キャリア|転勤したくない!断る方法は?転勤のメリット・デメリットは?

転勤、全国に拠点があるような企業においては避けては通れない異動のひとつです。

転勤があることもわかっている、知ってはいるもののいざ自分がその対象となりうると思うと、いざ自分がその対象になると…「転勤したくない!」と思う方も多くいるのではないでしょうか。

ここでは、転勤を経験したいち人事として、転勤について…そして、転勤を断る方法の案についての見解を紹介します。長文になりますが、最後までお付き合いいただければと思います。

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目次

そもそも転勤って?

このあたりは、すでに社会人の方には言わずもがな、学生の方は、「そうだったんですね。」という反応かもしれません。そもそも”転勤”が意味する範囲も広いため、”そもそも転勤って?”ということで前提を共有したいと思います。

一般的に、転勤とは同じ企業内で勤務地が変わることを言います。

はい。そうですね。しかし、この転勤の中身をみると色々な種類の転勤があります。ここで話をしていく前提のための説明も含めますが、ひとつ転勤を分けるとすると、それは

・転居を伴う転勤
・転居を伴わない転勤

の二つです。例えば…

転居を伴う転勤例:営業職種の人が、東京本社から大阪支社に異動、それに伴い東京から大阪に引越しが必要。
転居を伴わない転勤例:営業職種の人が、東京本社から横浜支社に異動。現住所から通勤の範囲内であり転居は発生しない。

ということです。

転勤制度の根源は日本型の採用スタイル、所謂メンバーシップ型の採用があると考えられます。

欧米のジョブ型では職務内容や勤務地なども含め従事する業務が決められているのに対して、日本のメンバーシップ型は終身雇用を前提に、会社での育成や会社での人員配置等のためにジョブローテーションが一般的に行われています。

そこで転勤も発生する。ということですね。

そもそも転勤を命じることができる根拠とは

企業側にはその企業内において職種・勤務場所等を変更する権利があります。労働契約を結ぶ際に、その労働契約書自体や、または就業規則等でも定められています。

転勤がある企業では、「業務の都合により、業務内容の変更や勤務地の変更を命じることがある」などという文言が必ずと言っていいほどあると考えます。

逆に言うと、少なくともこの様なことが記されている・定められていない限り会社として転勤を命じることが出来ないと言うことになります。

特別、業務について限定されていたり、勤務地について限定されていない限りは、企業側が従業員に対して転勤(配転)を命じることができます。

その上で、実際の転勤発令に際しては、以下の点がポイントになります。

・業務上の必要性
・転勤命令の動機・目的の正当性(不当な動機・目的ではないか)
・労働者に対して通常甘受すべき程度を著しく超える不利益があるかどうか

の3点となります。

これらが担保されていれば企業の転勤命令は法的には有効となるでしょう。

転勤したくない!確かに転勤はデメリットは多い!

デメリット① 家族がいれば家族への様々な負担増加

家族がいる場合は、”転勤”が家族に与える影響も甚大です。そもそも、まず、転勤を単身赴任でするのか家族帯同でするのかという大きな決断を迫られることになります。そして、どちらを選んでも負担が発生します。

単身赴任の場合

配偶者は配偶者で、自身は自身でのそれぞれの生活となります。

故に、生活費もやや多めにかかることになるでしょうし、場合によっては住まいの持ち出しも出てくるかもしれません。

子供がいる場合はどちらかが一人で面倒を見る必要も出てくるためその家事・育児の負担も増えるでしょう。金銭面・家事育児の負担非常に大きいものを背負う必要が出てきます。

家族帯同の場合

子供の年齢によっては子供を転校させなければならないという子供の心配もあります。また、配偶者も仕事をしていた場合は配偶者も仕事をやめなければならないこともありえます。

そうなるとやはり一時的に世帯の所得が減る可能性もあります。子供の新しい環境への適応の心配もあります。とやはり負担は大きいです。

配偶者にとっても知らない土地であれば知り合いもおらず孤独な思いをする可能性があります。

デメリット② ライフイベントへの計画が難しくなる

独身者であれば結婚がしづらくなる可能性

”私”自身の身の回りでも多くのこのような方を目にして来ました。”転勤”がある人はそれだけで婚活市場において人気が下がります。

また、”転勤”をきっかけに遠距離になってしまい最終的に別れに至る…なんてケースも多くあります。”結婚”というライフイベントの計画がしづらくなるのもデメリットです。

既婚者であれば子供をもうけるタイミング

そうそう頻発するわけではありませんが、”私”自身は該当しました。出産のタイミングと転勤のタイミングが重なってしまうことは大きなライフイベントが重なることにより非常に負荷が大きくなります。

転勤が当たり前にあるような人は、いつ子供をもうけるか?といったことも多少は気にする必要があります。

※話はずれますが丁度、結婚のタイミングと転勤のタイミングが絶妙に重なり合い、結婚→新居へ引越しの後数ヶ月後に転勤…仲介手数料・礼金はもちろん無駄に…違約金まで支払う結果に…そして、また、新しく転勤先の住居探しに…さらに結婚式場も手配を進めていたため、結婚式はわざわざ転勤先から戻ってきて実施…なんてケースを目の当たりにしたこともあります。

デメリット③ 引っ越し等の準備・必要な手続きは全部”私用”扱い

基本的に、引越しの準備は従業員自身で行うものと考えられます。

新しい転居先の選定から、荷造り・荷解き、各行政手続き、銀行等各所への住所変更の手続き等々、引っ越しをするだけで、何日もの時間を費やし、幾つもの手続きをこなす必要があります。

たかが、引っ越しされど引っ越しです。企業によっては”転勤休暇”なるものが存在している企業もありますが、当然、これは”仕事”ではなく、業務外として取り扱われることが大体かと思います。

独身者の引っ越しも大変ですが、家族での引っ越しも荷物が多くなり非常に大変です。

デメリット④ 住宅を購入しづらい

「家を買ったら転勤」なんて話を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、転勤がある人にとっては家を買うということが非常に大きな決断・難しい決断となります。

”定住”という観点をどのタイミングで見出せば良いのかが不明瞭なため住宅の購入に踏み出し辛いというのは転勤という制度のそもそもの大きなデメリットです。

デメリット⑤ 知らない土地での生活のストレス

全く新しい土地での生活は周囲に友人・知人もおらず、それを寂しく感じることもあろうかと思います。そうなると、私生活で人と会う機会もなくなり、精神的に辛くなることが考えられます。

これは、転勤を命じられた従業員だけでなく、前述の通り、その家族(配偶者)は特に感じることがあります。従業員はまだ会社での同僚等との新しいつながりもできるため、孤独感は薄いとは考えられます。

デメリット⑥ 支出が増える可能性

収入が増える可能性(後述)もありますが、残念なことに支出が増えてトータルではマイナスになってしまう…なんてこともありえます。

よく聞くケースとしては、家族持ちの方の転勤で単身赴任をするケースです。

持ち家をしていて単身赴任先でも賃貸が必要…そして、毎週末家に帰るための旅費(出費)もかさむ…全てを会社が負担してくれるわけではないため、多少の手当が出ても相殺はできずに持ち出しの方が多くなってしまう…なんてこともあります。

転勤したくない!正当な理由があれば転勤は断れる!?

転勤は余程のことがない限り拒否出来ない

事例① 帝国臓器製薬(単身赴任)事件

製薬会社に勤務するX(上告人)が、東京営業所から名古屋営業所に転勤を命じられ、妻及び三人の子供と別居せざるを得なくなったことを違法であるとして、右転勤命令の無効確認と、単身赴任を強いられたことによる損害賠償を求めたケースで、右転勤命令は業務上の必要性に基づくものであり、それによる不利益は社会通念上甘受すべき程度を著しく超えるとはいえず、権利の濫用に当たらないとして棄却した原審判断が正当として維持された事例。

引用:公益社団法人 全国労働基準関係団体連合会
https://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/07383.html より

もしかしたら、この背景には色々な事情は当然あったのだろうと考えますが、やはりこれは残念ながら当然そうであろうという典型的なケースのひとつであると考えられます。

事例② ケンウッド事件

東京都品川区に居住し、目黒区の会社本部から八王子の事業場の同一部門に配転になった女性従業員が、通勤時間が長くなり、三歳の幼児の保育園送迎ができなくなり、家庭生活も破壊されるとしてこれを拒否し、長期間(三六日間)出勤しなかったため停職処分を受け、後に懲戒解雇されたケースの上告審で、第一審と同様、右停職処分及び懲戒解雇を適法とした原判決が相当であるとして女性従業員の上告が棄却された事例。

引用:公益社団法人 全国労働基準関係団体連合会
https://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/07405.html より

さて…「通勤時間が長くなり、子供の保育園の送迎が出来ないから転勤拒否」は労働者に対して通常甘受すべき程度を著しく超える不利益ではない、ということになります。

ご参考に二件の事例をご紹介しましたが、転勤を拒否するハードルの高さについてどことなくわかっていただけたのではないかと考えます。

正攻法で転勤を拒否できる理由とは!?

最大のポイントは、前述した以下の3つに該当するかどうかです。(就業規則上、転勤に関する取り扱いが定められていることが前提です。)

・業務上の必要性
→つまり、業務上必要のない転勤は拒否出来る

・転勤命令の動機・目的の正当性(不当な動機・目的ではないか)
→つまり、不当な動機・目的(対象者を辞めさせたいから等)の場合は拒否出来る

・労働者に対して通常甘受すべき程度を著しく超える不利益があるかどうか
→※家族の介護等ですが、”通常甘受すべき程度”の判断は実際には出るところに出て判断となります。

残念ながら…なかなかこれらに該当する事情を持っている人はいないのではないか…というのが実態ではありますが、法的にはそのような判断になります。

事例① 明治図書出版事件

教科書・学習参考書の出版等を主たる目的とする株式会社Yに勤務するXが、Yの発した転勤命令につき、共働きの妻がいること、二人の子が重度のアトピー性皮膚炎で治療院に週二回通院していること、および将来的に両親の介護の必要があること等を理由に、当該転勤命令は無効であるとして、同命令に基づく就労義務がない仮の地位を定める仮処分命令を申し立てたケースで、転勤命令を無効なものとして拒むことができる「正当な理由」がある場合とは、当該従業員に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき等の特段の事情が存する場合をいい、Xについて生じている、共働きの夫婦における重症のアトピー性皮膚炎の子らの育児の不利益はこれに当たるとして、Xの申立てが認容された事例。

引用: 公益社団法人 全国労働基準関係団体連合会
https://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/08097.html より

この程度までとなると、転勤を拒否するに足る正当な理由があると言えます。

転勤したくない!転勤を断る方法は?

ただ、全てが”法”で動いているわけではないため、転勤を拒否する方法がないわけではありません。その方法をこちらではいち人事としての見解を交えてご紹介したいと思います。

※基本的に”嘘”はいけません。以下はあくまで”参考”として頂くないし、実は自分の状況が該当しているのではないか?という気づきに繋げていただければ思います。

まずは大前提の確認

雇用契約・就業規則を確認する

念には念を入れるという観点での対応事項です。そもそも、雇用契約や就業規則において”転勤”についての取り決めがなければ、会社側から従業員(”あなた”)に転勤を命じることは出来ません。

例えば、雇用契約上、勤務地が限定されるような条件での契約となっている(地域限定社員、エリア限定社員等)の場合や、就業規則に転勤について定められていない場合、それが断る理由ともなりえます。

しかし、大体の企業ではこの様なことは当然踏まえた上での転勤を辞令していると考えますので、”もしかしたら…”という観点での確認事項となります。

不当な動機がないかの確認をする

これもほぼ該当しないケースが多いとは思われますが、もし、会社からの転勤の命令に不当な動機がある場合は、転勤を拒否することが出来ます。

例えば、会社側が従業員(”あなた”)を辞めさせようという目的で不当に転勤を短期間で繰り返し命令しているというケース、こんなケースは「不当な動機」と言えますね。

ただ、従業員側から自分のその転勤が「不当な動機」なのかどうかはなかなかわからないことも多いのではないかと考えます。それほどにあからさまな場合でしかわかり得ないでしょう。

断る方法① 日頃からのロビー活動

出来ることの一つは、自分が異動対象者としてリストアップされる前からの先手先手を取った社内での活動です。

当然、異動を発令する際にはその責任者が”誰”を異動させるか、誰に白羽の矢を立てるかを考えています。俎上にのってからでは時既に遅しということもありえるため、その俎上に乗らない様にする、これが大切なことです。

それには常日頃からの上司への自身の状況をインプットすることが大切です。1on1ミーティングの場や、評価面談の場、何気ない会話の場面で、オープンなコミュニケーションを図ることが必要です。

想定イメージ

本部長:○○支社で退職者が出て営業が減る。ついては、△△支社からひとり4月1日付で営業担当者を転勤させてほしい。

△△支社 部長:わかりました。検討します。(う~ん、Aさんは、そうだなぁ、Aさんは今奥さんが妊娠中と言っていたな…一旦候補から外して、Bさん、Cさんあたりにそれとなく状況聞いてみてBさんかCさんに決めよう)

△△支社 部長:わかりました。検討します。(うーん。。Aさん以外に適任はいないなぁ…ただ、4月1日は流石に難しいだろうな。奥さんが出産が3月頃と言っていたし…まずはAさんにも感触聞いてみて、その後異動日を調整出来ないか本部長にも掛け合ってみるか。)

なんて感じです。

断る方法② 家族の介護

「通常甘受すべき程度」を超えるかどうかさておき、企業も上司も”鬼”ではありません。(”鬼”のところもあるかもしれませんが…)。

そのため、要介護者とまではいかずとも、要支援者という位置付けの家族がいる場合に転勤に配慮をもとめることは可能と考えます。

「要介護・要支援認定」を受けていることが説得のポイントになり得ます。「要介護・要支援認定」は介護保険のサービスを利用するにあたって必要になってくる認定でもあります。認定を受けるためには、住んでいる市町村の窓口に申請をする必要があります。

断る方法③ 配偶者の精神面への理解

正直、会社は配偶者の状況までは細かに把握出来ていないかと思います。そうなると、”配偶者”の体調を引き合いに出されると”弱い”場合があります。

例えば…配偶者の方が精神的に不安定であり、一緒に転勤についれていくことが出来ない、かといって自分だけが転勤に行って配偶者を一人にすることも出来ない…という状況であれば、会社側も考慮せざるを得ないかと考えます。

断る方法④ 家族計画への理解を得る

子供をもうけるというのは中長期的な計画が必要な大きなイベントのひとつです。あらかじめ上司にそのような理由を伝えることでその間、”転勤”への配慮をしてもらうことが出来るのではないかと考えます。

特に、不妊治療などをしているようなケースでは定期的に病院へいく必要もありますので、転勤(転居を伴う)となるとうまく進めることもできなくなってしまいます。

断る方法⑤ その他(転勤が難しい理由を多く作る)

もちろん…企業が、上司が決めてしまったのであれば、どんな理由であれ余程の理由(通常甘受すべき程度を超える理由)がない限りは転勤を拒否することは出来ません。

しかし、会社も人で構成されています、企業側から、”転勤させづらい”と出来るだけ思ってもらえることはひとつ作戦です。

例えば…大学院に通う…1~2年間は転勤を断る理由になりうるでしょう。しかし、転勤を断るためだけにしかも、必ず拒否出来るわけでもないため、そのために大学院に通うのは現実的ではありませんね。

最終手段 退職をチラつかせる

『エン転職』1万人アンケート(2022年6月) 転勤に関する意識調査によると…

転勤は退職を考えるキッカケになりますかと伺うと、64%が「なる」(なる:36%、ややなる:28%)と回答しました。年代別にみると、20代、30代は7割以上が「なる」と回答。男女別にみると、男性より女性がキッカケになることが分かりました。

【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『エン転職』(https://employment.en-japan.com/)を利用するユーザー
■調査期間:2022年4月26日~5月25日
■有効回答数:10,165名

引用:https://corp.en-japan.com/newsrelease/2022/29780.html

とのことで、なんと6割強の人が転勤は退職を考えるキッカケになると考えています。

つまり、”あなた”も転勤という事象に対して退職を視野に入れることは何もめずらしいことではなく至極当たり前のこととなります。

上司に対して、「転勤になったら辞めます」(もちろん表現・伝え方はもっと練る必要があります)とインプットを入れることはある種、最大限の牽制になります。

転勤したくない!?けど、転勤にもメリットがある!

メリット① 経験につながる(キャリア形成の一助になる)

仕事上の転勤のメリットの一つは”経験”になることです。その赴任先でしかできないプロジェクトに携わることができたりするでしょう。

地域によって案件も差があるかと考えます、東京・大阪であれば大規模な案件を多くのメンバで推進する様な仕事、地方であったらもしかしたら小規模な案件に全体を見ながら一気通貫して携われるかもしれません。

と、転勤によって仕事が変わることは、”あなた”のキャリアにおいて良い経験となる可能性があることが考えられます。

メリット② 人脈が広がる

新しい職場に移ることになるため、社内であっても今まであまり接してこなかった人たちとの人脈を新しく作ることができます。

会社生活においてこの人脈は、その会社で長く働けば働くほど大切になってきます。勤続20年間一ヶ所でしか働いたことがない人よりも、5年単位で4ヶ所を経験した勤続20年の人の方が社内で顔が効きますし、何か困った時に助けを求められる人も多いでしょう。

会社において業務を円滑に進められたりできることのメリットはもちろん、何よりも困った時に頼れる存在が増えることは代え難いことです。

メリット③ 新しい土地での生活が楽しめる

これは人によっては嬉しいでしょう。その土地での生活が出来るからこそ得られるものも多くあります。いち会社員としてもよく聞きます。

USJファンの人が大阪に転勤になり大喜び、年間パスポートまで買って充実のプライート、という話や、日本酒好きな人が新潟県に転勤になりこれまた大喜び、余暇は酒蔵巡りを…なんて話、単身赴任で地方に行った方が週末は安くゴルフ三昧、なんて話も聞きます。歴史好きな人だったらどこに行っても楽しめるかもしれません。

とにかく、新しい土地での生活は遊びしかり、その地方の料理・食べ物しかり、楽しめることがたくさんあると考えます。

メリット④ 変化がある

これはやや個人的に感じているメリットでもありますが、転勤があるということはいい意味で”変化”があるということになります。

もし、転勤なしの仕事で、ジョブローテーションが無い企業に就職した場合…ずっと同じ勤務地、同じ執務室に基本的に勤務し続けることになります。多少の出入りはあれど一緖に働くチームメンバにも大きな変化はないでしょう…。

もし定年まで勤め上げる想定であれば、20年、30年、40年近くもずっと、通い続けられるでしょうか?…個人的には自信がありません。やはり、”変化がある”というのは刺激にもなり、新たな出会い・経験にもつながります。

メリット⑤ 企業によっては収入が増える

これは企業によりますが、転居を伴う転勤者に対しての各種手当があります。

例えば…転勤によって発生する引越し代やその他諸々の諸経費をカバーするために一時金として数十万円の支給があったりするケース。

他にも、転勤先の賃貸を借上げ扱いにするや家賃の一定額を負担する等の住居のサポートがある企業もあります。また、もし単身赴任であれば単身赴任手当があったりする企業もあるでしょう。

と…ケースによっては収入が増えるなんてケースもあります。(もちろん逆に、収入が減る(支出が増える)可能性もありますので、必ずしもメリットになるわけではありません。)

メリット⑥ 市場価値が高まる可能性

最近では、”転職を経験したことがない人”よりも”転職を経験したことがある人”の方が価値が高いなんて言われつつあります。

一定の年齢になればなるほどその傾向は高まります。やはり、”一箇所”の経験しかない人は、適用力、視野の広さ、経験の量・範囲、さまざまな点で”懸念”が出て来ます。

これは、転職に限った話ではなく、1社の企業に居続ける場合でも近しいことが当てはまると考えます。

例えば…同じ会社に所属する2名から応募があった場合、

Aさん:東京本社 5年、海外駐在5年、地方支社5年、
Bさん:東京支社15年

どちらの方が魅力的でしょうか?経歴のみでみるとAさんではなかろうか?ということになります。

転勤したくない!転勤を断ることのリスク・デメリット

自身にとっては転勤をしたくない理由が正当である、と感じている方もおおいかもしれませんが、残念ながら企業側からするとそれは必ずしもそうとはなりません。そのため、転勤を断ることには様々なリスク・デメリットが存在します。

1 出世(昇進・昇格)が遠のく可能性

転勤の拒否は、会社が期待する役割を担ってくれない。ということでもあります。

「○○に行って、~~~の仕事をしてほしい。」…この”~~~の仕事”が会社に置いて、従業員の育成・キャリア形成上重要と考えている業務経験かもしれません。このような場合、その機会を逃すことで昇進・昇格が遠のく可能性もあります。

また、”転勤を断る”ということは、大層な言い方をするなれば社命に背くということでもあります、当然、社命に背いた従業員という見方になると、昇進・昇格が遠のくのも止むを得ないと言えるでしょう。

2 職場で肩身が狭くなる可能性

”あなた”が上手く断れたとしても、結局”あなた”ではない誰かが行く可能性があります。これを心配し出すと何も身動きが取れなくなってしまいますが、可能性としてあります。

”あなた”がいけないから誰も行かなくて良い、というわけでは当然ないと考えます。会社としてその配置転換の必要性があるからこそ、人事異動を行おうとしているわけです。

そうなると、結局、転勤先で期待することを担ってもらえる他の誰かに行ってもらう必要が発生します。

「”あなた”が転勤を拒否したから、他の○○さんが転勤することとなった」こんな事実がわかってしまった日には、もちろん事情によりますが、その程度によっては周囲から白い目で見られてしまう可能性もあります。

バレなくとも…他の人たちは皆転勤をしているのに、”あなた”だけは転勤がない…不公平だ、と周囲に感じさせる可能性もあります。

3 退職を促される可能性

転勤という業務命令を拒否する。それが一度ならず、二度、三度と恒常化してくると、その従業員(”あなた”)の存在が職場にとって企業秩序を守る上で、支障がでる存在と判断されてきます。

他の人は転勤を会社の命に従っているのに、特定の従業員だけが従っていない。そうなると、これ以上、転勤を拒否する様であれば”あなた”の居場所はもうココにはない、と諭され、退職を勧奨される可能性も出てきます。

4 最悪、懲戒の可能性

企業として正直ここまで大事(おおごと)にしたいと思っていないでしょうから、即座に「懲戒解雇」なんてことにはならないとは考えますが、可能性として前述の判例でもあった通り、最悪クビになる可能性も否めません。

当然、転勤の必要性はその打診があった際に、従業員側にも説明がなされることになります。その上で、従業員としてそれを断ることは、業務命令の拒否に他なりません。

そうなると、企業側としては正当な理由なくして業務命令を拒否したことに対して懲戒処分を行うことが出来ます。

転勤したくない!?けど、その給与は転勤可能性込みの給与

さて…転勤をしたくない気持ちは痛いほどにわかります。(”私”自身もどちらかというと”したくない派”です。)しかしながら、実は、会社の従業員がもらっている給与は”転勤の可能性”が含まれている報酬(給与)とも言えます。

例えば…三井住友信託銀行では、Gコース(全国転勤型)・Aコース(地域限定型)に分かれています。

HP上、給与は同様の様子ですが、Gコースは社宅・独身寮制度が適用可能と記載があります。つまり、住宅に関する手当分は少なくともAコースよりも処遇が良いと考えられます。

転勤に関する制度詳細はわかりませんが他にもGコースには転勤があるが故の”相応の手当”があるのではないかと考えられます。

他には…ユニクロで有名なファーストリテイリングではG(グローバルリーダー候補)とR(地域正社員)にわかれています。

こちらは、G(グローバルリーダー候補(転勤あり))は初任給約25万、R(地域正社員(転勤なし))は初任給約18万~20万と給与から明らかな差があります。

また、入社後のキャリアもGはリーダー・部長・事業責任者以上のポジションまで用意されているのに比べ、Rはスーパースター店長・スーパーバイザーまでが最上位と見受けられます。(もちろん…そもそもGだからといってリーダー・部長等々が約束されているわけではありませんが。)

そして…そのような”違い”がない企業であれば、所謂、大手企業であれば”総合職”は皆同じ処遇(給与)で同じように転勤がありうる職であろうと考えられます。つまり、給与は”転勤想定”込みの設定になっていると解釈できます。

また、同一労働同一賃金の考え方にも”転勤”が盛り込まれています。同一労働かどうかを判断する要素のひとつに転勤の有無・範囲も上げられています。意味するところは、転勤の有無・範囲の違いによって待遇に差を設けても良いということでもあります。

だから、転勤を受け入れろ…ということではありませんが、そんな観点もあるということでご紹介までとなります。

転勤したくない!どうしてもしたくないなら転職も視野に!おすすめ転職エージェント

まずは、相談だけでも構いません。実際に、以下のリクルート・パソナは”私”もいち個人として”相談だけ”をしたこともあります。

「これまでに、転勤を理由に退職したことはありますか?」と伺うと、「ある」は9%と1割未満に留まりましたが、2019年の同調査(※)から4ポイント増加しました。

【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『エン転職』(https://employment.en-japan.com/)を利用するユーザー
■調査期間:2022年4月26日~5月25日
■有効回答数:10,165名

引用:https://corp.en-japan.com/newsrelease/2022/29780.html

つまり、数ある転職理由のうち約10人に1人は転勤を理由に転職をしている。

転勤がどうしても嫌な場合は、法的観点でそれを担保することが一番確実です。それは労働契約上勤務地が限定されている雇用形態にて働くこと、つまり、地域限定社員・エリア限定社員と言われる雇用形態です。

また、転勤がない企業で働くこと、つまりこれは東京にしかオフィスがない等の拠点が限定される様な企業で働くことです。また、最近はフルリモートでの勤務が可能な求人も多く出て来ましたのでそれもおすすめです。

そして、これを実現する際は転職エージェントの活用が便利です。

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20代の若手でしたらマイナビもおすすめです。私自身は中途採用では関わったことはありませんが、新卒採用でのノウハウもあり、若手向けにはおすすめ出来ると考えます。

さいごに

いち人事であるが故、いち転勤経験者であるが故に全体的にやや企業よりに述べてしまっているかと考えます…申し訳ありません。

ただ、”転勤をしたくない”という感情・思いをいだくことは止むを得ないと考えます。転勤をしたくないから、しないように行動するのか、それとも転勤をどうせするなら前向きに捉えて転勤に臨むのか…どのように”転勤”という事象に対して対処するかは人それぞれと考えます。

本記事を読んで何か少しでも、考えが深まったり、心持ちに変化があれば幸いです。

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