【新入社員】新人研修・教育中に年次有給休暇(有休)を取れるのか

会社に入ったばかり、まだ最初の研修期間真っ只中だけれども、事情があって有休(年休)を取得したい。会社・人事に言い出しづらいのはもちろん、そもそも新人研修期間中に個人的な事情で休んでもいいのだろうか?そんな疑問にお答えしたいと思います。結論から言うと、実は年休は取得日の前日までに従業員から申し出があれば、余程のことがない限りは会社として認める必要があるものですが、「とは言っても」、と思うのではないでしょうか。いち人事としての感覚を述べていきたいと思います。

そもそも、新人教育とは?期間は?

一般的には、新卒入社であれば、

・マナー研修(メール作成方法、電話応対、名刺交換等)、業務に関しての基礎的なスキル面での学習
・会社生活を開始するにあたっての基本的な会社における規則(就業規則等)の説明
・業務において守らなければならないコンプライアンス系(輸出管理、情報管理、人権、ハラスメント等)の研修
・これからその企業の一員としての帰属意識の醸成や企業理念等の浸透をはかるための研修
・実際の職場に配属される前の技術的な研修(例えば、SEであればプログラミング研修等)

等があげられます。

期間については、早ければ数日で終わり職場に配属されていくケースと、長いと入社後数カ月近く教育・研修を行ってから配属という会社、入社1年目・2年目の間に期間を区切って断続的に研修を付与していく会社、とスタイルは様々あるかと思います。

そもそも、新入社員に年次有給休暇はあるのか?

基本的には入社後6カ月後に、それまでの期間中の全労働日の8割以上出勤していれば、最低10日間分の有給休暇取得の権利が発生するものとなります(4月1日入社の場合は10月1日をもって年休が付与されます)。が、企業によっては、新入社員でも分割して付与され、6カ月以内のうちに年休を取得できるようになっている企業もあります。(これは自身の企業に要確認となります。

つまり、年次有給休暇が入社直後から付与される会社、されない会社の両方があります。

もし、年休が付与ない場合に、特別事情がなく休んだ場合は所謂「欠勤」となると考えます。この場合は会社の規則により歩引き等が発生するケースがあります。
休む事象によっては、必ずしも「欠勤」ではなく、例えば体調不良などが理由であれば「病欠」扱いとなる企業もあるかもしれません。

会社には有給休暇の日程を変更する時季変更権がある

基本的に原則として会社は社員が求める日に有休を与えないといけませんが、該当日にその社員に休まれると会社の事業の正常な運営に支障をきたすような場合は、社員に年休の日程を変更するよう依頼することが出来る権利があります。余程のケースでない限りは“会社の事業の正常な運営に支障をきたす”ことは考えづらいので多くのケースで年次有給休暇は認められるものと思われます。

とは言っても、冒頭に述べた通り、法的に認められるからといって新人として我を押し通すわけにもいかないのではと思っている方、多いのではないでしょうか。次項以降でいち人事の感覚を述べていきます。

どの様な場合であれば認められる?

前述を踏まえると、まず、数カ月にわたるような長期の教育期間となる場合は、カリキュラム上のタイミングによっては後々しっかりとキャッチアップ出来る可能性が高いので1日、2日程度の年次有給休暇は認められる可能性が高いと考えます。数カ月は研修期間だから、有休は認められない!なんていうのは会社側の横暴だと考えます。

但し、「え?たかだが数カ月の研修期間に有休?」と思われる可能性も当然ありえますが、そこはそう思われるのを承知でそれでも取りたい事由があれば取りに行きましょう!

どの様な場合であれば認められない?

わかりやすく敢えて極端なケースをあげるとすると、1年に2度・3度しかない、なんらかの資格を得るための研修を受講する場合、その資格がないとその後の業務に支障が出る場合に、その研修中に「有休をとりたいです。」と言われたら、会社としては時季変更権を行使するのではと考えます。

同様に、2・3日間の研修プログラムのうち、一日を休みたいという場合は、その研修を履修したことにならないため、会社として有休は認め難いという判断になりえるでしょう。

人事として認めたケース

会社としては基本的に業務に際して必要な教育であるため、新人研修は本来休んでは欲しくはありません。けれども、“そうは言っても…”、というケースはたくさんありました。当然、休んだ分のキャッチアップが出来ることを前提にですが、具体的な例として、友人の結婚式への出席、法事回忌、体調不良等、その人の人生において重要であろうイベント、行事ややむを得ない事情であれば認めておりました。

そもそも、年休取得の理由を述べることは実は不要なのですが、やはり可能な限り理由を踏まえてのコミュニケーション(相互理解)を行っていかないと会社生活はまわっていきませんよね。

やり取りシーン①

新人
研修期間ではあるのですが…来月にとても親しくしている友人の結婚式が地元であり、出席のために1日お休みを頂けないでしょうか。
人事
そうですか…出来れば出てほしい研修ではありますが。わかりました、大切な友人の結婚式ですしね。その日の研修内容については後日共有するので、しっかりと内容確認してキャッチアップしてくださいね。しっかり祝ってきてあげて下さい。

やり取りシーン②

新人
研修期間ではあるのですが…来週のXX日にお休みを頂けないでしょうか?
人事
その日は~(略)~といった研修だから、できれば出てほしいのだけど。どうしても出られないかな?事情教えてもらうことは出来るかな?
新人
はい。重要であることは理解しています。ただ、詳しくは言い辛いのですが、事情もあり休みを頂きたいです。
人事
(何の事情だろう?)…わかりました…。ただ、しっかりと後から追いつけるようにしてくださいね。(なんかもやもやするなぁ、事情はあるのはわかるけど、研修の重要性も伝えたのに…)

どちらが良いでしょうか?与える印象の世界になってしまいますが、人間は感情の動物でもあります。しっかりとお互いが気持ち良く、着地できるようにコミュニケーションをとりたいですね。

さいごに

改めての結論になりますが、新人教育期間中の年次有給休暇の取得は「出来る」ということになるのではないかと考えます。但し、その休みを取りたい日に休むことで、その後の会社業務において支障をきたすような可能性がある場合は、会社側も時季変更権を行使してくるであろう。ということになります。

出来る出来ないの観点の次に、では、実際に自分として取得するのかしないのかという判断が次に来ると思います。休みを取りたい理由を今一度整理して、それが自身にとって研修期間中であっても取る理由に十分値するのかということを考えるのが良いかと思います。価値観は人それぞれですので、何を優先したいのか、何であれば我慢できるのか、許容できるのか、様々かと思います。それらを踏まえて、会社に申し出ることが良いと考えます。

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