就活・転職|大手子会社(Gr会社)がおすすめ出来ない理由・デメリット

子会社が実はおすすめな理由という記事も書きましたが、おすすめできない点も当然あります。残念ですが、厳しいリアルな視点で見ていくと子会社のネガティブに見える点も多くあります。ここでは、後ろ向きな視点で子会社に就職することのデメリットを述べていきたいと思います。ただ、決して子会社はやめておけ、という訳ではありません。どこに行っても会社は良し悪しあります。自分にあった会社探しをするということが大切です。

【前提】親会社・子会社・兄弟会社等とは

親会社:
対象となる企業から見て、その企業の株式の過半数(50%)以上を有するなど、対象企業の経営をガバナンスしている会社を”親会社”と呼びます。

子会社:
親会社が株式の過半数(50%)以上を有し、親会社にその経営を握られている会社が親会社からみて子会社となります。

兄弟会社:
同じ親会社を持つ子会社同士のことを兄弟会社と呼びます。

孫会社:
親会社から見たときに、子会社の子会社を孫会社と呼びます。

理由① 親会社からの天下りで管理職ポストの詰まり

天下りと言うと聞こえが悪いですが、それに近しい事象が多く起きています。それは、本体(親会社)である程度の役職まで上がった人が、グループ会社に出向・転籍して貴重な管理職ポストを埋めてしまうという事象です。

そうなると、プロパーで新卒から入社している従業員がゆくゆくはつけるはずだった管理職のポストが減ってしまうため、子会社の従業員からすると不満に感じますし、実際ポストが減るので昇進の期待も薄くなってしまいます。

親会社から天下り的に出向・転籍になるケースは当然様々です。そういった意味では中身的には、”前向きな天下り”と”後ろ向きな天下り”の二種類に大きくは分けられます。ただ、受け入れる子会社側の従業員からすればポストが一つ親会社からの人員で埋められてしまう事実は変わりません。

”前向きな天下り”

子会社の自社内における従業員でその管理職ポストを担える人がいないから親会社から連れてくる、という場合は”前向き”と言えます。

事例)子会社にて今度○○についての新規事業を立ち上げる。親会社にいるA課長は過去に同様の経験もありまさに適任。子会社に異動してもらって部長ポストにつけて立ち上げの責任者を担ってもらおう。

と言ったケースですね。

”後ろ向きな天下り”

日本ではご存知の通りそうそう簡単には従業員をクビにすることはできません。そのため、これ以上本体では活躍の場所がない、と判断された時に、子会社(グループ会社)なら良いだろうと、子会社(グループ会社)に出向・転籍させて本体から引き離す形での天下りです。

他にも親会社にて何か不始末などをした際に左遷的な位置付けでの子会社(グループ会社)への異動であったりもします。

いずれにしても、冒頭で述べた通り、管理職ポストが限られてくる可能性があることは自身の将来のキャリアを考えたときにデメリットとなりえます。

その② 給与・賞与水準が低い

皆さんも感覚的に理解されているかと思いますが、子会社(グループ会社)はやはり、親会社(本体)よりも給与水準が低いケースが多いです。

「別記事で給与水準が同等のことがある。」と、言及しましたが、そういうケースももちろん実際ありますが、大体は低いと考えていただくのが良いでしょう。

給与水準はもちろ会社によりますが、大体親会社の7割~9割程度の水準と考えていただくのが良いでしょう。

給与水準が同等ではと考えられるケースは

NECグループ:アビームコンサルティング
日立グループ:日立コンサルティング
NTTグループ:NTTデータ経営研究所

など、コンサル系や事業上(Value Chain)の上流工程を担うような子会社は給与水準が比較的高いと考えられます。

と言っても、新卒で何百人も採用するような本体よりも入社は”狭き門”である可能性も否めませんので、あくまで参考程度の見解になります。

いち人事のリアルな話

ある年度に非常に良い業績を出した子会社があったものの、親会社は単体では散々な業績だったことがありました。この際に、親会社が散々で賞与が低い中、子会社が好業績と言えど、親会社の賞与水準を超えるわけにはいかない、という判断から、子会社の賞与が親会社を超えないように同等に抑えられた。なんて話もあったりする様子です。

親子の関係性が悪い方向に働いているケースもあるので十分にそこは注意です。

その③ 福利厚生が悪い(親会社に劣る)

別記事では福利厚生が同等の可能性という面で述べましたが、逆に悪い可能性も当然あります。福利厚生として親会社も子会社(グループ会社)も含めて同じにすることでメリットがうまれるものとそうでないものがあります。

例えば、寮・社宅などの会社が所有している施設はグループ会社含めて全体で活用した方が企業としてメリットがありますが、住宅手当などは純粋に、会社が従業員の賃貸費用に一部補助として”お金を配る”類のものになります。

これは親会社が”住宅手当は独身者には5万円”としていたとしても、子会社では”住宅手当は独身者には3万円”となっていてもなんらおかしくはないです。

子会社の位置付けとしてやはり、親会社と比べてコストを抑えた事業運営がされるべきであるという思いもあると考えると、細かな点で親会社と比べて福利厚生面で劣っている部分があると考える方が理にかなっていますし、当然です。

その④ 転勤の可能性が高い会社もある

これは会社の企業HPを必ず確認すればあらかじめ避けることができるデメリットになりますので、親会社と子会社の役割分担をよくよく理解しておくことをオススメします。

例えば、販売会社のようなところあれば、全国各地に支店があり、営業マンは全国転勤が当たり前のようにありうる…でしたり、銀行員も支店間の転勤があったり、製薬会社のMRなんかも全国転勤がありうる仕事と考えます。

逆に子会社ゆえに事業領域が狭く、地域も限定されているケースもありますので、このあたりはしっかりとリサーチすることが大切です。

その⑤ 親会社からの無茶振りがある(立場が弱い)

その会社の売上の内容を確認してみましょう。IT業界などでよく使われていますが、”内販”と”外販”という言葉があります。

簡単に説明すると、
内販は親会社やその他のグループ会社などから仕事をもらって開発などをするお仕事です。
外板は親会社やその他のグループ会社ではない他社との直接の取引をもとに行う仕事です。

この比率を確認すると大変さが少し推測できるかもしれません。

内販比率が高いと親会社の依存度が高い、つまり、親会社のいいなり度合いも高くなると考えます。
外販比率が高いと逆に親会社への依存度が低い、そのため、自社として直接外部の他社(お客さん)とやりとりをすることが多く、親会社からの無茶振りというのは少ない、と考えられるでしょう。

ただ、内販対応と外販対応どちらが楽なのか…それはケースバイケースで、人によっても受け取り方の違いがあるかもしれません。

親会社は受注を取るだけとってきて厳しい要件・納期で開発は子会社に丸投げ、なんて会社ですと子会社としての業務は非常に厳しいものになると考えます。例え、外販だったとしても、営業やお偉い方が無茶な受注をしてきたらその対応をしないといけない人は当然大変になるため、内販中心だから楽・外販中心だから楽といったところはあまり関係はないかもしれません。

ただ、少なくとも会社として完全に独立しているところよりも、子会社は親会社からの無茶振りで苦しむかもしれない、といった他にはない苦労があるであろうことは確かです。

いち人事のリアルな話

”やり易い”と言う話もよく聞きます。親・子関係というよりも、同じ○○グループとしての一体感・仲間意識の方が強いため、親会社が子会社へという一方的な命令よりも、仲間として一緒に進められる関係である。なんて話を聞いたりすることもあります。ネガティブに書いた”天下り”も、いい意味で、上司が元親会社の人のため親会社とのコミュニケーションも上手く、仕事がやりやすい、なんて話を聞くこともあります。こればかりは会社によるんだろうなぁと思います。

その⑥ 売却リスク等親会社と比べ会社として不安定要素がある

日々ニュースを見ていると目にすることがあると思いますが、親会社の方向性によって、子会社は当然親会社から売却されるリスクがあります。

売却の結果、良い方向に転べば良いのですが必ずしもそうなるとは限りません。(逆に言えば、事業の重要な部分を担っていて、将来的に親会社として伸ばす・注力したい事業に位置付けられていれば将来的に親会社に吸収・合併されるということもあり得ますが、その可能性は僅かでしょう。)

いずれにしても、その”不安定”な要素があることは否めません。言い出すと”親会社”自体が買収されるなんてこともあるかもしれませんが、そうなった場合、親会社の下にある子会社はさらにどうなってしまうかわからない環境に置かれるわけです。

確率としては非常に低いにせよ、そのあたりも念頭におくのが良いかと考えます。昨今で言えば経営不振におちいった、東芝も子会社を切り売りしましたし、日立製作所も選択と集中・構造改革の一環で多くの事業やグループ会社を売却してきました。何がどうなるかはわからない可能性があるのが子会社の位置付けでもあります。

大手子会社はやめておくべきか?

非常に議論があるテーマだと考えます。

大手子会社が実はおすすめ理由と、大手子会社をおすすめしない理由の両方を読んでいただいてご自身で判断してもらうしかありません。

本記事はあえて、マイナス面にフォーカスを当てた記事になります。そのためこちらを読むと「子会社はやめたほうがいいんだな」と捉える人はいるかもしれません。

ここでお伝えしたいのは、こういったネガティブな面、見方もありますよ、というそのひとつの観点にすぎません。

子会社でもやりがいのある仕事について、しっかりとキャリアを歩んでいる人、それなりの給与・賞与を受け取っている人はたくさんいます。

大手子会社を狙うならスカウト・エージェントがおすすめ

大手子会社は、親会社になまじネームバリューがあるが故に、良くも悪くも人の獲得に苦戦している一面もあります。なぜなら、やはり傾向として親会社に人が流れていってしまうためです。

そのため、人材獲得には非常に苦慮しています。子会社としては人事部門も限られた人員の中で採用活動をしますので、自ずと、エージェントを活用しているケースも多くなってきます。

そのため、大手子会社を狙うに当たっては大手のエージェントをひとつは登録して進めることをおすすめします。

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さいごに

何度も言いますが、子会社でもメリットがある部分、子会社だからデメリットがある部分賛否両論でどちらの意見もありますし、様々な捉え方があると思います。それは会社会社によってどちらの側面が強いのか?ということに他なりません。

親会社からの出向・転籍でポストが埋まるというネガティブな見方もあれば、逆に、子会社は子会社なりに自社のプロパーの人材育成も意識的に力を入れていたりします。そのため、人員が少ないため中長期的に見て親会社の従業員と比べて管理職に確実になれそうなチャンスが多くあると私(いち人事)として感じる部分もあります。

そのため、この記事も含め、ネットで調べられる、”一般的には”、”大体のケースで”、といった子会社を十把一絡げにした話はあくまで”参考”としていただき、就職・転職に当たっては、その企業先の会社そのものをしっかりと深くリサーチしてもらうことが良いと考えます。そして、その事実が自分にとって良いのか悪いのかというのを見極めて頂ければと思います。

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