新入社員|どっちが良い?企業型確定拠出年金(DC )か退職金前払いか

4月1日入社式を迎え、その直後、待っているのは怒涛の手続き関係でしょう。そんな中で、会社によっては退職金制度の中で、確定拠出年金か前払い退職金の選択がある企業もあります。社会人になってまだそんなに時もたっていないのに、いきなり入社して早々に退職金制度の話で、しかも、選べと言われても選べません…実際どっちを選んだらいいの?とお困りの方が多いのではないでしょうか。そんな人達の少しでも参考になればと思います。まずは、それぞれの内容について簡単に説明したいと思います。(※制度詳細は必ず会社に確認するようにしてください。)

しっかりと貯めておきたい・貯める自信がない・老後資金が心配等々な方には、確定拠出年金をお勧めします。

逆に、自分で自由に運用したい・受け取り時(確定拠出年金は原則60歳まで受け取れない)まで待てない等々という方には退職金前払いをお勧めします。

確定拠出年金・前払い退職金って?

確定拠出年金について

確定拠出年金ですが、企業型確定拠出年金や、企業型DC、401K など様々な呼び方がされているかと思います。確定拠出年金は企業が従業員の口座(確定拠出年金の運用のための口座)に毎月、お金を拠出してくれ、従業員自身が運用して、将来、その拠出・運用によって積み立てられた額を受け取ることが出来る。そんな制度になっています。ただし、原則60歳まで引き出すことができません(これはメリットとも言えますし、デメリットとも言えます)。

前払い退職金について

一方で前払い退職金は、読んで字の如く、本来であれば退職時に支払われる退職金を前払い(例えば、給与や賞与と一緒)として受け取るものとなります。但し、この場合は退職金とは異なり、「給与所得」として取り扱われるため、税金や社会保険料が引かれることになります。

それぞれのメリット・デメリット

それぞれのメリット・デメリットの一例を以下の通り表にまとめます。

確定拠出年金前払い退職金
メリット・一時金で受け取る場合は退職所得扱いとなり、一定額まで非課税となる。
・運用益が非課税となる。
・事務費用は会社負担となる。
・用途は問わないため、結婚・出産、子育て、介護、自己研鑽、自身での自由な投資等々が可能となる。
・将来的な減額リスクの低減が図れる。(万が一企業業績不振の際の、退職金制度の見直しにあっても、過去の受け取り額は影響を受けないため。)
デメリット・原則60歳まで引き出すことができない。
・資産運用の際のリスクを負う。(株式などの運用においてそのリスクは自身が追うことになるため運用に失敗した際は、受け取れる額が減る可能性がある。)
・給与所得となり、税金や社会保険料がかかる
・自身で運用した際、一般的な金融商品においては利益に対して約20%の税金がかかる。

どうせ転職前提だから”退職金前払い”を選択、は正しい?

ここまで記載してきた通り、確かに、確定拠出年金は原則60歳まで引き出すことができない。というデメリットもあったりしますので、ずっと今の会社に留まるかもわからないから、前払いでもらった方がいいじゃないか。なんて考え方もあるかと思います。これは一里ありますが、

実は、この確定拠出年金は昨今は大企業から中小企業まで様々な会社が導入している仕組みとなります。確定拠出年金は転職後、転職先が企業型確定拠出年金制度を導入していれば移管が出来るということです。

また転職先に企業型確定拠出年金制度がない場合は、個人型の確定拠出年金(iDeCo)へ移管し拠出・運用を継続することもできます。

転職前提だから、退職金前払いを選択する、という選択はあまりオススメしません。

まとめ

冒頭では端的なお勧めを書きましたが、ここまで改めてそれぞれの概要や、メリットデメリットもご覧いただき、自分としてどちらが良いかな?というイメージが湧いてきたのではないでしょうか?ちなみに、私の会社では毎年、新人に確定拠出年金or退職金前払いを選択してもらっていますが、大体、9:1~8:2位の割合で、確定拠出年金を選択する人が多いです。また、個人的な話でも、私自身、確定拠出年金を選んでいますが、運用益は十数年で十数%になっており、非常に良いペースになっております。安定した投資対効果を得るための、分散投資、長期投資、積立がしっかりと担保できるのも確定拠出年金の良いところと考えます。

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