就活&新入社員|座談会での先輩社員への質問例とNG質問・質問マナー

就職活動の際に企業によっては、先輩社員との座談会の場等を設けてくれる企業があります。この先輩社員との座談会の場は企業にとっても、学生(”あなた”)にとっても非常に有用な場となります。

是非、積極的に質問をして頂ければと思います。こちらでは、大手企業のいち採用担当者としてこんな質問をしてみてはどうでしょうか?という質問例と、これらの質問はNG(避けた方が良い)ですという質問例をご紹介したいと思います。

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先輩社員との座談会はどんな場面で用意される?その目的は?

就活期 その① 会社説明会とセットで実施される
就活期 その② インターンシップのプログラムの一部として実施される
就活期 その③ 就活生向けに先輩社員との座談会がメインとしてそれ単体で実施される
合格後 その④ 内々定後の内々者交流会の一部として
合格後 その⑤ 内定式(内定後)のカリキュラムの一部として
入社前後 その⑥ 配属面談の前に配属検討のためもこめて実施される
入社後後 その⑦ 交流の意味も込めて実施される。

等々様々な場面で、様々な目的で先輩社員との座談会は用意されている可能性があります。

就活期 その①~その③について

これらは選考前ないし選考中のイベントとなりますので、まだ企業も”あなた”もお互いが双方に見定めあっているタイミングでのイベントとなります。

企業としては先輩社員を通じて魅力的な話を通して、学生に応募してもらいたい、また学生側からすればもしその企業にはいったらどんな人と働くことになってどんな仕事でどんな就業内容なのかといった多岐に渡ることが気になることと思います。

そのため、双方がお互いにより良く知り合うための座談会と言えます。

合格後 その④、その⑤について

これらは合格後の話になります、企業としては”辞退”にならないようにするために学生をより惹きつけるためのイベントとして行っている側面が強いと考えます。

また、実際の入社に向けての学生の不安の払拭やより具体個別な話(入社後の住宅手当などの福利厚生の話や、入社後の新人教育の話など)についてまで会話は及ぶと考えます。

入社前後 その⑥、その⑦について

こちらは入社前後になりますので、企業の組織構成もより詳細に開示された上で、どの部門・どの部署がどのようなことをやっているのかと言った詳細な話にも及びます。

新入社員として”皆さん”もそれらを意識した上での話を聞くことができますので、さらに濃い内容の座談会となります。

以前のタイミングでは話せなかったような、社外の人には話せなかったプロジェクトやお客さん名等も言及されてより具体的な内容について会話が出来るものになります。

先輩社員との座談会での質問の仕方・お作法

①挙手(手を上げる)
②先輩社員からの指名を受ける
③お礼をいい、(大学名*)、自分の名前を述べる
④質問を投げかける
⑤最後に改めてお礼をいい締め括る

*いち人事として、大学名を述べるのは不要です、と敢えて言います。それも皆さんの重要な個人情報です。恐らく大体のケースで企業側は座談会に参加する学生の大学名は把握出来ています。

わざわざ、大学名・氏名を述べて、他の学生に個人を特定出来る情報をばら撒く必要はありません。大学名が出ることで、変に周囲に”学歴”を意識させることにもしたくないといち人事としては考えています。

想定イメージ

あなた
(挙手)
先輩社員
どうぞ
あなた
ありがとうございます。○○と申します。本日はよろしくお願いします。早速ですが、御社では▲▲の事業が業界の中でもTOPシェアを誇っていますが、実際、他社と比べてどのような点が強みとなっているのかについて伺わせてください。
先輩社員
ご質問ありがとうございます。そうですね、当社の▲▲は特に~~(略)~~といった点が他社とは異なる点と考えていて、お客さんからもその点が評価されていると考えています。
あなた
とても勉強になりました。ありがとうございます。

先輩社員との座談会で是非聞いてみて欲しいこと・質問例

基本的にはその”先輩社員”が答えられる内容、先輩社員個人に聞きたいことを聞きましょう。後述しますが、会社全体に渡るような数値の話や、上流の事業戦略の話、制度・規則の詳細に関することは先輩社員に聞くのはあまり適切ではありません。

また、質問に対する回答は、あくまでそのいち先輩社員個人の意見・考え・理解・環境下をベースになされているものであるということを前提に聞きましょう。

当然、質問によってはA先輩とB先輩では全く異なる回答が来る可能性もある、ということです。

さらに…質問は、クローズド・クエスチョンではなく、オープン・クエスチョンを心がけましょう。もちろん、YESorNOの答えが欲しい場合はクローズド・クエスチョンでも問題ありません。

クローズド・クエスチョンでも大体の先輩社員は丁寧に、YES/NOの後に補足で色々と情報をくれるとは考えますが、必ずしもそうはならない場合もありますので、ご留意下さい。

クローズド・クエスチョン:YESorNO, AorBorCで答えられる質問
オープン・クエスチョン:相手に自由に答えてもらえる質問

企業を見定めるための質問

・入社してから感じた自社のコアコンピタンスがあれば教えてください。
・もし、もう一度就活がやり直せるとしたらまた今の会社を選びますか?それは何故ですか?
・仕事においてこれまでで一番苦労されたこととどのようにそれを乗り越えたか教えてください。
・今後の自社の事業をさらに成長させていくにあたって課題と感じていることはなんですか? 等々

先輩社員の意識の高さや、マインド、考えを知る、それを通して社員の質、ひいては会社のことを評価する参考とする。という観点です。

社会人となるにあたっての心構え的な準備のための質問

・入社前と入社後にギャップはありましたか?どんなギャップでしたか?
・思い描いていた社会人生活と今のギャップはありますか?どんなギャップですか?
・社会人になってから受けたカルチャーショックは何かありますか? 等々

やはり、学生時代と社会人というのは大きくフェーズが変わりますのでそこに”ギャップ”はつきものです。この”ギャップ”を如何に事前に少なくしておけるかは、社会に出た後のスムーズな適応にもつながります。

入社前・入社後の自己啓発(成長)のための質問

・今振り返ってとっておけば良かったと思う資格はありますか?
・今仕事で役にたっている学生の頃の知識やスキルは何かありますか?
・新入社員に求めることはどんなことですか? 等々

いち人事としては、学生時代には学生時代にしか出来ないことをせよ、と答えますが、きっと先輩社員によってはそれぞれ皆さん色々な異なる意見があると思います。是非、みなさんご自身でどのように過ごすかは選んでいただければと思います。

具体的な業務イメージを持つための質問

・○○職において、もっとも大変だと感じる時はどんな時ですか?
・仕事のイメージのために1日のタイムスケジュールを教えてもらえませんか?
・○○職の一連の仕事の流れはどのようなものになりますか? 等々

これは就活のどのようなフェーズにおける座談会かによって質問はもっと広がると考えますが、やはり、先輩社員に聞くからにはその先輩社員の”職種”について聞くことが業務イメージを持つことに繋がりやすいと考えます。

入社後の会社生活をイメージするための質問

・毎月残業はどの程度していますか?繁忙期と閑散期についても教えてください。
・今までで一番多かった月の残業時間はどの程度でしたか?
・社内でインフォーマル活動(サークル等)はありますか?
・企業によっては運動会や夏祭り等を会社主催で行っているところもあると聞きますが、会社全体行われるイベント的なものがあれば教えてください。
・オフィスは働きやすい環境ですか?良いところと改善して欲しい点について教えて下さい。 等々

労働環境についても気になる人は是非確認をと思いますが、インフォーマル活動の有無についても会社生活をより良いものにするためには大切な要素と考えます。

例えば…部活動(サークル)であったり、アイディアコンテストであったり、ハッカソンであったり、運動会であったり、フェスティバルであったり等々です。

仕事のみならずそういった活動があると会社として活気もありそうですし、会社生活もより充実し得ますね。

入社後のキャリアをイメージするための質問

・入社してからどのくらいで仕事を任されるようになりましたか
・大体何歳くらいで、”主任・係長”を任されますか
・社内でキャリアを積むにあたって重要視されている資格・スキルはありますか? 等々

やはり、みなさん一生を平社員で終わっても良いとは思っていないかと思います。

また、やはり、ある程度の年数がたてば、一定の仕事を任されて裁量をもって業務にあたりたいと思うのではないでしょうか。それがいつ頃からなにかを聞くのは、入社後のキャリアを想像することに役立ちます。

先輩個人の経験から学ぶための質問

・社会人になってから学生の頃にやっておけばよかったと後悔したことはありますか?
・仕事をする上で一番大切だと感じることはなんですか?
・会社に入ってからの一番の失敗はなんですか?その失敗はどのようにリカバーしましたか? 等々

明るい前向きな話を聞くことももちろん大切ですが、やはり、先人から学べる一つは成功の体験談もそうですが、失敗談や後悔の話からも多くのことを学ぶことが出来ます。

先人の失敗から学ぶことも大切ですので、そういった観点での質問もありです。また、先輩の失敗話は、将来自分が失敗した時に”救い”になります。

先輩社員との座談会でのNG質問・避けた方が良い質問例

先輩社員が一体どんな属性のかを踏まえてから質問をしましょう。大体のケースで、営業の先輩社員、エンジニアの先輩社員等が多いのではないかと考えます。また部長・課長といった管理職ではなく、若手の社員が出てくるケースが多いのではないかと考えます。

そういった前提のもと気をつけたいポイントは、3つ、

・労働条件に関わる過度な質問
・先輩社員に聞いてもわからない質問
・調べればわかる質問

と考えます。

その① 労働条件に関わる過度な質問

あまりに詳細に”労働条件”についてばかりの質問となると、就業意欲を疑われてしまう可能性があります。

”条件”重視で、”やる気が”ないと捉えられかねません。どうしてもそこが会社選びにあたって最重要と考えている際は本当に必要な部分に絞って確認をしましょう。

例)
・時間割賃金の割増率はいくつですか?
・○年目の給与はどれくらいになりますか?

会話テクニックとして労働条件を過度に気にしていると思われたくない場合は、以下のような形で労働環境について確認をしてみることをおすすめします。

あなた
一番大変だったプロジェクトはどんなプロジェクトですか?
先輩社員
そうですね。○○プロジェクトでは、プロジェクトの途中でお客さんからの仕様変更の依頼が入ったりして納期通りに進めることが非常に大変でした。しかし、お客さんとも密にコミュニケーションを取り合って、リリースまでに最低限必要な機能、将来的にあればいい機能等を明確にして、双方で認識を合わせながら進めて最終的には当初の予定通りリリースをすることができました。今では何万人もの人が触るシステムになり、自分が携わったものが世に出ていると思うとすごく励みになります。
あなた

そうなんですね。それは聞いていてやりがいもありそうですがすごく大変そうです。ちなみに追加で伺いたいのですが、その際はどの程度残業はされたんでしょうか?

周り道して残業時間について確認を取るのもひとつの方法です。

その② 先輩社員に”わからない”と思われる質問

具体的には会社の規則・制度に関することがこれに主に当てはまるでしょう。

・評価制度について教えてください
・福利厚生制度について教えてください
・会社の残業時間について教えてください
・女性社員の比率について教えてください
・女性の管理職比率について教えてください 等々

人事も座談会に同席していれば良いですが、先輩社員は人事ではありません。

そのため、規則・制度の詳細、会社の全体に関わる数値感を聞いてもわからないことが多いでしょうし、場合によっては誤った情報を伝えられる可能性もあります。

もちろん、先輩社員なりにその人が分かる範囲での回答はしてくるでしょうが、これらについて正確な話を聞きたいのであれば採用担当者に確認をしましょう。

その他例としては、以下のような質問例です。

例1:最新ニュースなどをソースにした質問

あなた
1週間ほど前のニュース(記事・インタビュー)にて御社の社長が~~~と言った発言をしていました。これについて今後の御社としての実際の事業推進にあたって課題と考えていることとそれに対しての対応の方向性を教えてください。

大企業ともなればなるほど、社長が言った発言の意図・真意は、いち従業員(担当者、主任・係長レベル)では正直はかりかねますし、わからないことの方が多いです。

そして、非常に残念ですが、社長の発言といえど、自社のニュースを日々チェックしている従業員はそこまで多くありません。このような質問があって初めて知るなんてことも珍しくありません。

もちろん、先輩社員によってはそれっぽく答えてくれたり、日頃から意識を高くもってればその人なりの意見を述べてくれることはあるかもしれません。

例2:特定の個別の製品・サービスの詳細に関する質問

あなた
御社について調べている中で、特に△△のサービスが非常に魅力的だと感じました。この△△のサービスにおける□□の機能についてですが、~~~~といった点について教えてください。

製品・サービスの詳細については、先輩社員も人事もわかりません。

その製品・サービスの担当者にしかわかりません。そういった意味で本当に知りたいのであれば、その前提で、聞き、先輩社員なり人事に社内で確認を取ってもらうまでしないと望む回答は得られないでしょう。

その③ 先輩社員のプライベートに深く関わる質問

あくまで先輩社員はその場に”会社の先輩”として来ています。社会として会社生活のことだけでなく、学生の皆さんもいろいろ気になることはあるかもしれませんが、先輩社員のプライベートに深く関わる質問は避けるようにしましょう。

もし、するとしたら、ワンクッションを置くことや、それを知りたい理由を述べるとと共に、先輩社員個人にフォーカスするような質問ではない質問の仕方をすると先輩社員もどのように回答したら良いか考えた上の回答をくれると思います。

NG例:○○さんは実家住まいでしょうか?

OK例:入社後に実家から通うか、ひとり暮らしでアパートから通うか迷っています。みなさんどうされていますでしょうか?

先輩社員との座談会でのNGマナー

最低限のマナーは言わずもがなですので、座談会でよく見かける2つの避けていただきたいことを以下の通りお伝えします。

その1 立て続けに一人で幾つも質問をしない

1対1ならもちろん問題ありませんが、大概のケースで先輩社員1名に対して複数名の学生なり新入社員といったスタイルでの先輩社員との座談会がほとんどかと思われます。

その際、立て続けに一人で幾つも質問をしない、というのは大前提のマナーの一つですが意外と立て続けに幾つも質問する人を見かけます。

参加者それぞれがしっかりと質問できる機会を設けられるように皆が配慮し合う必要があります。

どうしても複数質問をしたい場合は、せいぜい2つを限度として、事前に、「2つ質問してもよろしいでしょうか」と冒頭で許可を取った上で進めましょう。

また、質問に対して答えをもらった際に、追加でその回答対して質問をしたくなった場合は、やはり1つを限度に「ありがとうございます。

今お答えいただいた内容について、ひとつだけ追加で質問してもよろしいでしょうか」と許可を取った上で進めましょう。

その2 メモを取らない

やはり外目からはメモを一切取っていないと、「興味がないのかな」「関心がないのかな」「何しに来たのかな」「何か不満なのかな」とさまざまなネガティブな見方をされてしまいます。決して、そのメモを取ってない姿はポジティブにみえません。

”あなた”がメモを一切取らずとも、大切なことはしっかりと記憶できる人であっても、周囲の人にはそんなことはわからず、前述のようなネガティヴな見方をしてしまうことの方が多いです。

そのため、記憶できるとしても多少はメモを取っている姿を見せることは、話してくれている先輩社員に見せる敬意としてもお願いいたします。

さいごに

先輩社員の座談会、何を聞いたら良いのか悩むかもしれませんが、聞きたいことをうまく聞く、これをすれば良いと考えます。そして繰り返しになりますが、先輩社員にも答えられることと答えられないことがあるということは前提として理解しておいて頂きたいと思います。

質問者として、その人に聞くことが適切かどうかということも加味して、質問をすることを意識していただければと思います。

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