就活|ガクチカ/自己PRでTOEICはあり?なし?オススメしない理由【人事が語る】

就活では、企業へのエントリーの際に大きく3つの項目がエントリーシートなどでもよく聞かれます。それは、「志望動機」「学生時代に力を入れて取り組んだこと」「自己PR」です。いち人事として、新卒採用の面接をしていると時々出会うのが、ガクチカ/自己PRでTOEICの話をする学生です。それ自体が悪いわけではありませんが、いち人事としておすすめはしません。いち個人の意見も混じっていますが、いち採用担当としての意見でもありますのでご参考になれば幸いです。

【前提知識】TOEIC L&Rとは

TOEIC L&R(Test of English for International Communication Listening&Reading Test)ですが、国際ビジネスコミュニケーション協会によって提供される、英語のコミュニケーション能力を世界共通で評価するテストです。また、対象が学生や社会人となっておりビジネス向けの英語資格となります。そのため、様々な企業でTOEICのスコアは、どれくらい英語が出来るのかをはかる指標のひとつとして参考にされています。

スコア別定義

Aレベル 860以上:Non-nativeとして十分なコミュニケーションが出来る
Bレベル 730以上:どんな状況でも適切なコミュニケーションが出来る素地を備えている。
Cレベル 470以上:日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションが出来る。
Dレベル 220以上:通常会話で最低限のコミュニケーションが出来る。
Eレベル     :コミュニケーションが出来るまでに至っていない。
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会 PROFICIENCY SCALE
TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表より
https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/lr/pdf/proficiency.pdf

属性別(TOEIC公開テスト平均)

社会人:約610点
学生 :約560点
全体 :約585点

【前提知識】企業がガクチカ/自己PRを通して見たいことは

エントリーシートも面接も、企業側が”あなた”のことを知る・評価するために行われているものです。”あなた”が自社の人材要件を満たしているかどうか、自社にマッチするかどうか、を判断するために行われています。(もちろん、”あなた”が企業を見定める場であるという逆の意味あります。)

主に企業から見られているのは以下です。
・人材要件を満たしているかどうか
・コンピテンシーを発揮しているかどうか
・知的能力(言語・計数・英語等)が最低限以上か

そして、
・再現性
・実績
です。

人材要件とは

端的に言うと、企業が求める人材象を明確化したものになります。企業が企業ごとに独自に設定しているものとなります。「企業が求める人材像」というとわかりやすいかもしれません。平たく言うと

・積極性
・外向性
・柔軟性
・協調性

等々になるわけですが、これを企業がそれぞれ企業ごとに定義し、明文化しているものが、人材要件です。

コンピテンシーとは

コンピテンシーとは行動特性のことをさします。優秀者に共通して見られる行動の特性で、自社で活躍している社員や企業の期待することなどから、その企業のコンピテンシーが定められます。

例)知識のインプットだけでなく、アウトプットする機会を意識的にもうけている。
他者の意見を引き出し、共感を見せた上で、自身の意見を述べ相手を説得している。
目標を定めてその目標達成のための的確なマイルストーンを置いて実行にうつしている。
等々です。

再現性・実績とは

新卒採用は、皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、”ポテンシャル採用”とも言われます。これは直接の業務経験がない人材を”ポテンシャル”≒”可能性”で採否を判断するというものになります。この際、企業が参考にするのは、お察しの通り、この「ガクチカ」「自己PR」等のES、そして面接での受け答えの内容となります。

再現性

その中で、前述の人材要件・コンピテンシー発揮についても判断しますが、その”再現性”、つまり企業に入ってからも同様の力を発揮できそうかどうかと言ったことがひとつ大切なポイントとなります。しっかりと個人なりにPDCAを回していて、その学生時代の経験が会社に入ってからもいきるかどうか、というところになります。

実績

また、実績(成果)をしっかりと出せたのかどうか、というのも加点要素としてありえます。その難易度が高ければ高いほどものごとへの意欲が高いとも判断できます。実績がないということは、”何か”プロセスに課題があるという捉え方もできます。そのため、出来れば実績が伴っていることが望ましいです。(ただ、失敗も成功のもとですので、必ずしもこれは全部が全部そうとは言いません。)

【前提知識】ガクチカと自己PRの違い

ガクチカ:何かしらの目標に向かって力を入れて取り組んだ話
自己PR:”あなた”がどんな人かについてPRすることが出来る話

とそれぞれ話す目的が異なります。

(ご参考)ガクチカはSTAR法・自己PRはPREP法で書くと良い。

STAR法とは…

S:Situation(状況)
T:Target & Task(課題・目標)
A:Action(行動)
R:Result(結果)

をベースに文章を構成する手法です。

PREP法とは…

P:Point(要点)
R:Reason(理由)
E:Example(例)
P:Point(結論)

をベースに文章を構成する手法です。

ガクチカ・自己PRにTOEICをオススメしない理由

1:そもそもの目標設定が難しい

ガクチカにせよ、自己PRにせよ、TOEIC(英語力)を取り組みとして言及するからには、目標のTOEICスコアについても触れないわけにはいかないでしょう。

そうでなければ、面接官から

企業
なるほど。TOEICに取り組まれたんですね。何点をめざして取り組んだのですか?

と聞かれるでしょう。

この目標設定が低いと、”達成意欲が低い”との判断もされかねません。

また、”あなた”にとっては高い目標設定だったとしても、世間一般なりその企業から見て低いレベルをめざされても企業側としては興醒めしてしまうと考えます。

大企業であるほど、そもそもの志望してくる学生のTOEICスコアは非常に高いです。
某大手企業(TOPIX100構成のいち企業)では文系学生の内定者のTOEICスコア平均は700半ばを超えているという話もあります。

採用担当者は自社の内定者のTOEIC平均も当然知っています、そのスコアと比較してわざわざ低いスコアをめざしたことをPRされても困惑してしまうと考えます。

2:そこに至るまでの手法・対策が限定的

TOEIC(英語)は正直、”勉学”です。そのため、スコアを上げるための手段は非常に限られています。リスニング&リーディングとなると、基本は”座学”となるかと考えます。

良く聞く話でも、

・外国映画・ドラマを英語音声・英語字幕でみました。
・英語の得意な友人にコツを聞きました。
・大学の外国人の友人と積極的に話すようにしました。
・毎日時間を決めてとり組んで、苦手なパートを把握して重点的に取り組みました。

等々が主な方法として聞かれます。

”独自性”を求めているわけではありませんが、取り組みに目をみはるものを述べるのが難しいのがTOEICだと考えます。あの手この手で勉強を頑張りましたというのはやはり、相当なレベル(目標設定の高さ)がない限りは困難と考えます。

そして、学習を通しての”成績を上げるための”PDCAはほとんどの人がそもそもこれまでの受験や高校時代で経験済であるはずでそれを今更TOEIC学習でPRされても正直、やはり困ります。

3:比較的”個人”作業であり人との関わりがわからない

企業が気にする評価項目のひとつに、周囲の人との関わり方(チームワークやリーダーシップ等)があげられます。TOEICは特にこの評価項目を評価しづらいエピソードとなります。

そのため、「学生時代に力を入れて取り組んだことを教えてください」「自己PRをお願いします」と言われた後にTOEICの話をしてもひとしきり話をし終えた後に、

企業
周囲の人と一緒になって力をいれて取り組んだことがあれば教えてください。

なんて質問を投げかけられることもあるでしょう。(私は良くします。)

そうなると、そもそも準備をしてこなかった内容を聞かれ、いきなり答えないといけないという焦りはもちろん、準備していないが故にうまく話せなかったりする可能性もあるでしょう。

個人での取り組み方はわかってもらえても、企業として知りたいこと、入社後の周囲の人とのチームワークを取りながらの業務推進についてうまく出来そうなのかどうなのか、が不明瞭なまま面接が終わってしまう、ということもありえます。

4:学業はあたりまえ・努力の程度が見えづらい

そもそも、TOEICのスコア向上は基本勉強です。

そして、日本では、中学受験、高校受験、大学受験と多くのタイミングタイミングで”英語”を勉強しなければなりません。そんな中で、大学生になってからTOEICを勉強し始めましたと言われても、多くの優秀な学生はすでにそのフェーズは通り越している話になります。

面接官自身も、企業の中でTOEICを受けさせられていたりして、あまりにもTOEICは一般的になり過ぎているが故に、評価がなかなかされ辛いと考えます。

やっていて当たり前、やれて当たり前、と看做される可能性もあります。

5:TOEICの成果だけで見ると上がいくらでもいる

確かに、ガクチカ・自己PRであげたいからにはそれなりに頑張ったのでしょうと思います。

しかし、頑張っても上には上がいて、TOEIC700です、TOEIC800ですという人は就活生の中にもたくさんいます。その就活生たちはTOEIC700なり800を取得した上で、ガクチカ・自己PRではTOEICの話はせずに他のエピソードを語る人がほとんどです。

そうなると、”比較”した際に、どんなに作り込まれたガクチカ/自己PRであったとしても、「TOEICを頑張りました」では少々”力不足”に感じます。

TOEICは既に700以上を取得した上で、

・アルバイトで店舗の売り上げ向上に貢献するために店舗の課題を見つけ、解決に向けた仮説をたて、それを責任者に提案して、説得させ、実行している、そんな経験をして、成功・失敗からまた学びを得て、次の施策に手をつけ始めている。
・サークル活動で大会入賞を目指して、チームメンバーに自身のビジョンを共有し、共感してもらい、一緒に目標達成に向けて活動に取り組んだ。その中でメンバとの意見の衝突やチームの課題を解決しながら目標をめざして頑張った。結果、大会入賞もできた/入賞出来なかったが非常に良い経験となった。

と、力強く述べるそんな就活生が沢山いるわけです。

どちらに会社として期待をするかは言わずもがなではないでしょうか。

TOEICについてどうしても書きたいなら…

1:自己PRで書く方がおすすめ

ガクチカのエピソードではなく、自己PRで書きましょう。

最も力を入れて取り組んだ経験が、”TOEIC”では少々味気ないと感じます。

自己PRであれば、”あなた”の強み(人となり)をアピールするエピソードとなりますので、その強み(人となり)を紹介するためのエピソードがTOEIC(英語)の勉強だったとしてもある程度は良いと考えます。

・継続的に努力が出来ることをPR
・目標達成に向けてコツコツとストイックに向かっていけることをPR
・自身の弱みを把握してそれを改善していけることをPR

等々が出来るのではないかと考えます。

※ただ、その”強み”を活かして取り組んだ物事についてはTOEIC以外の話を聞かれるかもしれないことも考慮しておくのをおすすめします。

2:なぜ取り組んだのかを明確にする

何故TOEICに取り組んだのかを明確にすることは、納得生をもたせるために必要不可欠です。

一例

自分の強みは、自分が叶えたい目標に向かって努力が出来ることです。将来はグローバルに活躍したいという思いが強くありましたが、その上で、自分の英語力は全くそのレベルに足りないと感じていました。そのため、自分の英語力向上に向けて800以上を目標に掲げTOEICに取り組みました。結果、初回は500しか取得出来なかったが直近では850の取得が出来ました。その他グローバルな活躍のためには当然”会話”も磨く必要があると考えているため、外国の友人との会話も通してコミュニケーションスキルも鍛えています。こちらについては定期的に英会話スクールにも通い、3年間で、スタート時は低いレベル、英単語でのコミュニケーションという判定から、今では、海外での生活に困らないというレベルのクラスまで成長することができました。

・就活のために英語が必要だと考えたから
・周りが受けていたから
等々なんて主体性のない理由は避けましょう。

3:高い成果を出す

これまで述べてきました通り、TOEICはただの勉強の話ともなりかねませんので、話すからには高い成果を伴っていることが望ましいです。

語るなら、目標設定として845以上(TOEICスコア分布における上位1割)
そして、結果もそれに近しい成果が出ていることが望ましいと、いち人事として感じます。

300から700も凄いのではないでしょうか?力を入れたこと・自己PRになりませんか?
という話もあるかもしれません。前述の通り、TOEIC700以上を所持した上で他のポイントでガクチカ・自己PRをしてくる学生がそのほかにたくさんいるため、そこはそうとは言い切れません。

”あなた”個人にとってはすごい取り組みだったのかもしれませんが、企業側における合格ラインを超えているのかどうかと言われると、それは企業次第です。

ガクチカ/自己PRにTOEICは書けますよね?Q&A

あなた
いやいや、たくさんの就活サイトでTOEICはガクチカ/自己PRに書いて大丈夫って言ってるじゃないですか。なんでですか?

という方向けにいち人事の独断と偏見でお答えします。

 

TOEIC(勉学)は学生の本分だから良いって言うじゃないですか?
本分というからには前述の通り、それ相応の点数が必要です。逆に生半可なスコアだと”本分”をおろそかにしている、”本分”すら満足に出来ないということになります。そして、実は学生の本分はなによりTOEICではありません。大学・大学院における専攻分野における深い知識の習得がそれと考えます。むしろいち人事としては、その専攻分野における深い知識の方が気になります。
目的・目標が明確であればいいのではないですか?
目的・目標が明確であることは確かに大切です。しかし、例えば”将来海外で活躍したい”という目的・目標がある場合、このためにすることがTOEICの勉強でしょうか?”あなた”の考える将来海外で活躍出来る人=TOEICスコアの高い人でしょうか?だとしたら、既にそこからミスマッチが起きている可能性が高いです。確かに、英語が出来ることはひとつの要素とは考えます。しかし、グローバルに活躍するために必要なことって、英語のリスニング・リーディングではありませんよね?むしろ、多様な人種がいる留学生で構成されているサークルに入り込んで、日本人がマイノリティの中、何らかのイベントに精力的に取り組んできた方が圧倒的に評価できます。

TOEIC高得点をめざすために出来ること

英語漬けになることです。

特に大学生・大学院生と言えど、アルバイトにサークルに、普段の学業に、遊びにとそこまで毎日暇にしている人は少ないと考えます。そうなると、必要なのは、”隙間時間”の活用です。いつでも持っているスマホで勉強をすることがまずは出来ることと考えます。

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さいごに

本記事を作成するにあたり、他の記事も拝読しましたが、比較的ガクチカ・自己PRにTOEICは「問題ない!」と書いてある記事が多いように見受けました。もちろん問題があるわけではないですが、いち採用担当者としてはTOEICはオススメしません、ということでこちらを述べさせていただきました。最後にどのようなエピソードで就活をするのは皆さん次第にはなりますが、本記事が少しでも参考になれば幸いです。