配属に関連した希望について…これは主に、採用選考の際と、企業によっては合格後の配属希望調査や配属面談において聞かれることになるでしょう。
合格後の配属面談…これは配属ガチャとも言われ恐れられていますね。ただ、正直、配属先は「どこでもいい」と思っている人もいるのではないでしょうか?
ここでは、配属希望「どこでもいいんだけど」について、いち人事として様々な観点からご紹介をしたいと思います。
【前提】配属において人事が達成したいと思っていることは?
大きい目標、思い、理想としては、皆さんの希望・適正と部門からのニーズをマッチさせ、配属先部署及びそこへ配属される皆さんの両方に喜んでもらえることを目指しています。
・皆さんからは「あの部署に配属されて良かったです!仕事大変なこともありますが、楽しいです!」
・職場からも「今度来たA君はすごく頑張ってくれているよ。うちの部署に配属してくれてありがとう」
と言ってもらえるのが励みです。
一方で、現実として身も蓋もない話をするならば…前述の様な思いも持ちつつも、現実は各部門への配属者の割り振りをコントロールしなければならないというミッションもあります。
それは、人事として○○事業体へXX人、△△事業体へXX人、□□事業体へXX人、営業はXX人、経理はXX人であったり、関東営業所へXX人、関西営業所へXX人、九州営業所へXX人であったりをコントロールしなければならないのです。
会社側(各事業体・職種・勤務地への人数、職場が求める能力・スキル)と、皆さん(事業体・職種・勤務地への希望、持っている能力・スキル)を全体としてマッチさせることが現実としての目的です。
色々な期待をもって会社へ入社されることと思います。しかし…あらかじめ職種や勤務地、携わる仕事が決まっている企業へ入社する方もいれば、配属は後から決定という企業へ入社する方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そのような場合はまだ不[…]
配属希望「特にない・どこでもいい」はその理由を丁寧に説明する必要あり
この”希望”を聞かれるタイミングは大きく二つに分けられると考えられます。それは…採用選考のフェーズと、合格後(内定後)のフェーズです。
ただ、いずれにしても基本的には、「特にない・どこでもいい」という言葉はその裏にしっかりとした説明が共に存在しているべきです。
根拠・理由のない「特にない・どこでもいい」は企業から見た時に非常にネガティブにうつる可能性があるので、そこで思考停止していては本来うまくいくことがうまく行かなかくなってしまいます。
採用選考フェーズでの面接における「特にない・どこでもいい」
採用選考フェーズにおける、希望先の確認の意図はいくつかありますが、
・希望理由について質疑をする中での評価実施
等々が考えられます。いずれにしても、採用選考フェーズで聞かれる配属(職種・勤務地・事業体等)に関する質疑のやりとりは合否の「評価」につながるということになります。
採用選考におけるこの様な回答は面接官は候補者に対して”やる気”のなさを感じたり、考えなしなのか?意思がないのか?ととにかくネガティブな評価をする可能性があります。
つまり…端的に言えば不合格につながる可能性があるということになります。
さて…基本的には面接官は候補者のことをしっかりと評価するために、”何故”という質問を多用しますが、時間等の都合上、全ての答えに対して”何故”が返されるわけではありません。
その背後にしっかりとした理由があっての「どこでもいいです。」だったとしたらそこも含めて話すのが良いと考えます。折角、理由があるのにそれが伝わらずに、「どこでもいいです。」だけで評価をつけられてしまうのはもったいないことです。
回答内容は各々がしっかりと用意しておくことをお勧めします。
合格後(内定後)の配属希望調査・面談における「特にない・どこでもいい」
合格後(内定後)に配属に関して希望を聞かれる…すなわちこれは、会社が内定者(新入社員)の配属先を決定するにあたって参考にするために聞いていることとなります。
配属希望調査や、配属面談等のスタイルで配属希望についての確認を受けることとなるでしょう。
さて…合格後(内定後)の「特にない・どこでもいい」はもう合否は決まった上での回答であるため、企業の人事担当者に与える印象はさておき、当然、もはや選考に悪影響を与える可能性はありません。
ただ、”配属希望”に関して特化して確認を受けていることになりますので、会社が”あなた”の配属先を検討できるだけの材料をしっかり与えることが望ましいと考えます。
・本当にどこでもいいのですか?意図は? 等々
人事が真摯に候補者の配属を検討しようと考えていたら、採用選考時とは異なり、その裏にある理由をきっと聞いてきてくれることになるとは考えます。
しかしながら、あらかじめ”なぜならば…”はしっかりと用意していて然るべきと考えます。
ここまでになると、人事もある程度納得はすると考えます。
もちろん、最終的には何故その内定者(新入社員)をその職場に配属したのかという理由も必要になってきますので、人事も根掘り葉掘り、”あなた”がどんな思いを持っているのか、どんなことが好きなのか、どんな働き方をイメージしているのか等々質問してくるのではないかと考えます。
配属希望「特にない・どこでもいい」と答えた場合、実際どうなる?人事の対応は?
さて…では、配属に関して「特にない・どこでもいい」となった場合…その後人事はどの様な対応を行うのでしょうか?もちろん…大きく影響するのはその裏にある理由や思いも影響してきますが、主に以下と考えます。
対応① ”あなた”(候補者)にあった配置・配属を行う
一番、一般的・真っ当な対応はこちら、その人にあった配置・配属を行うということです。これには大きく分けて三つの見方があります。
ひとつは、”あなた”の能力やスキルから配属先を検討する方法、もうひとつは、”あなた”の性格や志向性から配属先を検討する方法、そして最後はその両方を鑑みて決定する方法です。
本来はさらに、ここに候補者の希望等も勘案する要素として入ってくるのですが、ここでは「特にない・どこでもいい」が前提ですので、基本的には、能力・スキル、性格・志向性から配属を検討することとなります。
非常に単純化してしまえば…外交的・積極的な人を営業にアサインする、内向的・受動的な人を事務的な部署にアサインする、英語スキルが高い人を海外系の部署に配属する、英語スキルがない人を国内系の部署に配属する等です。
※会社視点をより言うなれば、受け入れ先(職場)が求めるスペック(ニーズ)という観点もあります。
対応② 空いている部署に割り当てる(調整しろに使われる)
配属先にこだわりがなく”どこでもいい人”は人事から見た時に配属先を検討する際、優先順位が下がることが考えられます。様々な候補者がいて、様々な希望がある…それを新人を配属する必要がある部署に割り当てていくことになります。
その際、全体最適を考えつつも、やはり優先して希望を叶えるべき人材というが存在しています。それは所謂、優秀層にいる人材等です。希望をできる限り尊重することでリテンションにつなげたいと考えます。
もちろん、配属先の部署のニーズもありますが、それらをうまく調整しつつ、先に、優秀な人材等を割り当て…その次に…配属先がアンマッチとなることでの退職リスクが高そうな人材にも配慮しつつ…と進み、最後に、こだわりがなくどこでもいい人を”空いた”ところへ配置する…なんて調整弁に使われる可能性が出てきます。
対応③ 不人気部署に割り当てる
さて…「どこでもいいです」というのが最も裏目に出るのはこのケースではないかと考えられます。
企業にはやはり、部署・職種・勤務地等々によって人気の部署、不人気の部署が存在しています。しかし、人事としては不人気の部署含めて誰かを配属する必要があります。不人気の部署でも新入社員を求めています。
この様な場合、不人気であるがゆえに、基本的に希望者がいない…アサインしなければならない人数枠に対して新入社員で希望する人の人数が足りないなんてことが起こります。
そうなると、「どこでもいい」と言った人を配属する、なんてことも考えられます。
対応④ 大変(タフ)な部署に割り当てる
「どこでもいいです!とにかく頑張ります!」的な”どこでもいい”という答えである場合、人事はもしかしたら”あなた”に大きな期待を寄せるかもしれません。
気合の入った「どこでもいいです!」は、タフな部署アサインへつながる可能性があります。
配属希望「特にない・どこでもいい」と本気で思っている人は実はいないのでは?
さて…ここまでつらつらとご紹介をしてきましたが、”どこでもいい”というからにはそれなりの覚悟が必要であるということもご理解いただけたのではないでしょうか?
いち人事として、これまでの配属面談等を数多く行ってきた経験からして、本当の意味で”どこでもいい”を使っている人はいないと感じています。
~~~~なところであれば、どこでもいい。
等々
何かしらの、一定の前提条件がある上での”どこでもいい”がほとんどでした。
本当に真に「どこでもいい」と思っている方、そのスタンスで進むのも良いですが…
これまでの自身の人生を振り返って、”こんなことが自分は好きだな”ということを見つけていただき、それが社会に出た時にはどんなことと結び付けられるのかを考えて、「どこでもいいけど、こんなところだったらいいな」という希望を見つけてもらえたら良いと考えます。
配属希望「特にない・どこでもいい」人の就活にはスカウトサイトへの登録がおすすめ
”どこでもいい”場合は、企業からのスカウトに身を任せてみることが就活としてもありと考えます。
以下に今や就活において登録必須とも言えるスカウト型サイトをご紹介します。
おすすめの逆求人サイト① Offer Box
大手からベンチャー企業まであなたにオファーが届くスカウト型就活サイト【OfferBox】
オファーボックスは“企業が動き、会いたい学生にだけ会う”採用活動のスタイルです。実はこのオファーボックス、日本最大級の人事ポータルサイトHRproが主催するイベントにて表彰を受けており、企業の人事担当者にも名前が売れているサービスとなります。
新卒版のダイレクトリクルーティング「Offer Box(オファーボックス)」。数年前までは就活生でも耳にしたことがある人の方が少ないサービスだったかと思いますが、今となってはむしろ耳にしたことがない人の方が少ないのではないでしょうか。私自身[…]
おすすめの逆求人サイト② キミスカ
キミスカでインターン経験・就活状況を人事にシェアしてスカウトを獲得!
キミスカもオファーボックスと同様の逆求人型の就職活動サイトです。導入企業数は300社以上、但し、まだまだオファーボックスの方が、圧倒的に規模が大きいため、優先度はオファーボックスが上とはなりますが、オファーボックスだけでは出会えない企業に出会える可能性があります。
おすすめの逆求人サイト③ dodaキャンパス
dodaキャンパスは贔屓をするわけではありませんが、私の所属会社でも実際に活用しており、一部選考免除等のダイレクトオファーを実際に行っておりますこともあるので、オススメいたします。
新卒向けのダイレクトリクルーティングサービスとしては新しい方ですが、新しいが故に企業側への売り込みも盛んで今後伸びてくると考えております。学生の利用も就活生の5人に1人が利用していると謳っています。
さて、こちらでは、逆求人型の就活サイトのひとつであるdodaキャンパスについてご紹介をしたいと思います。実は、筆者もいち人事担当として企業側の立場でこのdodaキャンパスを活用させて頂いています。そのため、そもそもdodaキャンパスってなに[…]
さいごに
「どこでもいい」とは言ったものの…思いも寄らないところに配属されてしまった…なんてケースを避けるためにも、しっかりとある程度自身の希望は明確化しておく必要があると考えます。
採用面接において、希望を聞かれた際に、「どこでも頑張ります!」と言った方が合格しやすいなんて、話もありますが、それはあくまでしっかりと自身なりの考え・思いがあった上での「最後はどこになっても頑張ります。」であって、「(合格をもらえるのであれば)どこでもいいです。」ではありません。
配属面談で希望を検討する際のひとつの要素だったり、配属された後に自分の配属部署が出世コースなのかどうのかであったり、配属先の社内での位置付け(出世コースか否か)は多くの新入社員が気になるのではないでしょうか。こちらでは、いち人事の観[…]
入社後に配属面談を通して希望外の配属先(部署・職種)になってしまった。希望の配属先ではあったもののいざ配属されてみたら思っていたのと違った。等々様々な理由でみなさんのように配属が決まった後に不満を感じ、辞めたいと思う、なんてことは多[…]