶ可能性は否めません。
離婚の報告、周囲に伝えるのデメリットは?
デメリット① 当面は噂の的になる可能性
こちらは最早止むを得ない、もし、伝えると決めたのであれば甘受すべきデメリットとも言えます。
人の口に戸は立てられません。同僚に伝えるということはある種その情報(”あなた”の離婚)は最早隠しておけないということになります。
そうなると当然…徐々に裏で”あなた”の離婚の話が広まっていくでしょう。周囲と一言で言っても、一緒に働くチームメンバ、所属している課なり部のメンバ等々た色々な範囲があります。
自身としてはチームメンバ内だけに留めて欲しかった…としても、広まってしまう可能性は否めません。
デメリット② 周囲に気を遣わせる可能性
ただ、気を遣う・遣わないはそれぞれとは考えますが…人によっては、その事実を腫物に触る様な対応をする相手もいるかもしれません。
あからさまに、”あなた”の前では家庭に関わる話題は避ける、なんてことが起こるかもしれません。その様にあまりに変に気を遣われすぎると逆に、自分自身(”あなた”)言わなければ良かったかも…なんて思ってしまう瞬間もあるかもしれませんが。
時間をかけてそんな雰囲気も徐々に改善していくのではないかと考えます。
デメリット③ 不要な詮索に合う可能性
前述とはまた異なり、気を遣うことなく、不躾に深く詮索してくる様な人もいるかもしれません。
「なんで離婚したの?何が原因だったの?子供はどうしてるの?親権は?…」とセンシティブな話題を根掘り葉掘りガンガン聞いてくる…なんて人もいるかもしれません。
聞いてくれても全然大丈夫、という方もいるかもしれませんが、離婚の理由次第によっては正直聞かれたくない、という方もいるでしょう。上手く対応することが求められます。
離婚の報告、躊躇う…報告しづらいのは仕方がない!
「報告の義務」がある…と言われても、言い出しづらい・伝えづらいのは仕方がないないですよね…。
恥ずかしいと感じる方もいるでしょう。純粋に祝ってもらったのに離婚の報告は気まずい、申し訳ないなんて感じる方もいるでしょう…。
しかし、それはもう仕方がないことです。前述で述べたとおり、少なくとも業務上必要な人への報告は避けられません。少なくともそこに関しては腹を括るしかありません。
では…次に気になるであろうことが、チームメンバや会社内で親しい間柄の人たちについてはどうするか?です。確かに、必ずしも知らせる必要はありません。しかし、やはり、出来れば伝えたほうがお互い気楽に働けるのではないかと考えます。
ただ…やはり、言う・言わないは”あなた”がどの様な状況にいるかということも大きく左右すると考えます。
正社員である程度その会社で長く働いていることを考えている様な場合、個人的には同僚含め報告をしたほうが良いと考えます。しかし、契約社員やパート・アルバイトなど”有期”である場合、必要最小限の相手のみへの報告で良いとも考えます。
実際…もし、「実は…離婚をしまして…」と離婚の話をオープンにしてみると、よくも悪くも、同僚からは様々な反応が返ってくるでしょう。
その中には「あ、実は私もそうなんだよね…」なんて話や、「そうなんだ。隠しているわけじゃないらしいから言っちゃうけど、○○さんも、□□さんも離婚しているみたいだよ。」なんて話が出てきたりします。
言ってみると意外とすーっと流れていくのではないか?と考えます。
離婚による変化は大きい、その事実はいつかバレる!
結局、会社へは報告をしなければならない…また、離婚をするとライフスタイルも大きく変わることとなります。そうである以上はいつかはバレてしまいます。
もちろん、必要な手続き上、本当に限られた人にしか報告しないで済む可能性はあります。ただ…これまでお伝えしてきたとおり、色々と”変化”があるのが離婚です。あからさまにバレることはなくとも、”察される”ことになると考えます。
何気ない日常会話の中から、周囲は徐々に”察して”行くこととなります…
「私引越しを考えているんですが、そういえば、○○さんって~~住みですよね??」
「実は引っ越して今は~~なの。」
「へ~そうなんですね。なんで引っ越されたんですか??」
なんて…徐々に答えにこまってきますよね。あいまいな返事・濁す返事が多くなればなるほど、相手も「?」と思う様になります。
もっと直球なケースもあるでしょう。
「実は、自分今夫婦喧嘩中で…○○さんは夫婦仲はどうですか?」
「そうね。可もなく不可もなくかな…。」
”あなた”が既婚者であったことが知られていればこんな会話もあり得るかもしれません。適当に誤魔化すことはできるでしょうが…誤魔化し続けること自体も自身の負担となりかねません。
他にも、
・以前はたまに家族の話も会話に出ていたのに一切家族の話題が出なくなった
・過去は”家族”を理由に飲み会を断っていたのが、飲み会への参加率が上がった
と何かと”家族”という話が会話の中で急に出なくなる場合は周囲は”察する”でしょう。
さて、そんなプライベートのことは普段から聞かないし聞かれないし、話してないから大丈夫!なんてこともあると思いますが…プライベートの会話だけからではなく、思わぬところでバレる可能性もゼロではありません。
・家族用の社宅に住んでいたのが離婚に伴い制度対象外となり引っ越さなけらばならなくなった。
・会社に緊急連絡先の登録などが課されていて配偶者を登録していた様な場合…配偶者から自身の親等に変更する…よっぽどのことがあったのではとなるでしょう。
・子供の送り迎えをしていたのが急にある日を境にしなくなった/子供の送り迎えが急に毎日になった/子供の事情で休むことが増えた。
等々些細なことの積み重ねで周囲の人はなんとなく、何かあったんだろうなと察するに至るということは十分にあると考えます。
さいごに
さて…離婚の報告は必要か、でしたがいかがでしたでしょうか。冒頭でも記載した通り、もはや3組に1組は離婚する世の中です。決して、”あなた”の離婚は珍しいものではありません。恥ずかしいものでもありません。
あまり、難しく考えずに自然体でいられる様にできること心がけるのが良いのではないかと考えます。
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