企業に電話をしたい、就活の時期になるとそんな機会も多くなってくるかと思います。
電話を受け取る側の採用担当としてよくあるケースを交えて一体どのように企業に電話をしたら良いのかを説明していきたいと思います。
所謂、マナー的なものでもありますが、可能な限り抑えておきたいポイントでもありますので、ぜひ頭の片隅において活用頂ければと思います。
就活、企業(採用担当者)へ電話…の前に所定就業時間、始業・終業時間について知る
始業・終業の時間は企業によって様々です。ただ、言えることは日本における大体の企業の所定労働時間は7時間~8時間と考えます。
これは、まず労働基準法において1日の労働時間は原則8時間までと定められているため、所定労働時間は8時間以内に設定し、それ以降の業務を残業として扱っていることとなります。
さて、企業の1日の所定労働時間は約8時間、そして次にくるのが、企業の始業・就業時間です。これは企業によって様々です。企業によって様々な上に、実は企業の中でも拠点(例えば工場と本社)によって始業・終業時間が異なるなんてこともあります。
始業時間、早い企業では朝8時頃から、遅い企業では10時頃などその幅は実は広いです。始業時間に伴い当然終業時間も前後します。また、お昼時間が45分なのか1時間なのか…等も終業時間には影響を与えます。
一例
【所定労働時間】7時間45分 【始業】9:00【お昼】60分【終業】17:45
このような形です。
就活、企業(採用担当者)へ電話、かけない方が良い時間帯は?その理由は?
全ての企業(採用担当者)に当てはまるわけではありませんが一般的に考えられるものを、いち社会人、いち採用担当者としてご紹介します。
かけない方が良い時間① 始業後直ぐのタイミング
始業のタイミングで毎朝、朝礼なり、ミーティングを行うことをルーティンとしている会社(チーム)も少なくありません。
この場合、始業直後の電話はその打ち合わせを妨げる可能性がありますので、この時間帯に電話をかけることはおすすめは出来ません。
また、始業直後は朝礼・ミーティングはさておき、何かとバタバタしています。朝、メールを開き急ぎで対応しなければならない案件があればそれを至急で処理していたりもするでしょう。
企業の採用担当者であれば尚更です。朝一番、上司から「あれ、どうなっている?」なんて声掛けに急ぎで対応しているなんて場面も珍しくありません。
会社において一斉に業務が開始される、始業直後は1日においてもっとも大小様々なやり取りが飛び交っている時間帯と言っても過言ではありません。
かけない方が良い時間② お昼前後のタイミング
お察しの通り、この時間はお昼、つまり昼食をとっているであろう時間帯です。
一体何時がお昼休みなのか…なんてことまで学生からは知りようもないため、かけた結果お昼休みだったなんてことも予測されますが、一般的に昼休みはやはり12時前後から45分・60分となります。
つまり、前後に余裕をみると、11:30頃~13:30頃はお昼休憩中と考えるのが良いのではないかと考えます。
かけない方が良い時間③ 終業間近のタイミング
始業直後と同様に、終業間際も避けた方が良い時間帯のひとつとなります。
日々仕事に追われている担当者、いくつもの”その日中”に対応しなければならないタスクを抱えています。このタスクを終えようと追い込んでいるのがこの終業間近のタイミングとなります。
始業直後と同様にバタバタしている時間帯と言えます。
かけない方が良い時間④ 就業時間外
と、言っても企業の就業時間を事細かに知っている人も少ないと考えます。つまりここで言う、就業時間外とは主に、早朝(朝6時頃~9時頃)と夕方以降(18時頃以降)です。
早朝はそもそも担当者が出社していないという可能性もありますし、何より、その様な時間に出社している社会人の気持ちは、誰にも邪魔されず集中して仕事が出来る朝早くに来て仕事を効率的に進めたい、という思惑があります。
そんなことまで学生の皆様に察しろとは全く思いませんが、そんな早朝はもちろん電話は避けるのが良いと考えます。
また、逆に夕方以降も避けた方が良い時間帯です。採用担当ですので、繁忙期には残っている(残業をしている)ことは十分に考えられますが、就業時間外、これは営業時間外とも言います。会社として営業していない時間帯に電話をかけるということにもなりますので、避けた方が良いでしょう。
※ただし、企業(採用担当)から就業時間外に電話が来た際のその直後の折り返しなどは全く問題ありません。企業(採用担当)としてはむしろ、学生にも授業があるだろう、と配慮し、あえて夕方や夜間にかけたりすることもあります。
就活、企業(採用担当者)へ電話は結局何時頃にした方が良い?
”避けた方が良い時間帯”をみると、「じゃあ一体な時にかけたらいいんだよ!?」と思うくらいにあの時間もこの時間も避けた方が良い、という時間帯に当てはまってきます。
ただ、いち人事(採用担当)として、これまでご紹介してきた内容を総じて、お伝えするとすれば以下です。
午後: 13:30~16:00
こちらが、企業(採用担当)に電話をするのに望ましい時間帯です。いざ文字(数字)に起こすとその幅の狭さに驚きます。
就活、企業(採用担当者)への電話時間、気にし出したらキリがない
さて、くるっと手のひらを返しますが、時間をあまりに気にしていたら電話なんてかけられません。この記事に目を通して頂いているだけでありがたい限りですが。
上記を通して、何が企業(採用担当)に起こっているのかというと、結局のところ、前述した”電話をかけても良い”時間帯は会議・打ち合わせが多く予定されている時間帯でもあります。
採用担当者であれば当然の如く面接官としての面接対応も詰まりに詰まっているかもしれません。つまり、何時にかかって来ようが実は一緒ということも言えます。
そして悲しいことに、”あなた”がそこまで配慮して電話を11時や15時にかけてきているということは企業側(採用担当)には伝わっていない可能性が高い、と考えます。企業側(いち採用担当者)としては候補者の方(”あなた”)がかけられる時間にかけてきたんだろうな、と思っています。
なぜなら、それはそこまで気をまわして電話をくれる方などいないと思っているためです。
また、実は、実際の業務では始業開始が忙しかろうが、終業間際で帰りたい気持ちの時でも関係なく電話はなります。そして、採用担当者は電話に出ています。
それは職場からだったり、外部のベンダーであったり様々な電話を受けています。だからといって、朝一(始業直後)に来る職場からの電話やベンダーからの電話を非常識だ、なんて思ったりしません。
就活、企業(採用担当者)への電話、どうしても”かける時間が”気になるなら…
とは言っても、気になる、万全を期したいなんて方もいると考えます。その際に、手立てとして有効なのは、こちらです。
メールでも良い内容ならメールをする
電話をしたい!という理由があるのだろうと考えますが、今一度、電話で何を話そう・伝えよう・確認しようと思っているのかについて整理してみてください。もしかしたら、必ずしも電話出なければならない、なんてことはないかもしれません。
メールであれば相手の時間を気にする必要はありません。メールであれば、相手(採用担当者)も相手のペースで都合がつく時間に返信をすれば良いので、電話とは異なり負担が少なくなります。
メールで用事が済そうな内容であればメールにするのも一案です。
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会話がしたい場合は事前アポを取る
事前にアポイントメント(予定)を取るという方法です。突然の電話は迷惑ではないか?…確かに、突然、電話がかかってきてその内容が、2・3分で解決出来る内容ならまだしも、20分・30分もかかるような場合は実際のところは企業(採用担当者)にとってやや迷惑と受け取られかねません。
急ぎの場合は電話をするしかありません。時間に余裕がある場合は、採用担当者側にも様々な予定がありますので、もし、内容がある程度の時間が必要と予測される場合はあらかじめメール等で予定を取ってもらうという作戦が望ましいでしょう。
件名:(○◯大学 △△)採用選考に関する件についての確認
○○株式会社
採用グループ ○○様
大変お世話になっております。
御社の採用選考にエントリーさせて頂いております、○○大学の△△と申します。
この度、採用選考に関する件についてお電話で確認させていただきたいことがあり、
10分~15分程度お時間を頂戴することは出来ませんでしょうか?
○月○日または○月○日でお時間をご指定頂けませんでしょうか。
お忙しいところ申し訳ありませんが何卒宜しくお願い致します。
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○○大学 ○○学部 ○○学科
△△ △△
TEL:
E-mail:
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しかし、急ぎの場合はやはり電話
結局のところ、この場合、始業直後だから、お昼休みかもしれないから、終業間近だから何てことを気にしている場合ではありません(もちろん、ことの緊急度合いによりますが)。
急ぎの場合は速やかに電話をしましょう。むしろ、企業側に気を遣って、電話が遅くなる方が双方にとって不利益になりかねません。
就活、企業(採用担当者)に電話をするとき気をつけたいこと
筆記用具とメモの準備
当たり前といったら当たり前ですね。企業(採用担当者)に電話をする前にしっかりとメモをとる準備をしておきましょう。
電話の用件によるところはあるかと思いますが、内容次第では採用選考に関する重要な項目を含む可能性もあるでしょう。それは、選考日時の件、選考プロセスの件、何らかの必要な提出書類の件、期限の話、等々、漏らしてはならない重要事項についてです。
簡単なやり取りだけで終わるケースももちろんあるでしょうが、いずれにしてもしっかりと、メモが取れる準備をして、些細な話でも下手に”頭”の中で覚えようとせずに、しっかりとメモを残すようにしましょう。
外からかけない(静かなところからかける)
屋外(騒がしいところ)から企業へ電話をすることは避けましょう。周囲の騒音は企業(採用担当者)側にも伝わっています。
そのような環境下からの電話は非常に言葉が聞き取りづらく、コミュニケーションが上手くとれません。”あなた”の伝えたいことが正確にしっかりと伝わらない可能性も危惧されます。
そのため、しっかりと静かな空間から電話をかけるようにしましょう。
就活、企業(採用担当者)への電話の仕方(参考やり取り)
やっとここまで来ました。さて、いよいよ電話をかけるぞ!となった場合にもしっかりと抑えるべきポイントはまだまだ存在しています。
面倒ですが、これが今後も必要になってきます。以下は、就活の面接の日程再調整に関してのやり取り想定です。この想定やりとりの中でポイントも合わせて紹介していきます。
1:電話をかける
2:名乗る+用件を手短に伝える
※非常に残念ですが、度々いるのが緊張のせいか名前を名乗らないで話を進める人です。NGは名前も名乗らず、「採用担当の方はいらっしゃいますでしょうか?…」と用件を進めていくことです。
3:相手の都合を確認する
※ビジネスにおいては”枕詞”(クッション言葉)が実は非常に大事だったりします。朝一の電話であれば「朝早くに申し訳ありません」、終業近くであれば「終業間際に大変申し訳ありません」、いつでも使えるのは「お忙しいところ申し訳ありませんが…」です。
4:用件ははっきりと述べる
※内容によってはしっかりと事情も合わせて述べるのが良いですね。
5:しっかりとメモをする
※このシーンではしっかりと、この○月○日 11:00~をメモする必要があります。また、自分のスケジュール帳等も目の前にある必要があります。
6:復唱・確認をする
7:お礼をいって電話を切る
就活、企業(採用担当者)への電話、あまりに拙いとマイナス評価に
電話対応は会社に入ってからビジネスマナーとして学ぶことが出来ますし、学生にビジネスマナーを最初から求めているわけでもありません。
しかしながら、あまりに拙い電話は、マイナスにつながる恐れがあります。これはメールでも同様ですが。それは前述のポイントをあまりに逸脱するような場合です、前述のやり取りを少し変えてご紹介します。
はい、採用担当です。大変恐縮ですが、お名前・ご用件を伺ってもよろしいでしょうか?(一体誰だろう?どこかの業者?また営業の電話かなぁ…)
と、採用担当者はコミュニケーションをストレスに感じます。こうなると、最終的に、「あの候補者は要チェック」とネガティブなフラグをつけられることにもなりかねません。
さいごに
企業(採用担当者)に連絡を取る際、メール以上に緊張し、気を使うのが電話であろうと思います。メールであれば、推敲を重ねて良い文章を作り上げて送ることが出来ますが、電話ではそうもいきません。
相手によって、内容によって、いろいろなやり取りが想定されます。電話をする前に、しっかりと何を伝えたいのが、何が目的なのかを自分の中で整理した上で電話をするのが良いでしょう。
企業にメールを送る、就活の時期になるとそんな機会も多くなってくるかと思います。メールを受け取る側の採用担当としてよくあるケースを交えて一体どのように企業にメールを送ったら良いのかを説明していきたいと思います。使うメールアドレスから、[…]
アンテナの高い人は感じているかもしれませんが、昨今の企業における新卒採用活動は今までの一括採用スタイル(大量に応募者を集めてふるいにかけ大量に落とし、残った人材を採用する)から、個別採用スタイル(自社に合う人材をピンポイントに狙って取ってい[…]