面接の場で一通り質問が終わり、最後の方の場面で聞かれることが多いのではないかと思われますが、よくある質問のひとつがこれ、「他に受けている企業はありますか?」です。
学生側からすると一体どんな意図を持ってこの質問がなされているのかが不明なため、どのように答えたら良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。
「他に受けている企業は?」の質問例
「他に受けている企業は?」については、その意図によって一通りの質問の中の一部として使われていることも多いと考えます。つまり、それに続く、第二、第三の質問もあり、それがセットで投げかけられるということです。
「他にどのような企業を受けていますか?それぞれの志望度は弊社も含めてどのような志望度合いになっていますでしょうか?」
「他に受けている企業はありますか?ちなみに何故その企業を志望しているのでしょうか?」
「他に受けている企業はありますか?もし全ての企業から内定が出たらどのような観点で内定を受諾する会社を決めますか?」
等々です。
「他に受けている企業は?」を面接官が聞く意図は
1 その後の採用活動に活かすため、どのような企業が自社と競合しているかを知りたい
企業側として興味があるから、と言っても差し支えないかもしれません。特に新卒採用においてはこの意図をもって質問をしているケースも多くあります。
また、いち人事としてもこの観点は重視しています。意外とこの情報は採用担当として採用活動の振り返り、翌年度以降の採用活動の企画・立案に際して、貴重な参考情報となったりします。
自社の選考に来た学生が、一体他にどのような企業の選考を受けているのか、一体どの様な会社の内定を受けて自社を辞退したのかといった情報収集のためです。
新卒採用市場における自社の競合となっている企業を知るためにこんな質問をしている。そんな意図も含まれています。
想定やりとり
という具合ですね。
2 自社の位置付け、自社への志望度合いをはかるため
もうひとつは、他に受けている企業について確認することで、その選考を受けている複数の企業の中での自社の位置付け・志望度合いをはかるためです。
想定やりとり
という深掘りする質問をしたくなるかもしれません。
3 就職活動において何を重要視していそうかをはかるため
候補者の受けている企業を知ることで、そこに何かしらの軸を見出すこともできます。つまり、”あなた”が何を重要視していそうか、しているのかを確認するためにしているものとなります。
想定やりとり
4 応募者の選考状況を確認し、合否出しの際の参考にするため
新卒採用活動は企業側からしても競争であったりもします。新卒採用ともなると、同時期に一気に何十人、超大手企業であれば1日に何百人もの選考をすることもあります。
そんな状況の中でも、より優秀な候補者(学生)を出来るだけ企業として確保するために、他社の選考状況を確認することがあります。
想定やりとり
という具合です。他に受けている企業を確認した上でさらに質問を重ねて、その選考状況を確認するということです。
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「他に受けている企業は?」への回答の際のポイント
その1 基本的には正直に答える
他に受けている企業はありますか?宜しければどのような企業を受けているか教えていただけないでしょうか?
これで十分かと思います。
一旦はこれで十分ですが、これまでのやりとりシーンなどでご紹介させてきた通り、第二・第三の質問が来る可能性について頭の片隅にでもおいて置いていただければと思います。
その2 基本は正直だが、必要以上に答える必要はない
もう一つのポイントは変に気を遣って必要以上に答えることはない。ということです。例えばそれは、選考状況について聞かれていないのに答える等です。
変にフォローや物事を付け加えようとすると、答えがたどたどしくなったり、非常に長い回答になってしまったりしかねません。
もちろん、例えば、応募先企業の志望度をさらに補足したいという場合はしっかりと適切にポイントを絞って付け加えることができるのであればこの限りではありません。
その3 出来れば答える企業の業界は統一感を出せると良い
典型的な悪い例から言いますが、たまにあるのが以下のようなケースです。
NGケース
このようなことにも陥らないためにもある程度、しっかりと”軸”が見えるような答えを用意しておくことが望ましいです。
その”軸”が見えるという回答の仕方の一つが、同業界の他社を受けているという答えです。もちろん、”軸”を通せればその他でも構いません。”業界”というのも一つですし、”職種”というのもひとつとしてなり得るかもしれません。
その4 既に不合格となった企業については答える必要なし
基本的には既に不合格となった企業について答える必要はありません。「他に受けている企業は?」ということで現在進行中のことを聞いており、「他に受けた企業は?」と聞かれているわけではありません。
ただ、前半でご紹介した、企業が、採用市場における自社との競合を知りたいという意図も含めて確認をしたいと思っている場合は、「他にこれまでに選考を受けた企業について教えてください」等と広い範囲で確認をしてくる可能性もあります。
その5 他に受けている企業が「ない」場合は?
もし、他に受けている企業が「ない」場合は、「ない」で問題ありません。
回答例①
回答例②
回答例③
新卒就職活動にはスカウトとエージェントの併用がおすすめ
リクナビ・マイナビでの就職活動がスタンダードな方法の一つになりますが、最早それだけでは就職活動の成功は望めなくなってきました。
それは、新卒採用市場において、学生がとる就活方法も多様化してきており、企業側としても、採用計画を達成するためにやはり同様に多様な採用方法を取り入れてきているためです。
その典型的な手法のひとつが、スカウト型の新卒採用です。こちらは、”あなた”が情報を登録しておけば企業側からあなたにスカウトを送って面接確約等で選考に呼んでくれるスタイルの採用です。
そして、その次に徐々に高まってきているのが新卒を対象としたエージェントです。就職活動においては、その情報やテクニックも非常に大切になってきます。
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おすすめの逆求人サイト①
大手からベンチャー企業まであなたにオファーが届くスカウト型就活サイト【OfferBox】
オファーボックスは“企業が動き、会いたい学生にだけ会う”採用活動のスタイルです。実はこのオファーボックス、日本最大級の人事ポータルサイトHRproが主催するイベントにて表彰を受けており、企業の人事担当者にも名前が売れているサービスとなります。
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dodaキャンパスは贔屓をするわけではありませんが、私の所属会社でも実際に活用しており、一部選考免除等のダイレクトオファーを実際に行っておりますこともあるので、オススメいたします。
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さて、こちらでは、逆求人型の就活サイトのひとつであるdodaキャンパスについてご紹介をしたいと思います。実は、筆者もいち人事担当として企業側の立場でこのdodaキャンパスを活用させて頂いています。そのため、そもそもdodaキャンパスってなに[…]
おすすめの新卒向けエージェント
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アンテナの高い人は感じているかもしれませんが、昨今の企業における新卒採用活動は今までの一括採用スタイル(大量に応募者を集めてふるいにかけ大量に落とし、残った人材を採用する)から、個別採用スタイル(自社に合う人材をピンポイントに狙って取ってい[…]
さいごに
「他に受けている企業はありますか?よろしければ教えてください。」と聞くと何故か、何を警戒しているのか答えてくれない、なんて人も一定数います。逆に、何故なのか聞いてみたいです。
といち人事の気になることもあったりしますが、いかがでしたでしょうか。「他に受けている企業は?」という質問には色々な意図が含まれています、ただ、その1回の質問のみをもって企業側の意図する情報を十分に引き出せるわけでもないため、大体のケースでそれに続く2つ目・3つ目の質問が面接官が”意図”して聞きたいことに最も近しいものと考えます。
いずれにしてもしっかりと応答できるよう、準備をして臨んでいただくことをおすすめします。
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